胸部・乳腺
胸部
胸部領域は、肺癌をはじめ、びまん性肺疾患、感染症に加え、気胸や肺血栓塞栓症などの救急疾患にわたる多彩な疾患が含まれる領域です。画像診断では、単純X線写真、CT、MRI、FDG-PET/CTなどを用いて、肺、気管、心臓、血管、リンパ節など、胸部にある臓器や組織を詳しく調べます。
単純X線写真は病変の検出や経過観察、病変の全体像の把握の手段として用いられ、簡便かつ迅速に撮影可能な検査です。CTは単純X線写真よりも詳細な情報が得られ、造影剤を使用することで、血管や血流の状態を評価することができます。高分解能CTは病理組織学的な形態を反映した所見を示し、肺癌やびまん性肺疾患の診断において重要な役割を占めます。CTの進歩と臨床応用により、所見の把握から鑑別診断の進め方も論理的に整理され、臨床現場での重要性は高まっています。MRIは軟部組織の性状評価に優れており、縦隔腫瘍などの腫瘍性病変や心臓疾患の診断に用いられます。FDG-PET/CTは肺癌などの悪性腫瘍において、病期診断や再発診断に用いられます。しかしながら、画像診断には一定の限界があることも事実であり、画像情報と臨床像の総合的な解析力が必要な分野です。
呼吸器センター
放射線科では他科との連携を深めるために、カンファレンスを積極的に行っています。2017年1月に院内に呼吸器センターが立ち上げられ、呼吸器内科、呼吸器外科とともに放射線科も参画しています。呼吸器センターのカンファレンスでは主に肺癌症例についての画像診断(胸部CT、PET/CT等)、放射線治療(体幹部定位放射線治療等)、IVR(CTガイド下肺生検や塞栓術等)の適応などについて呼吸器内科、呼吸器外科を交えてディスカッションしています。
乳腺
マンモグラフィ
マンモグラフィは乳がんの診断に欠かせない検査です。特に、超音波では見つけにくい微細な石灰化を描出することに優れています。近年ではトモシンセシスという新たな技術が開発され、当院では2013年から導入しています。通常のマンモグラフィに加えて撮影することで病変の検出率を向上させることができます。検査は女性技師が担当しますので、安心して受けていただけます。
MRI
乳がんの治療においては、手術の際の切除範囲の決定や化学療法の効果判定のためにMRIによる精密検査が重要です。より正確な診断を行い、適切な治療方針を決定できるよう努めています。