モジュール一覧
3つの小目標のモジュールをそれぞれ1つ以上組み合わせると「災害時に子どもたちが食べて生き延びるために必要な主体的に行動する態度の育成」を目標とする食に関する防災教育プログラムを作ることができます。このプログラムは1単位時間の授業でも、数単位時間の授業でも行うことができます。 各モジュールには、学習活動のイメージ(ねらい、児童の活動、指導上の支援・留意点、準備する物)とその学習活動で必要な教材が用意されています。できそうなモジュールを組み合わせて、食に関する防災教育を行ってみませんか。
小目標1健康管理・衛生管理に関することを身につける
学習1安全な食べ方について
- 題材について
- 災害時には、衛生状態の悪化から食中毒の事例が発生しやすい。また避難所での生活は多くの身体的、精神的ストレスがかかるため、日常に比べて体力が消耗し、感染するリスクも高い。そこで本時では、災害発生時を想定して、限られた状況下でも衛生面に配慮した食事ができるような工夫について考える。実際に災害時に起こった事例から何が問題点であったかを話し合うことで、消毒をする、手袋をつける、ラップでくるむ等、衛生面に配慮した食事の具体的な手立てを見つけられるようにしたい。
- 食育の視点
- 災害時を想定して、安全に食事をとる方法を考える。(心身の健康)
- 学習内容の目標
- 災害時を想定し、工夫して衛生的に食べる方法を考えることができる。(思考力・判断力・表現力)
モジュール 1-1災害時の食中毒の予防について知る
手洗いの大切さと食中毒について、クイズ形式で学ぶことのできるモジュールです。避難所での食中毒の事例を紹介することで、災害時の食中毒予防について考えることができます。

ねらい
- 災害時に食事をする時の衛生について知る。
児童の活動
- 食事時の衛生について考える
- 手洗いの重要性:(クイズ)洗い残しの多い箇所は?
- 食中毒について:(クイズ)食中毒菌の発生しやすい温度帯は?
- 災害時の食中毒
- 災害時の食中毒事例を知る
- 食中毒予防の三原則を確認する
指導上の支援・留意点
- クイズ形式にすることで、問題を身近に考えられるようにする。
- 全員に見やすくするためにパワーポイント(PPT)で画面に映す。
準備する物
クイズ(スライド教材)
教材
スライド教材
ワークシート
関連する教科の学習
小学3年保健 単元「体のせいけつ」
- 東京書籍「新しいほけん3・4」(令和3年)| 1章 けんこうな生活 | 3. 体のせいけつとけんこう(pp.16-18)
- 光文書院「小学ほけん3・4」(令和2年)| 1章 けんこうな生活 | 3. 体のせいけつ(p.16, p.20)
モジュール 1-2災害時に衛生的に食事を摂る方法を考える
災害時に避難所で、十分に手を洗うことができず、多くの人と共に過ごす際に衛生的に食事を摂る方法を児童が考えるワークを中心としたモジュールです。モジュール1-1の学習後に学ぶことで、食中毒予防等についてより実践的に考えることができます。

ねらい
- 災害時に衛生的に食事を摂る方法を考える。
児童の活動
- 災害時に起こりうる衛生問題を知る。
- 水が出なくなる。
- 食事時に衛生を保って食べる方法を考える。
- ウェットティッシュで手をきれいに洗う方法を知る。
- アルコールの活用
- ラップでお皿を巻く。
- 食べ残しはせず、一度に食べきる。
指導上の支援・留意点
- ラップなどを活用することによって衛生的に食べられることに気づけるようにする。
準備する物
スライド教材、消毒液、サランラップ、紙皿、陶器の皿、箸、スプーン
教材
スライド教材
ワークシート
関連する教科の学習
小学4年社会科 単元「自然災害からくらしを守る」
- 東京書籍「新しい社会4」(令和3年)| 3. 自然災害からくらしを守る | (pp.78-99)
学習2災害時に想定される衛生問題について
- 題材について
- 大災害が発生すると、電気、水道、ガス(都市ガス)といったライフラインは停止し、利用が困難になる。首都直下地震などによる東京の被害想定では、各ライフラインの復旧目標日数は、電気で6日、上水道で30日、ガス(都市ガス)で55日とされており、ある日突然、日常とはかけ離れた生活を余儀なくされる。被害が深刻になると長期間の避難所生活も想定されるが、災害時の衛生状態の悪化に加えて身体の抵抗力がおちた状態では、食中毒などの集団感染が深刻な問題となっている。そこで本時では、避難所生活をシュミレーションすることで災害時における衛生管理の大切さに気がつき、感染拡大防止のための方法を理解できるようにしたい。
- 食育の視点
- 災害時の衛生を踏まえて自らの健康管理の方法を考える。<心身の健康>
- 学習内容の目標
- 災害時における衛生状態について理解し、その対処方法を考えることができる。(思考力・判断力・表現力)
モジュール 2-1災害時の衛生問題について知る
ライフライン(電気・ガス・水道)を普段の生活のどの場面で使っているのかを考えた後、災害時にライフラインが止まってしまった時に衛生を保つ方法を考えます。

ねらい
- 災害時の衛生問題について知る。
児童の活動
- ライフラインについて知る。
- 日常でライフラインを使用する場面を考える。
- 災害時のライフラインの状態を知る。
- 電気、ガス、水道が使えなくなることを知る。
- ライフラインが止まるとどのような問題が起きるか考える。
指導上の支援・留意点
- 生活の中でライフラインは欠かせないことに気づくために、ライフラインの説明を行う。
- 災害時の生活が想起できるように、ライフラインが止まっている様子を画像で映す。
準備する物
スライド教材
教材
スライド教材
ワークシート
関連する教科の学習
小学4年社会科 単元「自然災害からくらしを守る」
- 日本文教出版「小学社会4年」(令和3年)| 3.自然災害から人々を守る活動 | (pp.70-100)
モジュール 2-2災害時に衛生を保つ方法を考える
避難所を清潔にして感染症を防ぐ方法を考えるモジュールです。

ねらい
- 衛生を保つ方法を考える。
児童の活動
- 災害時に衛生状態を保つためにできることを考える。
- ミッション:避難所を清潔にして、感染症を防ごう。
ヒント:マスクの着用、手洗い、うがい、換気(手洗い、うがいは正しい方法でできるように)
- ミッション:避難所を清潔にして、感染症を防ごう。
指導上の支援・留意点
- 日常での衛生管理が災害時にも役立つことに気づくようにする。
- 実際の災害現場の様子を映すことで、実感をもつことができるようにする。
準備する物
スライド教材
教材
スライド教材
ワークシート
関連する教科の学習
小学6年保健 単元「感染症の予防」
- 東京書籍「新しい保健5・6」(令和3年)| 3章 病気の予防 | 2.感染症の予防(pp.53-56)
- 光文書院「小学保健 5・6年」(令和2年)| 3章 病気の予防 | 2.感染症の予防(pp.42-44)
- Gakken「みんなの保健5・6年」(令和3年)| 3.病気の予防 | 2.感染症の予防(pp.36-39)
学習3水の重要性、摂取方法について
- 題材について
- 水は日常生活に欠かせないものであるが、特に災害時においての水は飲料水としての役割だけでなく衛生環境を整える役割がある。災害時は水道が止まることによってトイレの衛生状態が悪化するため、被災者はトイレに行く回数をおさえるために水分摂取量を減らす傾向にある。しかし水分摂取量の減少は脱水症状や血流の悪化を引き起こし、身体の不調をきたす原因となる。そこで本時では飲料水としての水の重要性を理解するとともに、生活用水としての役割や必要な備蓄量についても理解できるようにしたい。
- 食育の視点
- 災害時における水の重要性を理解する。<心身の健康>
- 学習内容の目標
- 災害時における、人にとっての水の役割を知る。(知識・技能)
モジュール 3-1水の重要性について知る
日常の中で水を使っている場面を考え、水の重要性を知ることができるモジュールです。

ねらい
- 水の重要性について知る。
児童の活動
- 日常生活で水を使う場面を考える。
- ワークシートなどに水を利用する場面をかき出す。
- 水が止まると困ることを知る。
指導上の支援・留意点
- なし
準備する物
ワークシート
教材
スライド教材
ワークシート
関連する教科の学習
小学4年社会科 単元「自然災害からくらしを守る」
- 東京書籍「新しい社会4」(令和3年)| 3.自然災害からくらしを守る | (pp.78-99)
モジュール 3-2自分の家に必要な水の備蓄量を知る
水の備蓄の必要性を学び、クイズ形式で必要な水の備蓄量を知ることができるモジュールです。

ねらい
- 自分の家に必要な水の備蓄量を知る。
児童の活動
- 災害時に水が止まることを知る
- 必要な水の備蓄量を知る。(クイズ)
指導上の支援・留意点
- 実物を用意し、児童が実際の量のイメージを持てるようにする。
準備する物
クイズ(スライド教材)
教材
スライド教材
ワークシート
関連する教科の学習
小学4年社会科 単元「自然災害からくらしを守る」
- 日本文教出版「小学社会4年」(令和3年)| 3.自然災害から人々を守る活動 | (pp.70-100)