イングリッシュセンター

岐阜大学イングリッシュ・センター

イングリッシュ・センターは、岐阜大学の学生が国際社会で活躍できるように、英語力を身につけるための支援を行う、革新的で連携のとれた部門です。

イングリッシュ・センター長・巽 徹 教授(左から2番目)と専任教員
イングリッシュ・センター長・巽 徹 教授(左から2番目)と専任教員

岐阜大学イングリッシュ・センター
Gifu University English Center

 岐阜大学イングリッシュ・センターは、2018年に設立され、全学共通教育科目である英語のカリキュラムおよび評価基準の標準化(統一化)を担っています。また、非常勤講師の管理・サポートや、学生からの相談対応も行っています。イングリッシュ・センターは、教育学部英語教育講座に所属する巽徹教授、5名の専任教員、そして7名の非常勤講師で構成されており、全学部におけるほぼすべての英語授業を担当しています。
 イングリッシュ・センターは、独自に開発したカリキュラムに基づき、「話す・読む・書く・聞く」という主要な言語スキルの実践的な運用に重点を置いた、質の高い英語教育を行っています。毎週のミーティングでは、運営方針の検討や教員間相互の情報交換を行い、授業内容の改善や教材開発にも取り組んでいます。さらに、「English Xtra」サービスを通じて、学生が1対1で面談できる機会を提供しており、課外試験の準備や留学相談、英会話練習などを、リラックスした雰囲気の中でサポートしています。

 イングリッシュ・センターの基本理念は、岐阜大学のすべての学生が同じ高水準の英語教育を受けられるようにすることです。そのために、すべての授業は専任教員によって入念に設計・調整されています。センターのメンバー全員の知識と経験を活かし、非常勤講師とも密に連絡を取り、授業内容や学生の評価基準に一貫性を持たせ、それらを継続的に検証・改善しています。

 その結果、どの学生も、将来に役立つスキルを身につけて英語科目を修められるようになっています。また、授業の主な目的は英語力の向上ですが、それに加えて「汎用的スキル(トランスファラブルスキル)」の育成にも力を入れています。したがって、学生は英語運用能力の向上にとどまらず、他の学問分野にも応用できる技術を身につけることができます。

Designated Assistant Professor Hunter Smith
左:ハンター・スミス 特任助教、右:マーク・ガスリー 特任助教による授業の様子

 英語教育における最大の課題の一つは、多くの学生が「自分は英語が苦手だ」と思い込んでいることです。イングリッシュ・センターは、実践的な授業を通じてそのような思い込みを払拭し、「自分にもできるかも」と学生が感じられるよう、自信を育むことを目指しています。

 リスニングやリーディングの授業では、スキルを向上させるためのテクニックを教えるだけでなく、それらのテクニックが「なぜ効果的なのか」という理由も説明することで、学びに意味のある文脈を与え、理解を深めます。

 ライティングの授業では、英語で書く力を伸ばすだけでなく、アカデミック・エッセイの書き方といった重要な-汎用的スキル(トランスファラブルスキル)-を身につけるとともに、生成AIのような最先端のツールを、責任を持って使用し、学びに活かす方法についても学習します。

 スピーキングの授業では、イングリッシュ・センターのリサーチに基づいた、学生の自信を高める効果のある自己表現の方法を指導しています。

 さらに、すべての授業においてグループワークやペアワークを取り入れており、学生が積極的に授業に参加する中で、モチベーションと自信を育むことができるよう工夫しています。

ジェームズ・マッキンソン 特任助教による授業の様子
ジェームズ・マッキンソン 特任助教による授業の様子

 これらの革新的な取り組みを通じて、イングリッシュ・センターは、岐阜大学のすべての学生が大学生活の中だけでなく、その後の人生においても効果的に活用できる、実践的で使える英語力を身につけることを目指しています。

岐阜大学イングリッシュ・センターの指針と基本方針

3つの指針 3つの基本方針
  1. 統一 … 英語カリキュラムを統一します。
  2. 向上 … 英語力の向上を目指します。
  3. 管理 … 英語の授業を適切に編成します。
  1. 教員の説明だけに頼るのではなく、アクティブ・ラーニングを通じて実践的なコミュニケーション能力の育成を重視します。
  2. 明確な目標を設定します。
  3. 15週で成果が見えるカリキュラムを実施します。

技術別のカリキュラム

英語1
スピーキング
英語2
リスニング
 初対面の人から話しかけられた時に、臨機応変に対応できる英会話の習得が目標です。予想外の返答がかえって来た時の即興対応に重点を置き、徹底した練習によって会話への自信を身につけていきます。  ネイティブの英語を理解するためには、発音を理解することが重要です。「話せる者は聞き取れる」という考え方です。そのため、単語のアクセントやリズムを改めて学び、知っている単語を正確に聞き取れるレベルを目指します。
英語3
リーディング
英語4
ライティング
 綴りと発音の関係性を学ぶ英語学習法「フォニックス」のほか、複数の意味を持つ単語の勉強法、辞書の使い方、文脈からの意味の推測法などを学び、英文を自ら読み解く力を養います。  英語ライティングの基礎を学び、学術的なスタイルのエッセイを作成できる力を身につけます。単に日本語を英訳するのではなく、英文の基本的な構造を理解し、考えを明確かつ論理的に伝える技術を習得します。

教員へのインタビュー:

教員同士が活発に意見し合うことで、より質の高い授業を提供したいと考えています。

オノ・ファンへトホフ 特任准教授
オノ・ファンへトホフ 特任准教授

 私は英語の授業を担当する傍ら,非常勤講師のサポートも行っています。イングリッシュ・センターの開設に伴い,非常勤講師は授業に関する考えやアイデアが出しやすくなり,より高度な授業が提供できるようになりました。教員同士も積極的にコミュニケーションをとるようになり,「もっと授業を面白くするには?」といった指導方法に対してアドバイスを求められることも多くなりました。このように教える側の環境が整備されたことは大きいと感じています。今後は教員同士の相乗効果により,より質の高い授業が展開できるのではと期待しています。

私は、学生が自由に探求できる、開かれた魅力的な学習環境を提供することを目指しています。

ジョイ・ホング 特任助教
ジョイ・ホング 特任助教

 一般的に、学生は成長するにつれて、子どもの頃の好奇心や自由な発想を失い、可能性に対して心を閉ざしてしまうように感じます。将来の職業の可能性であったり、進学の機会であったり、あるいはすでに知っていることをさらに広げていくことさえも、何かに制限され、好奇心や驚きを失わせてしまうように見えるのです。しかし、彼らはまだとても若く、これからたくさんの人生経験をしていくはずです。私は、学生が安心して探求し、失敗を恐れずに学べる環境を提供できれば、教科書に書かれた内容だけでなく、学ぶ意欲自体を引き出せるのではないかと考えています。