第90回医学教育セミナーとワークショップ
Seminars and Workshops in Medical Education

MEDTaaalk

総合プレゼンター   
藤崎和彦(MEDC)      
日 時   
1月24日(金) 12:00-15:50   
アソシエイトポイント   
R 0.25
※各MEDTaaalkの学習領域は実施要項に記載通りですが、アソシエイトポイントはRに加算いたします

MEDTaaalk1 12:00-12:50
カンファレンスの観察社会学 ‐個別指導と全体的教育の二律背反等を事例として-

プレゼンター:樫田美雄(摂南大学) ナビゲーター:今福輪太郎(MEDC)

[ 概 要 ]
(診療科の朝の)カンファレンスには、多様な参加者が多様な目的で参加しています。そうすると、どうしても「あちら立てれば、こちら立たずの状況」が発生してしまいます。そもそも、参加者の基礎知識が違いますし、文化的背景も違います。若手に気を遣って、丁寧に説明していると、時間が掛かりすぎます。逆に、判断の難しいケースに関して、高速で意見交換をしていると、置いてけぼりになってしまう参加者が出ます。どうしたらいいのでしょうか? しかし、このMEDTaaalkは、「研究者が解決策を教示する」上から目線企画ではありません。じつは、<現場>では、そういう困難な状況に合わせて沢山の実践的工夫がされているんです。その工夫を自覚できるように、自覚したうえで、少しの修正や少しの応用が出来るようにする当事者目線企画です。紹介する事例は、個別指導をしていたはずなのに、それがなぜか全体的教育にもなっていたというものですが、単なる誘い水です。同じようなことが各地で毎朝沢山起きているはずです。それを持ち寄り報告しあいましょう。

MEDTaaalk2 13:00-13:50
コミュニケーションを測ること、評価すること

プレゼンター:石川ひろの(帝京大学) ナビゲーター:野村 理(MEDC)

[ 概 要 ]
医療におけるコミュニケーションの重要性やその教育の必要性について、ほとんど異議を挟まれることがなくなったのはこの30年ほどの大きな変化であると思います。医療コミュニケーションの実証研究は、その流れを作り、サポートするさまざまな根拠をつくってきました。とりわけ量的な研究では、コミュニケーションと健康アウトカムとの関連を統計学的に示すことが試みられてきました。たとえば、患者中心的なコミュニケーション、共同意思決定(Shared decision making: SDM)のようなコミュニケーション教育の中心に置かれてきた概念を、医療コミュニケーション研究がどう捉え、測定してきたのか、それがどのように教育や実践につながってきたのか、これからの課題も含めて考えてみたいと思います。

MEDTaaalk3 14:00-14:50
医療者と患者のコミュニケーションを異文化コミュニケーションの視点で考えてみよう

プレゼンター:灘光洋子(立教大学) ナビゲーター:早川佳穂(MEDC)

[ 概 要 ]
「文化」が「異なる」(と感じる)相手との「コミュニケーション」とはどのような現象なのだろうか。人と人とのコミュニケーションは様々な要素が絡む複雑な意味の相互作用と言って良いが、互いを理解するための共有基盤が脆弱な場合、そのプロセスで違和感やざらつき、驚きを覚える可能性は高い。立場や視点の違い、権力格差、アイデンティティの交渉などが絡む医療者と患者のコミュニケーションには異文化コミュニケーションの要素が垣間見えるように思われるのだが、どうだろう。このセッションでは、異文化コミュニケーション論で馴染みの深い概念、モデル、理論を用いて医療者と患者のやり取りについて考える機会としたい。

MEDTaaalk4 15:00-15:50
臨床研究コーディネーター(Clinical Research Coordinator : CRC)のレジリエンス

プレゼンター:野呂幾久子(東京慈恵会医科大学) ナビゲーター:髙橋美裕希(岐阜大学)

[ 概 要 ]
疾病の予防や早期診断、早期治療に対する国民の期待は高く、厚生労働省は新しい医薬品の研究開発を推進している。そのキーパーソンとなるのが臨床研究コーディネーター(Clinical Research Coordinator : CRC)である。CRCの業務は被験者ケア、医師への支援、依頼者への対応、関係者のコーディネーションなど多岐にわたり、また対人関係スキルと同時に臨床研究に関する高い専門性が求められることから、ストレス、不安、緊張といった精神的負担を感じる人が多いと言われている。しかし、そのような中でも、職務にやりがいを感じて継続しているCRCもいる。そこに関与しているレジリエンス(resilience)の力とは、どのような力なのだろうか。 本ワークショップでは、CRCのレジリエンスを入口に、医療従事者のレジリエンスや、それを育成するための教育について考えてみたい。

第90回医学教育セミナーとワークショップ

Seminar 科学史・科学論の視点から見た医学史・医学概論
MEDTaaalk1 カンファレンスの観察社会学 ‐個別指導と全体的教育の二律背反等を事例として
MEDTaaalk2 コミュニケーションを測ること、評価すること
MEDTaaalk3 医療者と患者のコミュニケーションを異文化コミュニケーションの視点で考えてみよう
MEDTaaalk4 臨床研究コーディネーター(Clinical Research Coordinator : CRC)のレジリエンス
WS-1 効率よく臨床医学を学ぶカリキュラムの構築 ~もっと臨床を Mehr Übung~
WS-2 Narrativeを活かした学習者支援 -フィードバックからメンタリングまで-
WS-3 キャリアデザインシミュレーション ビヨンド!~系統的キャリア教育を考えてみませんか~
WS-4 歯学教育における災害歯科保健教育の方向性とあり方を考えよう
WS-5 対話型鑑賞で支える多職種連携 -話し上手でなくてもいい、医療者として必要な対話力を身につけるために-
WS-6 障害のある医療系学生の社会的バリアを考える ~聴覚障害を例に~