モジュール一覧
3つの小目標のモジュールをそれぞれ1つ以上組み合わせると「災害時に子どもたちが食べて生き延びるために必要な主体的に行動する態度の育成」を目標とする食に関する防災教育プログラムを作ることができます。このプログラムは1単位時間の授業でも、数単位時間の授業でも行うことができます。 各モジュールには、学習活動のイメージ(ねらい、児童の活動、指導上の支援・留意点、準備する物)とその学習活動で必要な教材が用意されています。できそうなモジュールを組み合わせて、食に関する防災教育を行ってみませんか。
小目標2災害時の食事・調理に関することを身につける
学習4ライフライン遮断時の調理・食事
- 題材について
- 大災害が発生すると、電気、水道、ガス(都市ガス)といったライフラインは、大災害発生直後に停止し、利用が困難になる。普段の調理はライフラインを使用して行われるため、災害時は普段とは異なる調理方法が必要となる。災害に備え、ライフライン遮断時の調理・食事について考えることは、災害時に食事によって健康を維持するために重要である。よって、本時では、ライフライン遮断時の調理についてシミュレーションを通して、調理の実際とその時に必要なものを考えることを目標に設定した。
- 食育の視点
- ライフライン遮断時の調理や食事の工夫を考える。<食品を選択する能力>
- 学習内容の目標
- ライフラインが止まると普段の調理が困難になることを知る(知識・技能)
- 災害時に想定される事態ふまえ、ライフライン遮断時の調理やその時に必要なものを考えることができる。(思考力・判断力・表現力)
モジュール 4-1災害時の調理について知る
災害時にご飯を炊く様子の動画を見て、普段と災害の調理の違いについて考えます。ライフラインが止まった時にキッチンで使えなくなる機能をイラストを見ながら考えます。

ねらい
- 災害時の調理について知る。
児童の活動
- 災害時と普段の調理の違いを知る。
- ライフラインが止まった時にできなくなることを知る。
指導上の支援・留意点
- 災害時の調理風景の動画を映す。
- 映像を見て気づいたことを書き出す。
- キッチンの図(絵)を見て、電気、ガス、水道が止まった時にどの機能が使えなくなるかを考える。
準備する物
食材・備品イラスト
教材
スライド教材
ワークシート
関連する教科の学習
小学5年家庭科 単元「ご飯とみそしるの調理」
- 開隆堂「わたしたちの家庭科5・6」(令和3年)| 生活を見つめ、できることをふやしていこう | 7.食べて元気に | ②ご飯とみそしるは食事の基本(pp.49-53)
- 東京書籍「新しい家庭5・6」(令和3年)| 5.食べて元気!ご飯とみそ汁(p.41-45)
モジュール 4-2災害時を想定した食事を考えることができる
備蓄に適した食品と適していない食品のイラストを使ったカードを用意し、災害時の1食分の献立を考えるモジュールです。 小学校6年生の家庭科で1食分の献立を立てる実習をした後に行うと学びが深まります。

ねらい
- 災害時を想定した食事を考えることができる。
児童の活動
- 各シチュエーションでどのような調理ができるかを知る。
指導上の支援・留意点
- 備蓄に適した食品と適していない食品のイラストを使ったカードを配布し、何を用いてどんな食事を作れるかを考える。
- 「電気、ガス、水」が止まった時を想定する。
- ロイロノートを使って発表する。
- 今回使った食材が、給食でも用いられていることを伝える。
準備する物
食材・備品イラスト
教材
スライド教材
ワークシート
関連する教科の学習
小学6年家庭科 単元「1食分のこんだてを考えよう」
- 開隆堂「わたしたちの家庭科5・6」(令和3年)| 工夫して生活に生かそう | 7.こんだてを工夫して(pp.112-114)
- 東京書籍「新しい家庭5・6」(令和3年)| 13.まかせてね 今日の食事(pp.106-109)
学習5ライフライン遮断時の食事について(パッククッキング)
- 題材について
- 食に関する防災教育が日本においても進みつつある。東日本大震災など大規模な災害の際にはライフラインが9割程度復旧するまでに電気は6日、水道は24日、そしてガスは34日間かかったとのデータがある。また、東日本大震災の被災者へのアンケート調査によると、被災時には食事に苦労したという声が多く寄せられた。被害規模が過去最大とされる南海トラフの発生が予想される中、長期間の避難生活やライフラインが遮断された状況を乗り越える術として、災害時における調理技術を学校教育で扱うことは有効であると考える。従って、本時では、災害時の調理方法として代表的なパッククッキングの実践を通して、災害時の調理方法を知り、身につけることを提案し、題材を設定した。
- 食育の視点
- 災害時におけるパッククッキングの利点を理解する。<食事の重要性>
- 学習内容の目標
- 災害時の調理方法であるパッククッキングについて知る。(知識・技能)
- 簡単なパッククッキングができる。(知識・技能)
- 本時の学びから、実生活への適応を考えることができる。(思考力・判断力・表現力)
モジュール 5-1パッククッキングについて知る
パッククッキングがなぜ災害時に役立つかを学びます。パッククッキングの注意点やポイントを解説しています。

ねらい
- パッククッキングについて知る。
児童の活動
- パッククッキングがなぜ災害時に役立つかを知る。
- ライフラインが止まった時でも実践しやすい。
- 暖かいものが食べられる。
- パッククッキングの方法を知る。
- 使える袋と使えない袋の違いは?
- 具体的な作業方法。
指導上の支援・留意点
- 教材の掲示
- 条件からどのように料理をするのか考えさせる。
- 災害時にパッククッキングが有効であることを強調する。
準備する物
- スライド教材
- パッククッキングの動画
教材
スライド教材
ワークシート
関連する教科の学習
小学5年家庭科 単元「ご飯とみそしるの調理」
- 開隆堂「わたしたちの家庭科5・6」(令和3年)| 生活を見つめ、できることをふやしていこう | 7.食べて元気に | ②ご飯とみそしるは食事の基本(pp.49-53)
モジュール 5-2災害時を想定した食事を考えることができる
パッククッキングを調理実習で行うモジュールです。スライドでは、パッククッキングを行う際のカセットコンロを安全に使うためのポイントをまとめています。調理実習で使えるレシピは、本サイトの教材集のパッククッキング動画をご覧ください。

ねらい
- パッククッキングが実践できる。
児童の活動
- メニューの説明
- 調理実践
- 袋を閉める際の留意点を説明。
- カセットコンロの使用について実践。
- 喫食。
指導上の支援・留意点
- 各班のサポートを行う。
- 安全に調理できているかを確認する。
- 適切にコンロを使えているかを確認する。
- 各班員全員が調理に携われるようにする。
- 各班が正しくパッキングできているように指導する。
- 適切に加熱されているかを確認する。
- 茹でたお湯を残しておくように指示する。
- 加熱時間が適切であるかを確認する。
準備する物
スライド教材、パッククッキングの材料、カセットコンロ、お皿、耐熱性のポリ袋
教材
スライド教材
ワークシート
関連する教科の学習
小学5年家庭科 単元「ご飯とみそしるの調理」
- 東京書籍「新しい家庭5・6」(令和3年)| 5.食べて元気!ご飯とみそ汁(p.41-45) 小学5年・家庭科 単元「ゆでて食べよう」
- 開隆堂「わたしたちの家庭科5・6」(令和3年)| 生活を見つめ、できることをふやしていこう | 2.クッキングはじめの一歩 | ②ゆでて食べよう(pp.12-17)
- 東京書籍「新しい家庭5・6」(令和3年)| 2.おいしい楽しい調理の力 | ②ゆでる調理をしよう(pp.16-21)