岐阜大学(岐阜・尾州東西北部地域)救急科専攻医プログラムについて

岐阜大学(岐阜・尾州東西北部地域)救急科専攻医プログラムについて

救急科専門医の理念
救急医療では医学的緊急性への対応、すなわち患者が手遅れとなる前に診療を開始することが重要である。
また、人的・物質的・時間的に不足した状況でも最善の努力が求められる。
他方、救急患者が医療にアクセスした段階では緊急性の程度や罹患臓器も不明なため、患者の安全確保に難渋することが多いのが国内の現状である。
救急科専攻医は救急搬送患者を中心に診療を行い、急病、外傷、中毒など原因や罹患臓器の種類に関わらず、すべての緊急性に対応する医師と考えられる。
症例各々の重症度や緊急度に応じた総合的判断に基づき、必要に応じて他科専門医と連携し、迅速かつ安全に急性期患者の診断と治療を進めることを専門とする。
急病で複数臓器の機能が急速に重篤化する場合、あるいは外傷や中毒など外因性疾患の場合は、救急科専攻医が初期治療から継続して根本治療や集中治療でも中心的役割を担うことが求められるが、当地域では未だ道半ばである。
救急科専攻医には、先述の事項に加え総務省もしくは厚生労働省から示されている地域メディカルコントロールの推進が強く求められている。
国民・県民・地域住民など様々な要望があるが、こと救急医療に関してその付託に十分に答えられる医師の養成が必要である。
特に地域ベースの救急医療体制、特に救急搬送(プレホスピタル)と医療機関との連携の維持・発展、さらに災害時の対応計画・実践にも関与し、地域全体の医療安全を維持する仕事も担うとされている。
岐阜県・尾張地域の中で特に岐阜県約200万人の人口ながらは県土も広く、その多くが山林、県の南北で救急に限らず、地域毎の医療事情も様々である。
プロトコールを中心とした県土全体のルール作りは出来ているものの、県全体での検証、改正などはようやくスタートしたところである。
尾張地域は約180万の人口がある。
救急受け入れ施設は多いものの、救急医不足から十分な治療が受けられない症例が散見される現状にある。
メディカルコントロール体制に関しては、心肺停止症例以外へのプロトコールの立案、周知、検証といった部分が弱く、地域単位での連携がようやくうまくつながりだした地域である。
このような地域の救急科専攻医育成にあたっては、地域の実情も加味しつつ都市部と変わらぬ救急医療提供ができる人材育成を行い、この地域の救急医療充実を担うのはもとより、全国どの地域に出ても十分力を発揮できる専攻医を養成することを目標とする。

救急科専門医の使命
救急科専門医は、医の倫理に基づき疾病の種類に関わらず、救急搬送患者を中心に速やかに受け入れて初期診療に当たり、必要に応じて適切な診療科の専門医と連携して、迅速かつ安全に診断・治療を進めることが使命である。
さらに、行政や消防、近隣病院間の連携などの発展に関与することにより、地域全体の救急医療の安全確保の中核を担う。
また関連組織との連携・教育なども中心的に担うことが求められる。

救急科専門研修の目標
当救急科専攻医プログラム修了者は研修により、以下の能力が備わる。
1. 救急患者の受け入れや診療に際して倫理的配慮を行える。
2. 救急患者や救急診療に従事する医療者の安全を確保できる。
3. 様々な傷病、緊急度の救急患者に、適切な初期診療を行える。
4. 複数患者の初期診療に同時に対応でき、優先度を判断できる。
5. 重症患者への集中治療が行える。
6. 他の診療科や医療職種と連携・協力して診療を進めることができる。
7. 必要に応じて病院前診療を行える。
8. 病院前救護のメディカルコントロールが行える。
9. 災害医療において指導的立場を発揮できる。
10. 救急診療に関する教育指導が行える。
11. 救急診療の科学的評価や検証が行える。
12. 最新の標準的知識や技術を継続して習得し能力を維持できる。
以上の知識、技術、態度が備わった救急科専門医が全国に整備され、我が国の救急医療を担えば、病院前から病院内までシームレスな標準的医療が、患者の緊急度に応じて迅速かつ安全に供給される。これによって地域社会にとって不可欠なセーフティーネットが整備される。

当救急科専攻医研修の実際

当救急科専攻医研修の実際

A:臨床現場での学習
当救急科専攻医プログラムでは、救急診療や手術での実地修練(on-the-job training)を中心に、広く臨床現場での学習を重視するため、関連13施設内での内科・外科・整形外科などの手技を学ぶ場所(時間)を提供する。
1. 診療科におけるカンファレンスおよび関連診療科との合同カンファレンスを通して、プレゼンテーション能力を向上し、病態と診断過程を深く理解し、治療計画作成の理論を学ぶ。 2. 抄読会や勉強会への参加、インターネットによる情報検索の指導により、臨床疫学の知識やEBMに基づいた救急外来における診断能力の向上を目指す。 3. hands-on-trainingとして積極的に手術の助手を経験する。その際に術前のイメージトレーニングと術後の詳細な手術記録の記載により経験を自己の成長に繋げる。 4. 手技をトレーニングする設備や教育ビデオなどを利用して手術・処置の技術を修得する。 5. 岐阜大学に存在するシミュレーションラボを中心とした事前トレーニングにより緊急病態の救命スキルを修得する。
B:臨床現場を離れた学習(学ぶべき事項)
当救急科専攻医プログラムでは専門研修期間中に救急医学に関連する学術集会、セミナー、講演会およびJATEC、JPTEC、ICLS(AHA/ACLS を含む)、MCLSコースなどへ参加し、国内外の標準的治療および先進的・研究的治療を学習する。
特にICLS(AHA/ACLS を含む)、JPTEC、JATECコースの履修は必須とする。
いずれかのコースにおいて指導者としても参加して救命処置の指導を行うこととする。
また、検証作業など病院前救急医療から、院内での専門治療まで連続した事象を学ぶ上で、検証医講習会などへの参加を促し、質の高い救急医療を提供できる人材となるべく学びの場を提供する。

C:自己学習(学習すべき内容/方法)
当救急科専攻医プログラムでは専門研修期間内に研修カリキュラムに記載されている疾患、病態で経験することが困難な項目がある場合は、日本救急医学会やその関連学会で作成している各種研修ガイド、e-Learningなどを活用して、より広くより深く学習する必要がある。

研修プログラムの実際

研修プログラムの実際

当研修プログラムは、参加する救急科専攻医の皆の要望を考慮し、個々の基本モジュールの内容を吟味した上で、基幹施設・
連携施設のいずれの施設からの開始に対しても対応できるような研修内容としている。
当研修プログラムによる救急科専門医取得後には、集中治療専門医や外傷専門医をはじめとする救急科関連領域のサブ
スペシャリティー取得を含めた医療技術向上を目指す臨床研修や、リサーチマインドの醸成および医学博士号取得を目指す
研究活動を選択することも可能な内容である。
また当研修プログラム管理委員会は、基幹研修施設である岐阜大学医学部附属病院の医師育成推進センターの初期臨床研修
部門と協力し、初期研修医の時期から救急専門医希望者に対応した急性期コースプログラムを実働させており、初期後期の
研修中に一貫した救急医療教育に重点を置いた研修プログラムとなっている。
1. 研修期間:研修期間は基本3年間。
2. 出産、疾病罹患等の事情に対する研修期間についてのルールは「項目18. 救急科研修の休止・中断、プログラム移動、プログラム外研修の条件」をご参照のこと。
3. 参加施設は以下の13施設(本プログラム最終覧に関係図を示す)。
4. 研修プログラムの基本構成案(本項最下段に基本プラン3案を示す)

研修施設群
・ 岐阜県総合医療センター
・ 岐阜県立多治見病院
・ 岐阜県厚生農業協同組合連合会 中濃厚生病院
・ 大垣市民病院
・ 高山赤十字病院
・ 一宮市立市民病院
・ 愛知県厚生農業協同組合連合会 江南厚生病院
・ 公立陶生病院
・ 岐阜市民病院
・ 社会医療法人蘇西厚生会 松波総合病院
・ 総合病院中津川市民病院
・ 木沢記念病院

本プログラムにおける研修病院群関係図

臨床全般・基礎研究・
病院前救護・災害医療・
各種教育

ER研修/災害
MC関連/他科研修
(地域医療)

地域医療・ER研修
他科研修

本プログラムにおける研修病院群関係図

研修プラン

研修プラン

研修プラン1(基本プラン)

年次 4〜6月 7〜9月 10〜12月 1〜3月
1 基幹病院研修(クリティカルケア・病院前救護 → プレイヤー教育)
2 連携施設研修1(ER、MCなど) 連携施設研修2(地域医療・他科研修等)
3 基幹病院研修(基礎研究+臨床) 基幹病院研修(クリティカルケア中心にリーダー教育を)

研修プラン2(基幹施設中心研修プラン)

年次 4〜6月 7〜9月 10〜12月 1〜3月
1 連携施設研修1(クリティカルケア・ER・MC → プレイヤー教育) 基幹病院研修(基礎研究+臨床)
2 基幹病院研修1(クリティカルケア・病院前救護中心 → リーダー教育)
3 基幹病院研修1 継続 連携施設研修2
(ER・地域医療・他科研修等)
連携施設研修1(ER、MCなど)

研修プラン3(連携施設中心研修プラン)

年次 4〜6月 7〜9月 10〜12月 1〜3月
1 連携施設研修1(クリティカルケア・ER・MC → プレイヤー教育) 基幹病院研修
(基礎研究+臨床)
2 基幹病院研修1(クリティカルケア・病院前救護中心 → リーダー教育) 連携施設研修2
(ER・地域医療・他科研修等)
3 連携施設研修2(クリティカルケア・ER・MC → リーダー実践)
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