Laurence Sterne
1713-68
電脳空間のローレンス・スターン
このページの管理責任者は内田勝(岐阜大学地域科学部教授)です。
最終更新日:2019年8月27日
English version is here.
岩波文庫版『トリストラム・シャンディ』(全3巻)は、2019年8月の時点で紙版は品切れですが、電子書籍版(2012年刊行)が入手可能です。たとえば上巻のキンドル版はこちら。
ローレンス・スターンの基礎知識
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この両者について知っておくべき基本的な情報は、ほぼ網羅されています。
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ウィキペディアだけでなく、この有益なサイトもぜひご覧ください。特に「Laurence Sterneってだれ?」と「Tristram Shandyの世界ってどんなの?」は必見です。
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2006年7月に重版されました。1997年10月以来の重版です。マイケル・ウィンターボトム監督の映画版(2005年)の好評が復刊のきっかけになってくれたのかもしれません。岩波文庫版がどんな感じの文章かを知っていただくために、いくつか特徴的な場面を引用してみましたのでご覧ください。
復刊希望者からの投票数が100を越えると出版社と交渉してくれる「復刊ドットコム」でも、この版を復刊させるための運動が行なわれ、2004年4月25日、100票に到達しました。投票してくださったみなさん、どうもありがとうございます。
岩波文庫版のほか、図書館に置いてある確率が高い『筑摩世界文学大系21(古い版では76)・リチャードソン/スターン』で読むこともできます。カーリルやJcrossの図書館横断検索でお近くの地域の図書館を選び、「トリストラム・シャンディ」を検索してみてください。古書については、古書検索の日本の古本屋や「スーパー源氏」などで「トリストラム・シャンディ」を検索してみてください。
なお『トリストラム・シャンディ』以外のスターン作品のうち、もう一つの代表作『センチメンタル・ジャーニー』を含む数編については無料の日本語訳が公開されています。リンクはこのページのもう少し下にあります。
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現代イギリスの映画監督マイケル・ウィンターボトムが『トリストラム・シャンディ』を映画化した作品 "A Cock and Bull Story"(日本では劇場未公開、2007年4月に洋画★シネフィル・イマジカ[現在のシネフィルWOWOW]が『トリストラム・シャンディの生涯と意見』のタイトルで放映)のおおざっぱな内容を、私(内田)が日本語で紹介したページです。長く「映画化は不可能」と言われてきた小説ですが、原作のエピソードを数多く取り入れることより原作の本質的な特徴とは何かにこだわることで、結果的にかなり原作に忠実な映画化になった傑作ではないかと思います。原作未読の方にもおすすめの映画です。なお、この映画に関する英語での情報については、このページのもう少し下を見てください。
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日本に『トリストラム・シャンディ』をきちんと紹介した最初の文章です。筆者の夏目金之助(のちの漱石)は『シャンディ』について、「単に主人公なきのみならず、又結構なし、無始無終なり、尾か頭か心元なき事海鼠(なまこ)の如し」と書いています。原文は文語体でそのままでは読みにくいので、難しそうな語句と背景知識が必要な箇所に注釈を付けて公開してみました。
坪内逍遥『英文学史』(1901年)第四編第九章「スモーレット及びスターン」より、スターン言及箇所(JPEG画像)[1] [2] [3]
(国立国会図書館近代デジタルライブラリーより)
「ローレンス、スターンは一千七百十三年に生まれ、同六十八年にみまかりき(我朝平賀鳩渓と約同時代)。その性質はその作物の奇なるが如くに奇なり、真個畸人傳中の人物と評すべし。」と逍遥は書いています。スターンを平賀鳩渓(平賀源内のこと)と並べているのが興味深いです。
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2003年12月に、岐阜市立女子短期大学英語英文学科で私が行った特別講義の配付資料です。朱牟田夏雄の翻訳からもたくさん引用して、資料を見るだけでもこの作品の魅力が伝わるようにしたつもりです。ほぼ同じ内容の講義を放送大学面接授業で行ったときの資料(HTML版)はこちら。
ツイッターやブログなど
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世界のさまざまな言語で Tristram Shandy がつぶやかれています。まれに日本語でつぶやかれることもあります。
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これらの語句を含む最新の情報が表示されます。ほとんどは Twitter のつぶやきです。
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これらの検索語で日本語ブログを検索します。
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スターン作品の普及に務めている団体による、公式ツイッターおよび公式フェイスブックのページです。英語によるスターン関連の有益な最新情報は、ここに現れることが多いです。
電子テキスト
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スターンの代表作『紳士トリストラム・シャンディの生涯と意見』英語全文のHTML版。各巻・各章および名場面へのリンクがあります。
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岐阜大学のHTML版を発展させ、本文のテキストを批評や掲示板などとリンクさせることで、本格的なハイパーテキスト版『トリストラム・シャンディ』を作り上げることを目指すプロジェクト。
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著作権の切れた名著を電子テキストで配布している Project Gutenberg による、『トリストラム・シャンディ』および『センチメンタル・ジャーニー』英語全文の電子テキストです。
- やはり著作権の切れた名著を電子テキストで配布している Oxford Text Archive による、スターン作品の電子テキストです。こちらは主要作品に加え、初期作品や書簡集、さらにスターン作品からの名文を選り抜いた『スターン美文集』(The Beauties of Sterne)まで、ほとんどすべての作品を読むことができます。ただし全7巻のスターン説教集のうち最初の2巻しかそろっていないのが残念。
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登場人物紹介・主要テーマ解説・外部サイトへのリンクなどを含む、ハイパーテキスト版『シャンディ』。ただし第1巻・第2巻のみ。
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- Tristram Shandy. Vol. 1. 2nd ed. (1st London ed.) London: R. and J. Dodsley, 1760. ESTC Citation Number: T14790. [Google Books]
- Tristram Shandy. Vol. 2. 2nd ed. (1st London ed.) London: R. and J. Dodsley, 1760. ESTC #: T14790. [Google Books]
- Tristram Shandy. Vol. 3. 1st ed. London: R. and J. Dodsley, 1761. ESTC #: T14705. [Google Books](墨流し模様のページのフルカラー画像を含む。)
- Tristram Shandy. Vol. 3. 1st ed. London: R. and J. Dodsley, 1761. ESTC #: T14705. [Google Books](同じ版の別の本。この本の墨流し模様はここにあります。)
- Tristram Shandy. Vol. 4. 1st ed. London: R. and J. Dodsley, 1761. ESTC #: T14705. [Google Books]
- Tristram Shandy. Vol. 5. 1st ed. London: T. Becket and P. A. Dehondt, 1762. ESTC #: T14706. [Google Books]
- Tristram Shandy. Vol. 6. 1st ed. London: T. Becket and P. A. Dehondt, 1762. ESTC #: T14706. [Google Books]
- Tristram Shandy. Vol. 7. 1st ed. London: T. Becket and P. A. Dehondt, 1765. ESTC #: T14820. [Google Books]
- Tristram Shandy. Vol. 8. 1st ed. London: T. Becket and P. A. Dehondt, 1765. ESTC #: T14820. [Google Books]
- Tristram Shandy. Vol. 9. 1st ed. London: T. Becket and P. A. Dehondt, 1767 [PDF, 15.7MB]. ESTC #: T14824. [Gifu University]
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その他のスターン作品(説教や書簡集など)の初期の版でデジタルブック化されたものは、別のページに挙げてあります。
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スターンのもう一つの代表作『センチメンタル・ジャーニー』英語全文のHTML版。
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やはり『センチメンタル・ジャーニー』英語全文のHTML版。こちらは語句の検索ができます。
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名古屋大学の松岡光治先生による Hyper-Concordance の一部で、『トリストラム・シャンディ』および『センチメンタル・ジャーニー』英語全文のコンコーダンス(使われた単語すべての索引)です。どんな単語が作品中のどこで使われているかを検索できます。
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The Sermons of Mr. Yorick
[Vol. 1]
[Vol. 2] (ECCO-TCP, University of Michigan)
『ヨリック説教集』(教区牧師でもあったスターンによる説教集)のうち、最初に出版された第1巻・第2巻。「ヨリック」とは『トリストラム・シャンディ』に登場する教区牧師の名前です。
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スターンが『トリストラム・シャンディ』の執筆を開始する直前に書いた諷刺パンフレットです。スターン自身も関係していた、ヨーク大聖堂での人事をめぐるトラブルを諷刺しています。
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晩年のスターンが、31歳年下の若い人妻イライザ・ドレイパー(Eliza Draper)に宛てて書いた恋文を集めた書簡集です。スターンの死後に出版されました。イライザからスターンへの返事と銘打った偽書も出版されており、ここでは両者を並べて読むこともできます。
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晩年のスターンがイライザに宛てて書き残した日記と、その他のスターン及びイライザによる手紙を収めた書簡集です。
インターネット上の日本語訳
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『トリストラム・シャンディ』と並ぶスターンのもう一つの代表作 A Sentimental Journey through France and Italy by Mr. Yorick の日本語訳。駒澤大学外国語部編集・発行『外国語部論集』第14号(1981)〜第19号(1984)にわたって連載されたもの。CiNii Articles 経由のPDFファイル。
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スターンの初期作品 A Political Romance の日本語訳。ヨーク郊外の村の教区牧師でもあったスターンが、ヨーク界隈で起こった国教会内部の人事を巡るゴタゴタを諷刺した小品。駒澤大学外国語部編集・発行『外国語部論集』第6号(1977)〜第7号(1978)に連載されたもの。CiNii Articles 経由のPDFファイル。
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晩年のスターンが若い人妻イライザ・ドレイパー(Eliza Draper)に宛てて恋情を綴った日記の日本語訳。『イライザへの日記』(The Journal to Eliza)というタイトルは1904年版の編者によるもので、現在ではむしろ手稿冒頭に掲げられた『ブラーミンの日記の続き』(Continuation of the Bramine's Journal)というタイトルで呼ばれることが多くなっています。この翻訳は駒澤大学外国語部編集・発行『外国語部論集』第26号(1987)〜第28号(1988)にわたって連載されたもの。CiNii Articles 経由のPDFファイル。
スターン関連の書籍・定期刊行物
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スターンの作品と生涯をあらゆる局面から探求する学術誌。年1回の発行。第8巻(1996)には"Sterne in Japan"、第24巻(2013)には"Soseki Natsume; or Sterne in the Japanese 'Rise of the Novel'"という記事もあります。第1巻〜24巻の発行元は The Laurence Sterne Trust でしたが、第25巻以降の発行は、スターン研究の国際学会として2013年に設立された The International Laurence Sterne Foundation(国際ローレンス・スターン協会)が引き継ぎました。
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都立大の伊藤誓先生によるスターン論集。今の日本でスターンを研究してみようと思うなら最初に読むべき一冊。
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関西大学の坂本武先生によるスターン論の集大成。スターン研究者の必読書。さらに夏目漱石「トリストラム、シャンデー」の注解や、スターンの諷刺パンフレットA Political Romanceの抄訳を含み、書誌も充実しています。
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法政大学の泉谷治先生によるスターン論集。
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島根大学の能美龍雄先生によるスターン論集。
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ケンブリッジ大学出版局による「ローレンス・スターン必携」。初期作品や説教をも含むスターンの全作品を、歴史的・文化的文脈の中に位置付けて論じた研究ガイド。
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「フロリダ版スターン全集」の第6巻。スターン最晩年の作品である『センチメンタル・ジャーニー』と『ブラーミンの日記の続き』(『イライザへの日記』)、およびそれらの作品への膨大な注釈を収録。
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現時点ではスターン作品の決定版になっている「フロリダ版スターン全集」の第7巻。スターン書簡集(第1部)。
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「フロリダ版スターン全集」の第8巻。スターン書簡集(第2部)。
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「フロリダ版スターン全集」の第9巻(最終巻)。諷刺パンフレットA Political Romance (1759) をはじめとする、スターンの初期作品を収録。さらにスターン作品の予約購読者リストも、各人に関する注釈付きで収録。
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これらの語句が言及されている欧文の書籍を検索することができます。ユーザー登録をすれば本の中身を閲覧することも可能。検索結果が表示されたら、検索ボックスの下の "Full view books" というラジオボタンをチェックして再び検索すれば、18-19世紀に出た貴重な本をPDF版でまるごとダウンロードすることすら可能です。
スターン作品の漫画化・映画化など
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イギリスの漫画家Martin Rowson作の漫画版『トリストラム・シャンディ』。単なる原作の漫画化ではなく、原作に匹敵する実験や脱線を繰り広げ、同時に20世紀末の文学研究者たちを痛烈に諷刺しています。この小説に対する最高の批評かもしれません。
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マイケル・ウィンターボトム監督の映画版『トリストラム・シャンディの生涯と意見』(2005年)についての情報。British Films Directory にもこの映画についての解説(英語)があります。なお、イギリスではこの映画のタイトルは当初の Tristram Shandy から A Cock and Bull Story(『トリストラム・シャンディ』の最後に出てくる言葉で、「でたらめな話」の意味)へと変更になり、一方アメリカ合衆国では Tristram Shandy: A Cock and Bull Story というタイトルで公開されました。YouTubeでこの映画の予告編や断片的な映像を検索することもできます。イギリス盤DVDの紹介(Amazon.co.uk)はここです。
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日本のブログ上で連載されている、18世紀ヨーロッパを舞台とした漫画。主人公のイギリス紳士ハリソン氏が従者マルセルを従え、スターンの『センチメンタル・ジャーニー』を思わせるフランス・イタリア旅行を続けています。なんとトリストラム・シャンディ氏本人も〈裏主人公〉として常に存在を匂わせております。果たして紳士ハリソン氏の正体は? 毎回の漫画に添えられた、スターンと18世紀ヨーロッパに関する蘊蓄たっぷりの脱線話や、架空読者たちの会話も魅力。作者による小説『トリストラム・シャンディ』の内容紹介も必見です。
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BBC Radio 4 で2005年1月31日〜2月11日にわたって放送された、ラジオドラマ版『トリストラム・シャンディ』についての情報。2018年4月に BBC Radio 4 Extra で再放送およびストリーミング配信されています。
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レナード・マクナリー(Leonard MacNally)による演劇版『トリストラム・シャンディ』。1783年出版。
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ティム・ロバートソン(Tim Robertson)による演劇版『トリストラム・シャンディ』。1981年にシドニーで初演。
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カラム・ヘイル(Callum Hale)による演劇版『トリストラム・シャンディ』。2014年にロンドンで上演。
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ウィル・ダルリンプル(Will Dalrymple)による演劇版『トリストラム・シャンディ』。2017年にロンドンで上演。
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イギリスのヨーク大学音楽学部の学生たちによって2009年11月18日〜20日にわたって上演された、『トリストラム・シャンディ』に基づく音楽パフォーマンス。
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シャンディ・ホール(スターン記念館)で開催された展覧会のウェブ版。『トリストラム・シャンディ』に登場する特徴的なページを題材として、芸術家たちが新たな作品を創作しています。"The Black Page" はヨリック牧師の死を悼むための「黒いページ」(第1巻)、"Emblem of My Work" は作品の象徴となる極彩色墨流し模様のページ(第3巻)、"Paint Her to Your Own Mind" は妖艶なウォドマン夫人の絵を読者自身が描き入れるための空白のページ(第6巻)を題材にしています。
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スコットランドの芸術家スコット・マイルズによる、『トリストラム・シャンディ』初版の最後の文を締めくくるピリオドの顕微鏡写真をもとにしたエッチング。
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John Moffatt朗読によるカセット/CD版『シャンディ』。
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Steven Pacey朗読によるカセット版『シャンディ』
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Anton Lesser朗読によるCD/ダウンロード版『シャンディ』。省略のない完全版。
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Peter Barker朗読によるダウンロード版『シャンディ』。省略のない完全版。iTunes経由でダウンロード販売しています。
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Anton Lesser朗読によるCD/ダウンロード版『シャンディ』。省略のない完全版。
スタディ・ガイド
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- 『トリストラム・シャンディ』を論じた英語文献からの短い抜粋を集めたもの。
書誌情報
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『トリストラム・シャンディ』関連文献の解説付き一覧です。
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ローレンス・スターン研究に必要な代表的文献の一覧です。
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2000年以降の英語文献を検索する設定にしてあります。日本語文献についてはこのページのもう少し下を見てください。
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比較的新しい欧文文献にどんなものがあるかについては、18世紀研究メーリングリスト「C-18L」で紹介されたものを、上記のリンクをたどって検索してください。
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日本語の文献については、このサイトでの検索が便利です。PDF形式で論文を読むことができる場合もあります。
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やはり CiNii Articles で、「全文検索」を使った場合です。検索語が論文タイトルに含まれていない場合も検索されます。
スターンに関する論文やエッセイ、およびオンライン書籍
Sterne
(by H.D. Traill [1882])
The Life of Laurence Sterne,
Volume 1 and Volume 2 (by Percy Fitzgerald [3rd ed., 1904])
Sterne: A Study (by Walter Sydney Sichel [1910])
Sterne's Eliza (by Arnold Wright and William Lutley Sclater [1922])
- なお、ウェブで公開されているその他のスターン論(英語で書かれたもの)については、The Tristram Shandy Web および Curlie - The Collector of URLs: Sterne, Laurenceを参照してください。
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私が1997年に書いた論文です。
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私が2007年に書いた論文です。
その他
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2013年にスターン生誕300年を記念してベニスで開かれたスターン研究者の会合で設立された、スターン研究の国際学会。スターン研究誌 The Shandean の発行を The Laurence Sterne Trust から引き継ぐとともに、隔年で国際学会を開催しています。
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スターン作品の普及を目指して1967年に設立された登録慈善団体。スターンの牧師館だった Shandy Hall
に拠点をおき、さまざまなイベントを行なうとともに、スターン関係の貴重なコレクションを公開しています。2013年まではスターン研究誌 The Shandean も発行していました。(2014年以降、The Shandean の発行はThe International Laurence Sterne Foundationに引き継がれます。)公式ツイッターもあります。
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晩年のスターンが住み、『トリストラム・シャンディ』や『センチメンタル・ジャーニー』の執筆を行った牧師館「シャンディ・ホール」が、スターンの記念館として、夏期(5月〜9月)の水曜と日曜の午後に一般公開されています。ロンドンからヨークまでは列車で約2時間、ヨーク駅から「シャンディ・ホール」まではタクシーで35分ほどの距離です。タクシーの運転手さんは「シャンディ・ホール」を知らない可能性が高いので、コックスウォルド村(Coxwold)の位置をこのサイトで調べておきましょう。なお、Google Map によるシャンディ・ホールの地図はここにあります。「ストリートビュー」機能を使ってシャンディ・ホールから東に少し進めば、スターンが説教をしていた教会が見えてきます。
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2013年にスターン生誕300年を記念して開かれた展覧会についての情報。スターンが参加していたクラブ "The Good Humour Club" の議事録がシャンディ・ホールで新たに発見されたことから、このクラブのメンバーたちに着目してスターンと18世紀のヨーク市を紹介する展示が行われました。Good Humour Club 特設サイト には、インタラクティブに楽しめる1750年のヨーク市地図 をはじめとする貴重な情報が置かれています。
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グラスゴー大学図書館が所蔵する、18世紀に出た版の『トリストラム・シャンディ』を紹介するページ。「黒いページ」や「墨流し模様のページ」が、非常に鮮明な画像で見られます。
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イギリスの文学研究者たちが『トリストラム・シャンディ』を論じているBBCラジオの番組です。
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ジョシュア・レノルズによるスターンの肖像画です。ナショナル・ポートレイト・ギャラリーはそのほか、ジョゼフ・ノレケンズによるスターンの胸像も所蔵しています。
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『トリストラム・シャンディ』のトウビー叔父さんが好んで口笛で吹く曲「リラブレロ」の、歌詞や楽譜とMIDIファイルがあります。
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『トリストラム・シャンディ』のトウビー叔父さんは元軍人でしたが、ナミュール(現在のベルギーにある都市)の包囲戦に参加して、鼠蹊部(そけいぶ、両足の付け根の下腹部)に大怪我をします。トウビーが怪我をしたのは具体的にどのあたりか、という謎はこの小説を引っ張る原動力の一つとなり、ナミュールの地図は重要な小道具として登場します。このサイトではいろいろな古地図を見ることができますが、とりあえず京都大学所蔵の地図および町を遠望した図がおすすめです。
- 『トリストラム・シャンディ』第3巻に「私のこの著作のゴチャゴチャした象徴」として挿入された「マーブルド・ページ」(極彩色墨流し模様のページ)は、もちろんカラー印刷などない時代のことですから、一冊一冊が手作業で染められ、そのためにどの本も少しずつ違う墨流し模様を持っています。このページでは、さまざまな初版本の「マーブルド・ページ」を集めた貴重な画像が見られます。
Google Booksでも、いろいろと興味深いマーブルド・ページが見つかります。たとえばある版では、読者によって小さな笑顔がいくつか書き込まれています。
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18世紀イギリスを代表する画家で、『トリストラム・シャンディ』の口絵を描いたウィリアム・ホガースの著書『美の分析』英語全文のHTML版。「美の曲線」の実例を挙げる挿絵も興味深いです([Plate 1][Plate 2] )。ホガースの「美の曲線」と、『トリストラム・シャンディ』第2巻第17章で牧師ヨリックが書いた説教を朗読するトリム伍長の左足の形(ホガースによる口絵)を比べてみると、そっくりなのが分かります。両者の関係については、私の「夏目漱石『トリストラム、シヤンデー』注釈」を見てください。
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『西洋思想大事典』(平凡社)の項目「アイロニー」「文学のパラドクス」「ヘルメス思想」の英語原文です。それぞれスターンに言及しています。
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1760年出版。『トリストラム・シャンディ』の解説本。
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1760年出版。匿名作者によるスターンの模倣。
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1788出版。スターンの書簡集を装っていますが、ほとんどの手紙はウィリアム・クーム(William Combe)による偽造です。
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19世紀フランスの学者ポール・スタッファー(Paul Stapfer)がスターンの作だと主張した「未発表の断片」(Fragment inédit)からの抜粋です。
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古い文献では無名時代のスターンが書いたとされていた匿名の詩。雑誌 The Gentleman's Magazine の第13巻(1743年7月)に掲載。
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肺結核で亡くなったある若者について、スターンが知人たちに語った手紙です。
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スターンの遺体が墓から盗まれて、ケンブリッジ大学に運ばれ解剖されたという話を伝えています。
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スターンが晩年を過ごした牧師館 Shandy Hall を拠点とする、物語の研究センターです。
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スターンの地元に作られたヨーク大学のthe Institute for the Public Understanding of the Past (IPUP)が制作した、スターンの牧師館、『トリストラム・シャンディ』の黒いページ、および『トリストラム・シャンディ』映画版に関する短編ドキュメンタリー映画です。
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スターンが教区牧師を務めた村、コックスウォルド、サットン・オン・ザ・フォレスト、およびスティリントンについての紹介記事です。
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ヨークの観光案内サイトより、ヨークにゆかりのある文学者たちについての文章です。日本語によるヨーク情報については、
英国政府観光庁のページを見てください。
ハイパーテキスト関連情報
18世紀研究関連情報
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15-18世紀に主としてイギリス諸島および北アメリカで出版された刊行物の総合目録です。
- 「長い18世紀」に刊行された本で、Google Books や Internet Archive によって書誌情報があやふやなままデジタル化されたものを、検索しやすく整理したサイト。18世紀イギリスで流行した it-narratives(擬人化された物が語る物語)などのマイナーな文学作品を探し出して無料で読んだり、アダム・スミス『国富論』の初版・第5版・第6版を比較して読んだりすることが簡単にできてしまう、18世紀研究者には欠かせない重要なサイトです。
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スターンと同時代を生きたイギリスの小説家サミュエル・リチャードソン(1689-1761)の代表作『クラリッサ』(1747-8)、本邦初の全訳。
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あの名著『西洋思想大事典』(平凡社、1990年)の原著(1973-74年出版、現在は絶版)が電子化されています。(日本語版もそうなってくれたらいいんですが……。)
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コメントは
内田勝(uchida.masaru.m7@f.gifu-u.ac.jp)
[岐阜大学地域科学部教授]までお寄せください.