柳田國男<1875年(明治8年)〜 1962年(昭和37年)>は、日本民俗学の祖として多数の著書を残しました。
文章からは、変わりゆく日本の姿を目の当たりにし、「今記録しておかなければ」という強い意志が
感じられます。
ワサビの起源と進化を明らかにすることを目的としてスタートした研究でしたが、現地を調査するうえで、
聞き取り調査は欠かせませんでした。
なぜなら、山のなかでワサビを見つけても、誰かが植えたものなのか、それとも野生なのかは、
みただけではわからないことが多いからです。
人が早々簡単にはたどりつけないような山奥ですら、昔の人は入っていた可能性もあるため、
『真の』野生集団を特定することは、みただけではわかりません。
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そのため、周辺の集落の方々を訪問し、今と昔のワサビの栽培や
利用について、聞き取り調査を行います。聞き取り調査の情報だけで
足りる訳ではありませんが、
そこにあるワサビを理解するための第一歩が踏み出せるようになります。
このように、日本全国の山間部を訪問し、ワサビに関して様々な
聞き取り調査を行っています。
ワサビが長年栽培されてきた地域では、ワサビ栽培に関して
技術と知識が存在することもわかり、重点的に聞き取り調査を
行っています。
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調査のひとコマ |
全国を調査した結果、ワサビにまつわる文化の多様性には地域間差があることがわかりました。
全国の道の駅に電話により聞き取り調査を行った結果、ワサビ文化の多様性に関して重要な地域を
以下のように選定しました。 |
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今後は、こうした地域を中心に聞き取り調査を行うとともに、失われつつある、山間部の植物利用について、
記録してゆきたいと考えています。 |