2024年が始まりました。働き方改革元年です。
私たち岐阜大学第二内科(循環器内科・呼吸器内科・腎臓内科)にとっても大きな変革の時を迎えました。
循環器内科には2023年10月に一柳肇先生がもどってきてくれました。
そして、2024年1月からニューヨーク、マウントサイナイ病院で2年間の留学を終えて、湊口信吾先生が大学病院に戻ってきてくれました。
同じく1年間スタンフォード大学での留学を終えた吉田明弘先生も帰国し、中濃厚生病院勤務となりました。
両名とも海外留学で学んだ最新の知見を活かして、診療・研究・教育に活躍してくれることと思います。
4月からは5名の新しいメンバーを迎えることができました。
循環器内科には柏子見茉緒先生が高山赤十字病院での初期研修を終了後、岐阜大学の専攻医プログラムに参加してくれました。
安田裕先生は大阪のベルランド総合病院での初期研修後、岐阜大学の専攻医プログラムに入り、1年間のベルランド総合病院での研修後、岐阜大学に来てくれることになりました。
腎臓内科には初期研修後に、渡邊友貴先生、豊田七海先生が腎臓内科専攻医として岐阜大学の専攻医プログラムに参加してくれました。
腎臓内科には安田宣成先生が特任教授として赴任されました。
安田宣成先生は永らく名古屋大学の腎臓内科でご活躍でしたが、この度ご縁があって故郷の岐阜に戻ってきていただけました。
岐阜大学腎臓グループの新しい柱としてのご活躍を期待しております。
呼吸器内科はいよいよ今年度中に講座として独立することになりました。
新たなリーダーのもと新生呼吸器内科がスタートします。
とはいうものの、私たち第二内科の強みは循環器、呼吸器、腎臓内科の連携です。
これからも、各科が協力しながら診療、研究、教育をおこなっていきたいと思います。
虚血性心疾患においては、冠動脈狭窄のない虚血性心疾患(INOCA:ischemia with non-obstructive coronary arteries)が注目されています。 岐阜大学でもあらたに「CoroFlow」を導入し、冠微小循環障害(CMD)の診断が可能になりました。 弁膜症においては、経カテーテル的大動脈弁植え込み術(TAVI)が順調に経験を重ねております。 心不全においては、新たに心不全療養指導チームを立ち上げました。 医師のみならず、多職種で心不全診療に取り組んでおり、心不全教育入院とともに成果をあげつつあります。 心不全は症候名であり病名ではありません。 私たちは単に心不全治療を行うだけでなく、その原因をきちんと診断し、最適な治療を提供できるように心がけています。 そのなかで、ATTR心アミロイドーシスに対する治療は岐阜県の中核施設として治療に取り組んでいます。 緊急連絡にはこれまで通り、循環器内科のホットライン「ハート♡コール(058-230-6183)」で対応しています(医師、医療機関からのみ受け付けております。)
金森准教授、遠藤医師らによる基礎研究では心筋梗塞モデルでSGLT2阻害薬がどのように心筋保護に働くのかについて研究を進めています。
渡邊医師を中心に産学連携で取り組んでいる。
ウエアラブルデバイスの使用による遠隔心臓リハビリテーションの多施設共同研究は順調に登録を重ねています。
また、工学部、教育学部と共同で取り組んでいる、AIを用いた医用画像診断に関する研究も、山本医師、増田医師らが熱心に取り組んでくれています。
同分野では佐橋医師が昨年よりアメリカLos AngelesのCedars-Sinai Medical Centerに留学し、David Ouyang医師のもと研究活動を開始しました。
この分野の第一人者となって帰ってきてくれることを楽しみにしています。
林先生が取り組んでくれている、冠動脈石灰化と大動脈炎症による肺がん患者の心血管イベントの予測についての研究は、American Heart Associationでの発表を終えました。
不整脈領域では高杉医師の指導の下、昨年はEuropean Society of Cardiologyで石原医師、栃洞医師が海外学会デビューを果たしました。
高齢化社会において今後重要な弁膜疾患となるであろう、「僧帽弁輪石灰化にともなう僧帽弁狭窄症」の日本人における自然歴を研究することとなりました。
メイヨークリニックでこの分野で数々の業績を上げてこられた、東京ベイ・浦安市川医療センターの加藤奈穂子先生を中心に、岐阜大学が事務局となって多施設共同研究として行います。
私たちの教室は循環器内科・呼吸器内科・腎臓内科を包括した内科学講座です。
当科で内科医としての研鑽を積んでいただければ、内科各領域の経験を積みながら循環器、呼吸器、腎臓内科それぞれの専門分野についても早い時期から研鑽することができますので、まさに新内科専門医制度にもってこいの環境であるといえます。
循環器内科に関しては、身体所見や心電図、心エコー図といった基本技能から、心臓カテーテル検査、経皮的冠インターベンション、カテーテルアブレーション、TAVIといった専門的な手技まで幅広く経験してもらい、「総合力」のある循環器内科医となってもらうことができます。
また、専門施設での研修や海外留学にも力を入れています。
新たな試みとして、研修医向けの心エコーハンズオンセミナーを2024年6月22日(土)に、学生研修医専攻医セミナー「めざせ心電図検定」を7月23日(火)に開催します。
名古屋市立大学の瀬尾教授、三重大学の土肥教授とともに始めた東海心血管エコーセミナーは今年が第3回となり岐阜大学が担当します。
2024年11月9日(土)、10日(日)の2日間オンラインで開催しますので、東海地区以外の皆さんもぜひともご参加ください。