岐阜大学医学部 放射線科

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IVR

IVRとは、「Interventional Radiology=インターベンショナルラジオロジー」の略称であり、海外では頭文字をとってIRと呼ばれ、また日本語では「画像下治療」と訳されます。X線透視、CT、超音波検査などの画像を確認しながら様々な治療を行う分野であり、IVRの最大の特徴は非侵襲性です。IVRは手術に比較して一般的に低侵襲でかつ短期間の入院で済む場合が多いです。疾患によってはIVRによる治療が適応となるため、主治医または当科までご相談ください。
IVRは大きく、血管系IVRと非血管系IVRに分類されます。
血管系IVRとは、動脈や静脈を穿刺して細く柔らかいワイヤーやカテーテルを挿入しX線透視下に進め、標的病変に対して金属コイルやゼラチンスポンジなどを用いて血管を塞栓したり、抗がん剤を注入する手技です。最近では、第三の循環系と呼ばれるリンパ系も血管系IVR治療の対象となっています
非血管系IVRとは、超音波やCTを用いて標的を確認しながら針で穿刺する手技であり、診断目的の組織採取や、小径悪性腫瘍根治目的のラジオ波焼灼や凍結療法、膿瘍ドレナージ術などを行います。

当科では心臓と脳を除いた全領域のIVRを日本IVR学会専門医7名が中心となって行っています。

当院における主な対象疾患と実施件数 (2024年実績概数)

当院におけるIVR件数:約550件 (内、休日夜間緊急 約80件)

血管系IVR 中心静脈ポート留置, 抜去, フローチェック 170
動脈損傷に対する止血術 100
大動脈瘤に対するステント内挿術 35
内臓動脈瘤に対する塞栓術 20
透析シャントに対する経皮的血管形成術 15
ステントグラフト内挿術後 Type2エンドリークに対する塞栓術 10
動静脈瘻/奇形(肺, 腎, 体幹部)塞栓術 10
腎血管筋脂肪腫に対する塞栓術 10
術前腫瘍塞栓術 10
副腎静脈サンプリング 5
リンパ管造影/塞栓 5
その他:上顎洞癌に対する動注化学療法、胃静脈瘤に対するバルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術 (B-RTO), 血管内遺物回収術など
非血管系IVR 腫瘍に対する経皮的針生検術 80
膿瘍等に対するドレナージ術 50
腎癌に対するラジオ波焼灼術 (RFA) 2