周圏論:新しいモノゴトが広がるとき、広がり済みの地域と、まだこれからの地域があることになる。 普通、広がり済み地域は内側に、これから地域は外側になる。 あたかも、池に落とした小石がつくる波紋のように。 このモデルを応用した言語・文化・民俗事象の解釈手順を「周圏論」と呼ぶ。 主として、「外が古く、中が新しい」と原則化し、分布のありようから事象の歴史を再構成するときに用いる。さて、シナンタロー。 実は、学部生のころ、埼玉県南東部でのフィールドワークでも、わずかながら出てきたことばである。 話者の情報によれば「信濃太郎」が語源だとか。 そういえば、『日本国語大辞典』や『日本方言大辞典』を引いても、中部を中心に関東などの例を挙げている。 江戸時代の方言辞書『物類称呼』にも武州の記述がある。 しかし、学生の話だと大分県でも言うという。
まえ だおし(0)(3)マヘダフシ 【前倒(し)】 翌年度分の予算を繰り上げて、前年度中に執行すること。(4版)
東京海上、株主総会前倒しで招集通知 2週間前を1カ月前に――一般投資家重視をアピール (『朝日新聞』インターネット版「経済」 1999年4月22日)こうなると語義は「予定の日時よりも早めて実施すること」という広いものになりそうです。 ただ、この例、朝日新聞が勝手に使っただけで、東京海上は「繰り上げ」と発表していた可能性もないではない。 だとしても、「前倒し」が現れたということは、大企業の業務予定なら「前倒し」を使いうる、と考えている人がいる、ということでもあります。 変化は現在進行中。
一此書ハ電信往復ノ頻繁ナル家ニ在テ之ヲ各地交通ノ家ニ送付シ彼我音信ノ字数ヲ省略スルノ要訣ヲ考案シタルモノナリ(「凡例」)