優しい手術 地域の医療を守る 手術で治す 優しい手術
HOME > 消化器外科

消化器外科

消化器外科のスタッフ紹介 2018年4月現在

准教授: 村瀬 勝俊(日本消化器外科学会指導医・専門医、日本外科学会指導医・専門医、日本肝胆膵外科学会評議員・高度技能指導医、日本臨床外科学会評議員、がん治療認定医 他)
講師: 木村 真樹(日本消化器外科学会専門医・指導医、日本外科学会専門医・指導医、日本肝胆膵外科学会評議員・高度技能指導医、日本食道学会食道科認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医(胃)・評議員、がん治療認定医、da Vinci certification 他)
臨床講師: 木山 茂(日本消化器外科学会指導医・専門医、日本外科学会専門医、日本臨床外科学会評議員、がん治療認定医、ICD、他)
臨床講師: 荒川 信一郎(日本外科学会専門医、がん治療認定医、ICD他)
臨床助教: 東 敏弥(日本消化器外科学会専門医、日本外科学会専門医、日本がん治療認定医、他)

消化器外科グループの特徴

 第一外科では、心臓血管外科、消化器外科、呼吸器外科の3つのグループがあり、それぞれが全国レベルの治療を追求しています。さらに協力して全身の外科治療をおこなっております。そのうち消化器グループでは高度先進的で病状に応じた最適な外科治療をおこなっています。

1) からだにやさしい低侵襲手術に取り組みます。鏡視下手術(胸腔鏡・腹腔鏡下手術)を導入し手術のキズの痛みを減らし術後の早期回復が可能です。
2) 手術困難と判断された複雑な手術や、多臓器同時手術が必要な手術に取り組みます。
3) 心臓や肺、腎臓などの臓器の機能低下がある患者さんの手術に取り組みます。
4) 緊急手術も常時受け入れ対応可能になっています。
5) 全身を診ることができる外科医を養成し岐阜地域の医療に貢献します。

Key words
Endoscopic and less invasive surgery
Radical and extended surgery
Excelent surgeon with specificity and generality

やさしい手術;腹腔鏡手術の創・・・小さな創でも開腹と遜色ない手術を行っています。

対象疾患

消化管:食道がん、胃がん、小腸がん、大腸がん、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)、粘膜下腫瘍など

肝胆膵:肝臓がん(原発性肝がん、転移性肝がん、肝内胆管癌など)、胆道がん(胆嚢がん、胆管がん)、膵臓がん、その他の膵腫瘍など

一般外科:甲状腺がん、乳がんなど

手術

食道:

 比較的早期の食道がんに対しては胸腔鏡下食道切除を施行します。進行したがんや周囲臓器への浸潤などが疑われるがんには、放射線化学療法を施行してから食道切除術を施行します。食道がんの手術は頸部・胸部・腹部と広範囲にわたり体がうける侵襲は大きいので、胸腔鏡と腹腔鏡を組み合わせた根治的な食道切除術は術後の回復に大きなメリットがあります。
(右図:開胸と胸腔鏡の創部の比較 )

胃:

 検診などで発見される早期の胃がんから、ご飯が食べられないや体重の減少などの症状で発見される進行した胃がんまで治療します。早期胃がんには腹腔鏡下胃切除術を施行しており、からだにやさしい低侵襲な手術で高齢者から若年者まで早期退院/社会復帰を実現しています(入院期間などは論文の当科のデータを参照、開腹術と比較の)。手術が可能な進行胃がんには化学療法をおこない効果を判定し、最適なタイミングで手術をおこないます。

大腸癌:

 大腸癌はおなかの手術では、もっとも腹腔鏡手術が普及している手術です。当科でも腸閉塞を伴う場合や周囲の臓器への浸潤があるような場合を除いては、ほとんどの場合で腹腔鏡手術が第一選択になります。大腸は結腸と直腸にわけられますが、肛門に近い直腸でもハイビジョンを使用した腹腔鏡手術により精緻な手術が可能で、肛門から1cm程度の距離しかなくても早期癌では肛門の温存が可能になっています。直腸癌で人工肛門が必要と診断されてお悩みの場合は、一度ご相談ください。

肝臓:

 細胞がんにたいしては、肝臓内の解剖にもとづいた系統的な切除が一番の治療効果があると証明されています。そのため肝臓の持つ予備能力(切除後に回復する力)と切除される肝臓の大きさを詳細に検討して、予備能力を超えないように系統的に切除することが必要です。患者さんそれぞれの肝臓の血管(門脈や動脈、肝静脈)、胆管の分岐をもとに切除される容積を解析・シュミレーションして手術に役立て、手術中は門脈を染色して正確に解剖にもとづいて切除しています。

その他の転移性肝がんに対しては化学療法と手術を併用して治療をおこないます。またその他の肝腫瘍(肝内胆管癌など)に対する手術もおこなっています。

胆道:

 胆嚢がん、肝門部胆管癌、肝外胆管がんなどは複雑で広範囲な切除が必要になる手術をおこないます。広範囲な肝臓の切除が必要になることがおおく、手術の前に切除する肝臓側の門脈を塞栓して(放射線科医師と協力しておこないます)残す肝臓を大きくしてから、2〜3週間後に手術するという方法をとることもあります。手術の安全性が高くなります。手術前に黄疸をともなうこともおおく、内視鏡的治療で黄疸を解除してから(内科医師と協力しておこないます)手術をおこないます。

膵臓:

 膵臓がんは発症した部位により、膵頭十二指腸切除術や膵体尾部切除(脾臓をいっしょに切除することもあります)を施行します。膵頭十二指腸切除術では膵液漏や胆汁漏などの重篤な術後合併症がありますが、胆汁漏の発症はなく、膵液漏も数%程度です(学会のまとめによる全国平均では20%程度です)。重篤な合併症の発症はなく、術後3週間程度で退院が可能です。術後の栄養状態の改善もめざした術前術後管理の定型化を目指しており、症例が集積したら学会で報告していく予定です。門脈に浸潤した膵臓がんに対しても門脈の再建(当科オリジナルの方法です)をして積極的に切除しています。( 右図:膵頭十二指腸切除術、門脈再建)

甲状腺:

 甲状腺は頸部にある臓器で、甲状腺の腫瘍“できもの”は、検診などで発見される機会が増えています。良性の場合は腫瘍が大きいときや胸部まで進展するときは手術が必要になることがあります。悪性の場合は頸部周囲のリンパ節郭清をともなった甲状腺切除が必要になります。

緊急手術:

 緊急手術が必要な患者さんも積極的に受け入れています。365日・24時間の受け入れ体制です。

入局を希望される医学生・初期研修医のみなさんへ伝えたいこと

 手術の内容は多岐にわたります。3グループを横断して研鑽を積みつつ興味のある分野を学び、外科学会の専門医を取得する頃から3グループのいずれを極めていくかを選択できる体制が整っています。その後希望があれば基礎的または臨床的な研究をおこない学位を取得します。最終的に医局員は専門領域を極めながらもすべての領域に対応する診療および教育体制ができています。カンファレンスでは3分野の医師がそれぞれの専門から活発な意見をぶつけあい、妥協のない治療方針を決定しています。3分野すべてを学ぶことにより全身を診て考えることができる外科医になることができます。是非一度見学に来てください。
  鏡視下手術はキズが小さく術後の痛みが少なく術後の回復が早くなるので、近年急速に普及しつつあります。積極的に鏡視下手術を施行していますが、従来の伝統的な日本の外科医が築き上げた手術とその成績も大切にしており、患者さんの病状や体型・年齢に応じて手術方法を選択しています。  近年は悪性腫瘍の患者さんの高齢化も進み  外科医師不足が叫ばれる昨今において、岐阜地区でも将来にわたって質の高い手術を提供できる外科医師の養成や病院組織の発展にも力を注いでおります。


岐阜大学大学院医学系研究科病態制御学講座 高度先進外科学分野(第1外科)