ごあいさつ|岐阜大学医学部附属病院 第二内科

ごあいさつ|岐阜大学医学部附属病院 第二内科
  1. ごあいさつ

ごあいさつ(2024)

大倉 宏之 大倉 宏之

 2024年が始まりました。働き方改革元年です。 私たち岐阜大学第二内科(循環器内科・呼吸器内科・腎臓内科)にとっても大きな変革の時を迎えました。
 循環器内科には2023年10月に一柳肇先生がもどってきてくれました。 そして、2024年1月からニューヨーク、マウントサイナイ病院で2年間の留学を終えて、湊口信吾先生が大学病院に戻ってきてくれました。 同じく1年間スタンフォード大学での留学を終えた吉田明弘先生も帰国し、中濃厚生病院勤務となりました。 両名とも海外留学で学んだ最新の知見を活かして、診療・研究・教育に活躍してくれることと思います。
 4月からは5名の新しいメンバーを迎えることができました。 循環器内科には柏子見茉緒先生が高山赤十字病院での初期研修を終了後、岐阜大学の専攻医プログラムに参加してくれました。 安田裕先生は大阪のベルランド総合病院での初期研修後、岐阜大学の専攻医プログラムに入り、1年間のベルランド総合病院での研修後、岐阜大学に来てくれることになりました。 腎臓内科には初期研修後に、渡邊友貴先生、豊田七海先生が腎臓内科専攻医として岐阜大学の専攻医プログラムに参加してくれました。
 腎臓内科には安田宣成先生が特任教授として赴任されました。 安田宣成先生は永らく名古屋大学の腎臓内科でご活躍でしたが、この度ご縁があって故郷の岐阜に戻ってきていただけました。 岐阜大学腎臓グループの新しい柱としてのご活躍を期待しております。
 呼吸器内科はいよいよ今年度中に講座として独立することになりました。 新たなリーダーのもと新生呼吸器内科がスタートします。 とはいうものの、私たち第二内科の強みは循環器、呼吸器、腎臓内科の連携です。 これからも、各科が協力しながら診療、研究、教育をおこなっていきたいと思います。

循環器内科臨床について

 虚血性心疾患においては、冠動脈狭窄のない虚血性心疾患(INOCA:ischemia with non-obstructive coronary arteries)が注目されています。 岐阜大学でもあらたに「CoroFlow」を導入し、冠微小循環障害(CMD)の診断が可能になりました。 弁膜症においては、経カテーテル的大動脈弁植え込み術(TAVI)が順調に経験を重ねております。 心不全においては、新たに心不全療養指導チームを立ち上げました。 医師のみならず、多職種で心不全診療に取り組んでおり、心不全教育入院とともに成果をあげつつあります。 心不全は症候名であり病名ではありません。 私たちは単に心不全治療を行うだけでなく、その原因をきちんと診断し、最適な治療を提供できるように心がけています。 そのなかで、ATTR心アミロイドーシスに対する治療は岐阜県の中核施設として治療に取り組んでいます。 緊急連絡にはこれまで通り、循環器内科のホットライン「ハート♡コール(058-230-6183)」で対応しています(医師、医療機関からのみ受け付けております。)

循環器内科研究について

 金森准教授、遠藤医師らによる基礎研究では心筋梗塞モデルでSGLT2阻害薬がどのように心筋保護に働くのかについて研究を進めています。 渡邊医師を中心に産学連携で取り組んでいる。 ウエアラブルデバイスの使用による遠隔心臓リハビリテーションの多施設共同研究は順調に登録を重ねています。 また、工学部、教育学部と共同で取り組んでいる、AIを用いた医用画像診断に関する研究も、山本医師、増田医師らが熱心に取り組んでくれています。 同分野では佐橋医師が昨年よりアメリカLos AngelesのCedars-Sinai Medical Centerに留学し、David Ouyang医師のもと研究活動を開始しました。 この分野の第一人者となって帰ってきてくれることを楽しみにしています。 林先生が取り組んでくれている、冠動脈石灰化と大動脈炎症による肺がん患者の心血管イベントの予測についての研究は、American Heart Associationでの発表を終えました。 不整脈領域では高杉医師の指導の下、昨年はEuropean Society of Cardiologyで石原医師、栃洞医師が海外学会デビューを果たしました。
 高齢化社会において今後重要な弁膜疾患となるであろう、「僧帽弁輪石灰化にともなう僧帽弁狭窄症」の日本人における自然歴を研究することとなりました。 メイヨークリニックでこの分野で数々の業績を上げてこられた、東京ベイ・浦安市川医療センターの加藤奈穂子先生を中心に、岐阜大学が事務局となって多施設共同研究として行います。

内科医教育・診療の場として

 私たちの教室は循環器内科・呼吸器内科・腎臓内科を包括した内科学講座です。
当科で内科医としての研鑽を積んでいただければ、内科各領域の経験を積みながら循環器、呼吸器、腎臓内科それぞれの専門分野についても早い時期から研鑽することができますので、まさに新内科専門医制度にもってこいの環境であるといえます。
 循環器内科に関しては、身体所見や心電図、心エコー図といった基本技能から、心臓カテーテル検査、経皮的冠インターベンション、カテーテルアブレーション、TAVIといった専門的な手技まで幅広く経験してもらい、「総合力」のある循環器内科医となってもらうことができます。 また、専門施設での研修や海外留学にも力を入れています。
 新たな試みとして、研修医向けの心エコーハンズオンセミナーを2024年6月22日(土)に、学生研修医専攻医セミナー「めざせ心電図検定」を7月23日(火)に開催します。
 名古屋市立大学の瀬尾教授、三重大学の土肥教授とともに始めた東海心血管エコーセミナーは今年が第3回となり岐阜大学が担当します。 2024年11月9日(土)、10日(日)の2日間オンラインで開催しますので、東海地区以外の皆さんもぜひともご参加ください。

教授のごあいさつ教授のごあいさつ(2023) 教授のごあいさつ教授のごあいさつ(2022) 教授のごあいさつ教授のごあいさつ(2021) 教授のごあいさつ教授のごあいさつ(2020) 教授就任のごあいさつ教授就任のごあいさつ(2019)

教授就任のごあいさつ(2023)

大倉 宏之 大倉 宏之

 2023年はポストコロナ元年ともいうべき記念すべき年になりそうです。新型コロナウイルスの世界的パンデミックにより医療はもとより私たちの生活は一変しました。 多くの制約がある中で、私たちも診療、教育、研究に取り組んでまいりました。そんな中、2022年8月ようやく経カテーテル的大動脈弁植え込み術(TAVI)が始まりました。 すでに他病院で豊富な経験を積んできてくれた成瀬医師を中心としたハートチームにより安全で確実な治療を続けています。 また、2023年4月21日~23日には長良川国際会議場で日本心エコー図学会第34回学術集会をハイブリッド開催し、日本全国から1,000名近くの現地参加者がありました。 海外の学会からのゲストにも4年ぶりに現地にご参加いただくことができました。ようやく、元の世界が見えてきたような気がします。 ご協力いただいた医局員のみなさん、ご支援をいただいた同門の皆様方にはこの場を借りて御礼申し上げたいと思います。
 本年度も多くの新しいメンバーを岐阜大学に迎えることができました。 循環器内科には、石原丈士先生が美濃病院での内科研修を終えて、大学に戻ってきてくれました。 専攻医プログラムもこれで完了です。今後は不整脈チームにとって大きな力になってくれるものと期待しています。 若狭志保先生は大阪のベルランド総合病院での専攻医プログラムの一環として、連携先の岐阜大学に1年間来てくれることになりました。 異なる環境で研鑽を積んでこられた先生が仲間に加わることによってお互いに良い刺激になればと思っています。 呼吸器内科には、福井聖周先生が長良医療センターでの研修を終えるとともに専攻医プログラムを終えて大学に戻ってきてくれました。 同じく塚本旭宏先生は岐阜市民病院の専攻医プログラムを完了して、研修先の大垣市民病院から岐阜大学へ来てくれました。 さらに、新専攻医として平岡恒紀先生が中濃厚生病院での研修の後に私たちの仲間になってくれました。呼吸器内科は若い力がどんどん台頭してきており、頼もしい限りです。
 2022年度から開始した「専攻医・研修医カンファレンス」は2023年度もバージョンアップして継続します。 リモートだけではなく対面でのカンファレンス、講演会、ハンズオンなど様々な工夫をして若手医師や学生さんの学びの場となるようにしたいと思っています。
 そしていよいよ2024年からは医師の働き方改革が本格的にスタートします。私たち自身の健康や生活の質を維持しつつ、必要な医療、教育、研究をいかに維持していくか。 この課題にむけてこの1年間全力で取り組んでまいります。

循環器内科臨床について

 すでに述べた通り、経カテーテル的大動脈弁植え込み術(TAVI)が始まりました。心不全患者に対する教育入院も継続中です。 岐阜大学は岐阜県唯一のATTR心アミロイドーシスに対するタファミディス治療施設です。岐阜県全域から患者様をご紹介いただき金森准教授を中心に診断・治療を行っています。 肥大型心筋症その他の心筋症についても、金森准教授、石黒医師が中心となって診療を行っています。循環器内科のホットライン「ハート♡コール(058-230-6183)」の利用件数は年々増加しています。 緊急対応が必要な時にはどうぞご活用ください(医師、医療機関からのみ受け付けております。)

循環器内科研究について

 2022年から産学連携によるウエアラブルデバイスの使用による遠隔心臓リハビリテーションの多施設共同研究が渡邊医師を中心に開始されました。 遠隔医療の一つの在り方を提案できるものになると期待しています。
 工学部、教育学部と共同で取り組んでいる、AIを用いた医用画像診断に関する研究も順調に進んでいます。 佐橋医師を中心に取り組んでいる、心エコー図画像の高解像度スローモーション化については、日本循環器学会、日本心エコー図学会等で発表し、大きな反響がありました。 今年中に論文掲載を目指しています。増田医師を中心にすすめている、AIによる血管内超音波画像の自動診断も今年中にその成果を学会発表予定です。 山本医師が中心に取り組んでいる身体所見へのAIの応用については基礎実験から臨床応用へと向かうところです。 林先生が取り組んでくれている、冠動脈石灰化と大動脈炎症による肺がん患者の心血管イベントの予測についての研究は、日本循環器病学会での発表を終えていよいよ論文化間近です。 不整脈領域では高杉医師の指導の下、若手医師たちが新しい知見を次々と報告してくれました。基礎研究については遠藤医師が金森准教授の指導により継続中です。 山田医師、三上医師による再生医療の研究も継続中です。専攻医の一柳医師は早くも症例報告を論文化してくれました。また、前述の心エコー図学会では医学部の学生さんの学会発表を指導してくれました。

内科医教育・診療の場として

 私たちの教室は循環器内科・呼吸器内科・腎臓内科を包括した内科学講座です。
当科で内科医としての研鑽を積んでいただければ、内科各領域の経験を積みながら循環器、呼吸器、腎臓内科それぞれの専門分野についても早い時期から研鑽することができますので、まさに新内科専門医制度にもってこいの環境であるといえます。
 循環器内科に関しては、身体所見や心電図、心エコー図といった基本技能から、心臓カテーテル検査、経皮的冠インターベンション、カテーテルアブレーション、TAVIといった専門的な手技まで幅広く経験してもらい、「総合力」のある循環器内科医となってもらうことができます。
 若手医師や検査技師の学習の場として、「心エコーカンファランス」をZoomによるオープンカンファランスとして毎月開催しています。参加ご希望の方はご連絡ください。
これら医局の活動については本ホームページのトップページに表示されているFacebookをご参照ください。

キャリアパス支援と人間教育そして、「セレンディピティ」を体験できる場の提供

 当科で研鑽した教室員の皆さんにはいろんな分野で大きく羽ばたいていってもらいたいと願っています。 循環器内科医、呼吸器内科医、腎臓内科医である前に内科医であれ、内科医である前に医師であれ、医師である前に信頼される社会人であれ、それが私の目指す人間教育です。
また、皆さんに「セレンディピティ(serendipity)」を体験していただきたいと思っています。

教授就任のごあいさつ(2022)

大倉 宏之 大倉 宏之

 2022年度は私たちにとって記念すべき再スタートの年となりました。
まず、岐阜大学病院の新手術棟がついに完成し、ハイブリッド手術室での経カテーテル的大動脈弁植え込み術(TAVI)が実施可能となりました。 これでようやく大学病院としての高度な循環器医療を提供する体制が整ったことになります。 設立2年目を迎えた岐阜大学医学部附属病院循環器センターの「ハートチーム」が一丸となって今後も新しい治療に取り組んでまいりたいと考えております。
本年度も多くの新しいメンバーを岐阜大学に迎えることができました。 循環器内科には、三輪裕高先生が岐阜県総合医療センターから、石黒まや先生が榊原記念病院から、山本沙央里先生が大雄会病院からそれぞれ私たちのもとに来てくれました。 各病院での豊富な経験を生かして新しい風を吹き込んでくれています。 また、1月には成瀬元気先生が豊橋ハートセンターから、4月には佐橋勇紀先生が岐阜ハートセンターから、栃洞亮太先生が岐阜市民病院から、研鑽を終えて大学に戻ってきてくれました。 呼吸器内科には、専攻医プログラムを終えた岩井正道先生、北村悠先生が戻ってきてくれました。 腎臓内科には、新専攻医として川合桃加先生、橋本真吾先生、 西山壮先生が私たちの仲間に加わってくれました。
次に、海外留学も再開しました。2022年1月から湊口信吾先生(平成21年卒)が米国ニューヨークのマウントサイナイ病院(Mount Sinai Hospital)に留学中です。 留学中の様子は、公式Facebookで随時報告してくれています。
2022年度からは研修医や専攻医に学習の場として、「専攻医・研修医カンファレンス」を毎月開催しています。 大学にいる皆さんだけでなく、連携先の病院で研修中の皆さんにもリモートで参加してもらえるようにしています。
最後に、日本心エコー図学会第34回学術集会を岐阜で開催することとなりました。 日程は2023年4月21日~23日の3日間で、長良川国際会議場とWebのハイブリッド開催を予定しています。 みなさんぜひともご参加をよろしくお願いいたします。

循環器内科臨床について

 経カテーテル的大動脈弁植え込み術(TAVI)が始まります。 これからは、外科治療のリスクが高いもしくは不可能であった高齢者重症大動脈弁狭窄症に対する治療が岐阜大学医学部附属病院においても可能となります。 外科治療もしくはTAVIの適応となりそうな患者様がおられましたら、ぜひともご紹介ください。また、心不全患者に対しては教育入院を開始いたしました。 金曜日から月曜日までの4日間の入院で、病態把握、薬物治療の最適化、患者教育、心臓リハビリテーション導入まで行います。 比較的安定している心不全患者が主な対象となりますので、慢性心不全患者さんがおられましたら、気軽にご相談ください。 なお、緊急対応が必要な患者さんにつきましては、引き続き「ハート♡コール」にて対応しております。

循環器内科研究について

 岐阜大学工学部、教育学部との連携による、AIを用いた医用画像診断に関する研究は順調に進んでいます。 心エコー図画像の高解像度スローモーション化、血管内イメージング画像のAI診断、身体所見へのAIの応用など次々と新しい取り組みを始めています。 拡張型心筋症の心筋組織のオートファジーと左室リモデリングの関係を臨床例で初めて明らかにした金森准教授の研究論文(Impact of Autophagy on Prognosis of Patients With Dilated Cardiomyopathy)は、循環器系のトップジャーナルの一つ、Journal of the American College of Cardiology(JACC, 2021 impact factor 27.203)に掲載されました(Kanamori H et al. J Am Coll Cardiol. 2022 Mar 1;79(8):789-801.)。 近年、日本の単一施設からの研究内容がこの雑誌に掲載されるのは極めて異例のことで、大いに誇りたいと思います。

内科医教育・診療の場として

 私たちの教室は循環器内科・呼吸器内科・腎臓内科を包括した内科学講座です。
当科で内科医としての研鑽を積んでいただければ、内科各領域の経験を積みながら循環器、呼吸器、腎臓内科それぞれの専門分野についても早い時期から研鑽することができますので、まさに新内科専門医制度にもってこいの環境であるといえます。
循環器内科に関しては、身体所見や心電図、心エコー図といった基本技能から、心臓カテーテル検査、経皮的冠インターベンション、カテーテルアブレーション、TAVIといった専門的な手技まで幅広く経験してもらい、「総合力」のある循環器内科医となってもらうことができます。
若手医師や検査技師の学習の場として、「心エコーカンファランス」をZoomによるオープンカンファランスとして毎月開催しています。参加ご希望の方はご連絡ください。
これら医局の活動については本ホームページのトップページに表示されているFacebookをご参照ください。

キャリアパス支援と人間教育

 当科で研鑽した教室員の皆さんにはいろんな分野で大きく羽ばたいていってもらいたいと願っています。 循環器内科医、呼吸器内科医、腎臓内科医である前に内科医であれ、内科医である前に医師であれ、医師である前に信頼される社会人であれ、それが私の目指す人間教育です。
私たちは全力でそのお手伝いをします。

教授就任のごあいさつ(2021)

大倉 宏之 大倉 宏之

 2021年4月、岐阜大学医学部附属病院に「循環器センター」が設立されました。
本センターは循環器内科、心臓血管外科を中心に、多職種で構成されるものです。
岐阜大学の総力を結集して、循環器疾患に対する「高度な医療を提供」することと「断らない医療」に引き続き取り組んでいきたいと思います。また、2020年10月27日に「循環器病対策推進基本計画」が閣議決定されましたことをうけて、岐阜県においても「循環器病対策推進計画」をすすめているところです。我々にとっては大きなターニングポイントとなる1年となります。
そのような中で、新年度から6名の新しいメンバーを迎えることができました。循環器内科の増田悠人先生と呼吸器内科の酒井千鶴先生は新内科専門医制度による岐阜大学の内科専攻医第一期生として、無事3年間のトレーニングを終え、大学に戻ってきてくれました。
同じく、他病院で内科専攻医としての研修を終えた、呼吸器内科の河江大輔先生も新たに私たちの仲間に加わってくれました。
3人はこれからそれぞれの専門分野で中心的な役割を演じてくれることと思います。また、研究活動や後輩の指導に大いに期待しています。
4月から新専攻医として、一柳肇先生、高井瑞貴先生、栃洞亮太先生の3名が仲間に加わりました。
循環器内科を中心に、内科全般を幅広く学んでいただきたいと思います。そして、呼吸器内科には乾俊哉先生が来てくれました。
東京ですでに10年以上呼吸器内科医としての経験があり、即戦力として期待しています。
また、同門の明るい話題として、朝日大学病院の大橋宏重教授が第71回岐阜新聞大賞「学術部門」を受賞されましたことをこの場を借りてご報告させていただきます。

循環器内科臨床について

 高度な医療としては、補助循環装置インペラ(Impella(R))が新たに導入され、IABPやPCPS(V-A ECMO)のみでは治療が困難な、重症心不全例で実績を上げています。
診断においては岐阜県唯一となる、FFR-CTの運用が始まりました。同じく、岐阜県唯一となるATTR心アミロイドーシスに対するタファミディス治療の導入についても、広く岐阜県内から患者さんのご紹介をいただいています。
カテーテル治療においては、高度石灰化病変に対する治療法として、従来から行っていたロータブレーターに加えてダイアモンドバック(Diamondback 360°Coronary Orbital atherectomy)も使用可能となり、治療選択の幅が広がりました。
血管内イメージングについては、血管内超音波(IVUS)と光干渉断層法(OCT)を使いわけて最適な治療を行っています。
冠動脈狭窄に対する治療適応については、冠動脈造影による見た目の狭窄度のみならず、機能的狭窄度をFFR, dPR, RFRなどの方法を用いて診断し、適応をきちんと判断したうえで治療を行っています。
新手術棟の建設が2022年4月からの運用開始に向けて着々とすすんでいます。
循環器専用の1室を含む2室のハイブリッド手術室ができます。そして、ようやく弁膜症等のSHD(構造的心疾患)に対するカテーテル治療が開始できます。
現在は、経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI)の開始に向けて、ハートチーム一丸となって準備を進めています。

循環器内科研究について

 高度な医療からは良質なエビデンスの実行・創出が必要です。
エビデンスに基づいた適切な医療を安全かつ確実に地域の患者さんにお届けしつつ、そこから新たなエビデンスの創出を目指します。
呼吸器内科との連携によって、肺がん患者の心血管イベントについての研究が進行しています。
抗がん剤治療の心機能への影響についてもがん治療医と循環器内科医が合同で診療にあたっている私たちならではの視点で検証しています。また、腎臓内科との連携では岐阜県における透析患者さんのレジストリーを構築します。
透析患者においても、心血管合併症のリスクが高いことや治療抵抗例が多いことから、その克服に向けた取り組みとします。そして、新たな取り組みとしては、岐阜大学工学部、教育学部との連携により、AIを用いた医用画像診断に関する研究に取り組んでいます。
これからの発展が期待できる分野です。
Muse細胞を用いた心筋再生に関する研究も継続中です。
現在はいかに自家のMuse 細胞を効率よく誘導できるかを研究中です。
心不全領域での薬物治療の進歩は目覚ましく、さまざまな薬剤が予後改善を来すことがあきらかになりました。しかしながら、いかなる機序で心機能や予後の改善をもたらすかは十分わかっていません。
その領域にも基礎研究で切り込んでいきたいと考えています。

内科医教育・診療の場として

 私たちの教室は循環器内科・呼吸器内科・腎臓内科を包括した内科学講座です。
当科で内科医としての研鑽を積んでいただければ、内科各領域の経験を積みながら循環器、呼吸器、腎臓内科それぞれの専門分野についても早い時期から研鑽することができますので、まさに新内科専門医制度にもってこいの環境であるといえます。
循環器内科に関しては、身体所見や心電図、心エコー図といった基本技能から、心臓カテーテル検査、経皮的冠インターベンションからカテーテルアブレーションといった専門的な手技まで幅広く経験してもらい、「総合力」のある循環器内科医となってもらうことができます。
若手医師や検査技師の学習の場として、「心エコーカンファランス」を毎月開催しています。
オンライン化することによって、オープンカンファランスとして広く岐阜県内の検査技師さんや医師にご参加いただいています(県外からの参加ももちろんOKです)。
医局の活動については本ホームページのトップページに表示されているFacebookをご参照ください。
コロナとの闘いはまだまだ続きますが、私たちは進化し続けます。

キャリアパス支援と人間教育

 当科で研鑽した教室員の皆さんにはいろんな分野で大きく羽ばたいていってもらいたいと願っています。
新型コロナ終息のめどが立たず、閉塞感を感じている皆さんも多いのではないでしょうか?そんななかで私たちにできることはなにか、それは自らを磨き続けることです。
それぞれが、専門技能を極める、研究に邁進する、地域医療を支える、医学教育に従事する等、目指す方向は違っても、社会性、人間力をたかめて、信頼される医療人となるべく自らを研鑽し続けることが今こそ必要なのです。
循環器内科医、呼吸器内科医、腎臓内科医である前に内科医であれ、内科医である前に医師であれ、医師である前に信頼される社会人であれ、それが私の目指す人間教育です。
私たちは全力でそのお手伝いをします。

教授就任のごあいさつ(2020)

大倉 宏之 大倉 宏之

 2020年度は新型コロナウイルスパンデミックとという混乱のなかでのスタートとなりました。
私たちは日々感染対策に追われながらも新しい社会、新しい生活様式を模索し続けています。
多くの学会や講演会が中止、延期となる中、今私たちに課せられている課題はいかにして、学びの機会を維持して医学生・若手医師や自分自身をアップデートし続けることができるのかです。
そして、患者さんに対して、最先端の医療を「安全」に提供し続けるにはどうすればよいのかです。
すでにオンライン面談やオンライン会議は日常のものとなり、私たちも医局内の会議やカンファレンス、抄読会、講義などの一部はオンラインへと移行しました。
循環器診療もポストコロナ時代に向けてのターニングポイントに差し掛かってきました。もはや、昔ながらの対面診療から遠隔医療、AI診断といった新しい医療へと移行していく流れは止まることはないでしょう。
ただ、循環器診療の醍醐味は、患者さんを診て、触れて、聞いて、感じる医療です。この醍醐味を維持しながら、新時代の診療へと私たちは進んでいかねばなりません。

循環器内科臨床について

 昨年の就任に際して、「高度な医療を提供」することと「断らない医療」を最優先課題とのべました。
高度な医療としては、岐阜大学附属病院にようやく新手術棟が建設されることが決定し、待望のハイブリッド手術室も併設されます。完成すれば、構造的心疾患(SHD)に対するカテーテル治療が行えることになります。
きたるべき日に備えて私たちハートチームは一丸となってその準備を進めていきます。
また、岐阜県で岐阜大学附属病院のみでしか行えない循環器診療として、ATTR心アミロイドーシスに対するタファミディス治療があげられます。
すでに県内から多くの患者さんをご紹介いただいています。
診断面ではやはり岐阜県唯一の保険診療下でのFFR-CT導入に向けた準備が着々と進んでおります。
断らない医療の実践にむけては、循環器内科専用の電話回線、ハートコールを開設することになりました。
医療機関から直接循環器内科の当番医に電話がつながりますので、気軽に循環器疾患に関するご相談をしていただくことができます。
関連病院を皮切りに、2000年秋には岐阜県内の大学病院と連携している病院すべてにご案内をさせていただきます。
高度な医療からは良質なエビデンスの実行・創出が必要です。エビデンスに基づいた適切な医療を安全かつ確実に地域の患者さんにお届けしつつ、そこから新たなエビデンスの創出を目指します。
特に、本年度は呼吸器内科や腎臓内科との講座内連携に力を注ぎたいと考えております。

内科医教育・診療の場として

 私たちの教室、第二内科は循環器内科・呼吸器内科・腎臓内科を包括した内科学講座ですので、内科医としての研修の場に最適です。
循環器、呼吸器、腎臓内科の各部門がそれぞれ個別にカンファレンスを行いながら診療や研究を行っているだけでなく、毎週すべての新入院患者を医局全体で検討しています。
したがって、いずれの科で入院していても、常に他科の視点も交えて患者の全体像を俯瞰した診療を行うことができます。
第二内科で内科医としての研鑽を積んでいただければ、内科各領域の経験を積みながら循環器、呼吸器、腎臓内科それぞれの専門分野についても早い時期から研鑽することができますので、まさに新内科専門医制度にもってこいの環境であるといえます。
循環器内科に関しては、身体所見や心電図、心エコー図といった基本技能から、心臓カテーテル検査、経皮的冠インターベンションからカテーテルアブレーションといった専門的な手技まで幅広く経験してもらい、「総合力」のある循環器内科医となってもらうことができます。
手医師や検査技師の学習の場として、「心エコーカンファランス」を毎月開催しています。また、不定期で「心電図勉強会」も行っています。
学生や研修医のうちに「心電図検定」に挑戦する猛者もいます。
外部講師による特別講演もオンラインを活用し行っています。
医局の活動については本ホームページのトップページに表示されているFacebookをご参照ください。

キャリアパス支援と人間教育

 第二内科で研鑽した教室員の皆さんにはいろんな分野で大きく羽ばたいていってもらいたいと願っています。
専門技能を極める、研究に邁進する、地域医療を支える、医学教育に従事する等、人それぞれの道は違っても、共通して願っていることがあります。
それは、社会性、人間力をたかめて、信頼される医療人となってほしいという点です。
循環器内科医、呼吸器内科医、腎臓内科医である前に内科医であれ、内科医である前に医師であれ、医師である前に信頼される社会人であれ、それが私の目指す人間教育です。
私たちは全力でそのお手伝いをします。

教授就任のごあいさつ(2019)

大倉 宏之 大倉 宏之

2019年1月より岐阜大学大学院医学系研究科 循環病態学分野(第二内科)の教授に着任いたしました、大倉宏之(おおくらひろゆき)と申します。
私の専門分野は、循環器病学全般ですが、なかでもカテーテルインターベンションによる虚血性心疾患への低侵襲治療と心エコー図による非侵襲的診断を臨床・研究の両輪として実践してまいりました。

循環器内科臨床について

近年、循環器病学の領域は大きくすそ野が広がり、かつ専門分化が進んできました。
虚血性心疾患に対するカテーテルインターベンションはすでに成熟した治療となりました。
カテーテルアブレーションは単なる不整脈治療にとどまらず、心不全治療にもなくてはならない治療手技となりました。
弁膜症等の構造的心疾患(SHD)に対するカテーテル治療においては、経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)につづいて、僧帽弁逆流症に対する弁尖間クリッピング術が保険適応となり、大きな波となって広がりつつあります。
急性心筋梗塞に対する急性期治療の進歩は予後の改善をもたらしましたが、心不全患者は人口の高齢化とも相まって増加の一途をたどり、「心不全パンデミック」と呼ばれるまでになりました。
私たちは、急性心筋梗塞や心不全に対する急性期治療を速やかに対応すること、すなわち「断らない医療」を診療面での最優先課題と考えています。
また、大学病院として高度で先進的な治療をいち早く地域の患者さんに提供できるようにしたいと考えています。エビデンスに基づいた適切な医療を安全かつ確実に地域の患者さんにお届けし、そこから新たなエビデンスの創出を目指します。

内科医教育・診療の場として

2018年から新専門医制度にむけて内科専攻医制度が始まりました。
私たちの教室、第二内科は循環器内科・呼吸器内科・腎臓内科を包括した内科学講座です。その特徴を一言で言うならば、「多様性」です。
呼吸器内科では肺癌、慢性閉塞性肺疾患などに対してテーラーメイドの治療を提供しています。
近年、抗がん剤治療にともなう心血管合併症管理の重要性が叫ばれており、「腫瘍循環器学」という新しい分野が登場しました。
第二内科はそのプラットフォームとしてまさに最適な場です。腎臓内科では腎生検を積極的に行い、原因治療を目指します。透析導入、透析管理においても関連施設も含め、多くの患者さんの診療を行っています。
「心腎連関」という言葉が使われるようになって久しいですが、やはり第二内科はこの領域においても最適の場であるといえます。
以上のごとく、第二内科で研鑽を積んでいただければ、内科各領域の経験を積みながら循環器、呼吸器、腎臓内科それぞれの専門分野についても早い時期から研鑽を積むことができますので、まさに新制度にもってこいです。
循環器内科に関しては、身体所見や心電図、心エコー図といった基本技能から、心臓カテーテル検査、経皮的冠インターベンションからカテーテルアブレーションといった専門的な手技まで幅広く経験してもらい、「総合」循環器内科医となってもらうことができます。

キャリアパス支援と人間教育

その後はさらに専門技能を極める、研究に邁進する、実地医家として地域医療を支える等、それぞれの道にむかって教室員皆が大きく羽ばたいていってもらいたいと願っています。
また、単なる知識や技術だけではなく、社会性、人間性をたかめて、信頼される医療人となってほしいと思います。
循環器内科医、呼吸器内科医、腎臓内科医である前に内科医であれ、内科医である前に医師であれ、医師である前に信頼される社会人であれ、それが私の目指す人間教育です。
私たちは全力でそのお手伝いをします。