当院では、高次救命治療センターの病棟部門の一部門としてCCU(Cardiac Care Unit)があり、日本循環器学会の専門医研修施設です。
主に院外からの急性心筋梗塞をはじめとする冠動脈疾患、心不全、急性大動脈解離、肺血栓塞栓症、致死的不整脈、心原性心肺停止症例など重篤な心疾患に対応可能な施設です。
当センター内だけでも、循環器専門医が3人常駐し、24時間365日常に循環器医師が対応しております。
院外症例のみならず、院内の心疾患症例にたいして即座に対応することができ、より重篤な症例に対して人工心肺(PCPS)や大動脈バルーンパンピング(IABP)などのデバイス治療ももちろん、当センターの特徴として、循環器専門医の他に、透析専門医、救急専門医、集中治療専門医、外傷専門医も常駐しており、より高度で専門的な人工呼吸器管理、血液浄化などもでき、従来の心臓専門医チームでは対応困難な重篤な心疾患に合併する急性腎障害・敗血症・多臓器不全症例にも専門的に治療が可能です。
救急外来にて心臓超音波検査の評価
重症心疾患の集中管理(人工心肺等を使用)
主な対象疾患 | 疾患説明 |
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1, 心肺停止 |
何らかの理由により心臓の機能が止まってしまった状態。 原因は多岐にわたります。脳保護の観点からも、低体温療法や、即時対応が要求されます。 |
2, 急性心筋梗塞 | 冠動脈が閉塞した状態で、心筋が虚血、壊死をきたす病態で、即時対応にて心臓の予後を大きく左右します。 |
3, 不安定狭心症 | 冠動脈が詰まりかかった状態で、今後心筋梗塞に移行する可能性があり、適切な早期対応が要求されます。 |
4, 急性大動脈解離 | 大動脈は外膜、中膜、内膜で構成されており、何らかの理由により内膜の一部が裂け、外膜と中膜の間に血液が入り込む状態。 裂ける場所よっては臓器障害をきたします。 |
5, 急性心不全 |
うっ血性心不全ともいい、急激なポンプ機能低下に伴い、呼吸困難、浮腫などの症状が現れます。 特に急性期には人工呼吸器等を含む集中的な管理を必要とします。 |
6, 急性肺血栓塞栓症 | 何らかの理由により静脈内に粗大な血栓を形成し、それが肺動脈に詰まってしまう病態。重症例では人工心肺を必要とすることもあります。 |
7, 不整脈 | 頻脈性不整脈、除脈性不整脈があり、中にはペースメーカーを必要とするものや、心室細動、心室頻拍といった致死的な不整脈もあり、専門的な対応を要します。 |
2015年症例数
2, 急性心筋梗塞:49例、3, 不安定狭心症:21例、4, 急性大動脈解離(内科的治療):11例、5, 急性心不全:35例(CCU入院が必要なもの)、6, 急性肺血栓塞栓症:7例、7, 不整脈(CCU入院が必要なもの):22例
上記のうち、PCPS:4例、IABP:10例、低体温療法:6例
CCUでは緊急を要する上記疾患を主に扱っておりますが、その他の循環器疾患も受け入れております。
詳しくは当院循環器科のホームページを参照ください。
循環器科ホームページ [ https://hosp.gifu-u.ac.jp/medical/jyunkanki/jyunkanki.html ]
CCU部門として初期研修プログラムを用意しております。
循環器救急疾患患者を中心に初期対応、診断、治療を学べます。
詳しくは以下のホームページをご参照ください。
医師育成推進センター [ https://hosp.gifu-u.ac.jp/cct/shoki/program/shinryo/ccu.html ]