岐阜大学医学部 放射線科

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非血管系

一般事項

非血管系IVRでは、CTやX線透視装置、エコー(超音波)といった画像装置を使いながら、体内に正確に針などの医療器具を穿刺することで、病変の一部を採取(生検)、液体を体外へ排泄(ドレナージ)、腫瘍を加熱・冷却して壊死させる(アブレーション)ことを行います。

手技別

針生検

体の外から針を穿刺して腫瘍や組織の一部を採取します。この組織を顕微鏡で調べることで、病変の種類や悪性度を調べることができます。最近では、腫瘍の遺伝子変異を調べることで、分子標的薬という特殊な抗がん剤が使えるかどうかを調べることもあります。
放射線科では全身様々な部位の生検を行っています。特にCTを使った穿刺を得意としており、通常エコーでは観察困難な、体の深部、肺、骨などの病変に対する生検を得意としています。

ドレナージ

体の中に膿や、消化液などの液が溜まってしまった場合、それを体外に排出(ドレナージ)することで治癒を促進させます。特に体の深部など、穿刺の難しい場所に対して、エコーやCTなど複数の画像を確認しながら穿刺することを得意としています。

アブレーション

腫瘍性病変に対して1.5mmほどの特殊な針を穿刺して、針の周囲を加熱したり、凍らせたりすることで腫瘍を壊死させます。腫瘍を完全に焼灼する根治目的だけでなく、疼痛や腫瘍の増大を抑える緩和目的でのアブレーションも行うことができます。
放射線科では、ラジオ波焼灼(RFA)によるアブレーションを行うことができます。ラジオ波焼灼では、電極針からラジオ波を腫瘍に照射することで腫瘍を60℃以上に加熱して腫瘍細胞を死滅させます。適応については、腫瘍のステージや場所、依存症などを考慮し、各診療科との密な連携の上で決定されます。

主な対象疾患

  • 腎癌(根治的)
  • 肺悪性腫瘍(根治的・緩和的)
  • 骨悪性腫瘍(根治的・緩和的)
  • 胸部、腹部、骨盤部の軟部悪性腫瘍(根治的・緩和的)

腫瘍を凍らせることで同じ様に腫瘍を壊死させるクライオアブレーションという治療もあります。アブレーション時の疼痛が非常に少ないことや、壊死する範囲が明確になるといったメリットがあります。当院ではまだ導入していませんが、今後導入を検討しています。