センターの沿革
岐阜大学医学教育開発研究センター(MEDC)は、2001年に文部科学省認定の全国共同利用施設として認可され、産声を上げました。当時は、岐阜大学医学部において、医学教育機能を有する医学情報施設の設立を計画しておりました。文部科学省への陳情の末、我々の願いは医学教育を全国に広げる機能を有する施設を設置する構想へと発展しMEDCが創設されました。この成功は、岐阜大学医学部の医学教育の活性化のため1970年代にご活躍された、舘正知名誉教授・学長と尾島昭次名誉教授の全国に轟いていた名声を抜きにして語れません。
2001年から我々は、共同利用施設として全国の医学教育を活性化させる「医学教育セミナーとワークショップ」を年に4回開催して参りました。脈々とその開催は継続されており、これまで延べ1万3千人以上のご参加を賜り、全国の医学教育関係者のカレンダーに書き留めていただくセミナーとして人気を博しております。
2010年には、大学間連携を図る取組を一層推進するために創設された「教育関係共同利用拠点」認定制度に伴い、医学教育分野で唯一の認定を受け、施設から拠点となりました。この認定においては、医学教育に全国の教職員を誘い活動を活性化させた実績の他、海外のエキスパートとの国際的交流も盛んに推進し、医学教育の情報に関する輸出入に貢献した実績もお認め頂けました。
第一期拠点認定(2010年)以降も、新しい医学教育法の開発、医学教育に貢献できる人材育成、国内外の医学教育機関との連携、大学院を通じた医療者教育研究を推進してきました。その後も、おかげさまで第二期(2015年)、第三期(2020年)とも「教育関係共同利用拠点」の「大学の職員の組織的な研修等の実施機関」の一つとして再認定を受けております。
2020年、岐阜大学大学院医学系研究科には、我が国で初めての医療者教育学専攻修士課程が設立されました。MEDCのスタッフは、大学院での業務を兼任し、全国の多様な医療者教育関係者を対象として医療者教育学のリーダーの育成を行っておりますが、設立に成功した要因のひとつとして、岐阜大学にMEDCが存在し全国の活性化に貢献していること、そして、これまで培った豊富な人材育成の指導力や国内外の学際的ネットワークも評価いただくことができました。これも、私どもの企画をご愛顧いただき、ご支援賜りました国内外の皆様のおかげであると認識しており、厚く御礼申しあげます。
今後も海外の協定校や全国の医療系大学、そして臨床研修病院と連携して、一層の医学・医療者教育の活性化、および医療者教育学の学術的発展に貢献してゆく所存です。