大腸外科
特色
SCRUM JAPANにおけるGOZILA試験、MONSTAR試験など血液による遺伝子検査を進めています。その結果によって新薬などの治験を多施設と連携して行っています。
- ① 精緻で安全な低侵襲手術(腹腔鏡手術)の開発と普及
- ② 精緻で安全なロボット手術
- ③ 下部直腸癌における肛門温存術(ISR:内肛門括約筋切除術、経肛門手術)
- ④ 術後排便機能障害における仙骨刺激療法
- ⑤ 骨盤腫瘍を含む切除困難症例に対する積極的外科治療(他科合同手術)
- ⑥ 遺伝性疾患(家族性大腸腺腫症、HNPCC)および炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)に対する低侵襲手術から拡大手術
- ⑦ 切除不能・進行再発大腸癌に対する積極的外科治療(NACRTおよびConversion Surgeryを含む)
- ⑧ 臨床試験・治験への積極的な参加(JCOG,SCRUM JAPANなど)
- ⑨ 基礎と臨床を結ぶ横断的研究(Navigation Surgery,ゲノム医療)
スタッフ
- 教 授松橋 延壽
- 特任教授高橋 孝夫
- 講師木山 茂
- 特任助教田島 ジェシー雄
診察実績
当科初発大腸癌手術症例の推移
主な疾患
大腸癌
大腸癌は現在増加しています。2019年がん統計予測において(国立がん研究センター)罹患率は男女合計で1位、死亡率は男女合計で肺がんに次いで2位です。早期では症状がほとんどありませんが、進行すると血便、便の狭小化、下痢、便秘などの症状が出現します。
当科での大腸がんに対する治療方針
Stage 0/I → 内視鏡治療、腹腔鏡下大腸切除術
Stage II/III → 腹腔鏡下大腸切除術
Stage IV → 化学療法もしくは化学放射線療法の効果を行ってから根治切除術+術後化学療法の追加
腹腔鏡手術における推移
① 精緻で安全な低侵襲手術(腹腔鏡手術)の開発と普及
当科大腸外科は現在日本内視鏡外科学会認定 内視鏡技術認定医(大腸)が5名(高橋孝夫客員教授、松橋延壽准教授、木山茂講師、田島ジェシー雄助教、深田真宏助教 2022年現在)所属し必ず手術には執刀および助手で手術を行っており、より安全で精緻な手術ができていると自負しています。近年とくに直腸癌に対する腹腔鏡手術例が増加しています。岐阜大学 大腸外科においては多くの関連施設および他地域から最近では腹腔鏡手術およびロボット手術による肛門温存希望の患者を紹介して頂いています。2018年保険収載となり下部直腸癌に対してもロボット支援下腹腔鏡下低位前方切除術はもちろん、腹腔鏡下超低位前方切除術、腹腔鏡下ISR、そして腹腔鏡下腹会陰式直腸切断術も行い、これまで安全に良好な成績を得ています。また家族性大腸腺腫症や潰瘍性大腸炎においても腹腔鏡下大腸全摘術も行い、若い世代の患者さんに対しても、より低侵襲の手術を行っており患者さんにも満足を得ています。さらに高齢者の大腸癌患者さんに対しては低侵襲手術で、安全に短時間で施行可能であることが当科のデータで示されましたので、積極的に行うようにしています。また閉塞性大腸癌における術前ステント治療を行い、緊急手術および人工肛門を回避できるbridge to surgeryも他施設と比べて多くの症例を経験し安全に施行できると評価を得ています。もちろんStageIV大腸癌の患者さんに対しても、低侵襲であることからも術後早期に化学療法が開始できるというコンセプトで腹腔鏡手術を行っています。さらに岐阜地域医療を充実させるため後輩の指導を行い、ひとりでも多くの内視鏡技術認定医を輩出したいと考えています。
② 精緻で安全なロボット手術
腹腔鏡手術およびロボット手術
当科では直腸癌手術含めて縫合不全を減らす目的でICG試薬を使用して腸管血流を必ず評価して吻合しています。またリンパ流の評価も行っています。国際雑誌において直腸癌における術前・術中・術後因子を評価し縫合不全のリスク因子を検証し評価を得ました。 Fukada M, MatsuhashiN,et al.Risk and early predictive factors of anastomotic leakage in laparoscopic low anterior resection for rectal cancer. World J Surg Oncol. 2019 Nov 2;17(1):178.
骨盤深部の精緻な剥離層
ICG血流評価
最新の4Kカラー蛍光イメージング(stryker:1688 AIM 4K)での血流評価を必ず行っています。
左右の側方リンパ節郭清
下部直腸癌においては側方転移を起こすこともあり、進行下部直腸癌においては積極的に側方郭清を腹腔鏡で行っています。この難度の高い骨盤郭清においても精緻で安全な治療ができると自負しています。
ICGによる腸管および骨盤リンパ流
ICGにおけるリンパ流なども必要時には行い、リンパ節郭清の指標にも用いることがあります。
ロボット支援手術:da Vinci
当科ではintutive社のda Vinci手術における術者Certificate取得を松橋延壽准教授、高橋孝夫客員教授がしており、安全に精緻な手術を行っています。特に下部直腸癌においては3Dで術野が視認できます。さらにロボットアームの柔軟性の特徴を活かして、容易に骨盤深部まで剥離授動が可能になります。
③ 下部直腸癌における肛門温存術(ISR:内肛門括約筋切除術、経肛門手術)
ISRにおける肛門機能が良好であったことを国際的雑誌に報告し評価を得ました。また直腸癌における手術術式の先進的な開発を行い国際的にも評価を得ています。
MatsuhashiN,TakahashiT,et al.Laparoscopic technique and safety experience with barbed suture closure for pelvic cavity after abdominoperineal resection. World J Surg Oncol. 2013 May 27;11:115.
MatsuhashiN,TakahashiT,et al.Transvaginal resection of a rectal leiomyoma: A case report. Oncol Lett. 2015 Dec;10(6):3785-3788
Matsuhashi N, TakahshiT,et al.Safety and feasibility of laparoscopic intersphincteric resection for a lower rectal tumor. Oncol Lett. 2017 Oct;14(4):4142-4150.
MatsuhashiN,TakahashiT,et al. Laparoscopic Technique and Safety Experience with Barbed Suture Closure in Permanent Stoma through the Abdominal Wall Route.Clinics in Oncology.2017 25 Sep, 2017
TAMIS 手術手技
最近ではさらに肛門近傍腫瘍あるいは巨大な腫瘍で腹腔側より腫瘍肛門側が切離できないようなときに、TaTMEを行っています。高齢者および併存疾患で全身麻酔に耐えれないような患者さんにおいてはTAMISなどを行い、患者さんにあった最適な医療を行い、国際的雑誌に評価されました。
Matsuhashi N .et al.GelPOINT single-port laparoscopy-assisted transanal minimum invasive surgery for low rectal cancer: a preliminary report on the use of the GOD VISION wireless smart glass-shaped monitor. World J Surg Oncol. 2020 Jun 26;18(1):141
④ 術後排便機能障害における仙骨刺激療法
仙骨神経刺激療法(SNM)
岐阜県で初認可され2020年まで多くの症例を経験しています。脳深部刺激、脊髄刺激、仙骨刺激と3領域網羅は全国2施設のみであり、全国大学病院では岐阜大学のみです。
④ 術後排便機能障害における仙骨刺激療法
当科の特徴は婦人科および泌尿器外科など同じ骨盤を扱う科と合同手術を行うことが多数あります。特に婦人科悪性疾患においては岐阜県内から多くの患者さんが紹介されています。その中で卵巣腫瘍においてはdebulking surgery,cytoreduction surgeryが積極的行われているため、大腸外科は多くの拡大手術に参加しています。年々増加傾向であり2019年において年間合同手術は30件を超えるようになりなりました。泌尿器科においては腎合併切除、骨盤内蔵全摘術なども合同で行っており、診療科の垣根のない治療を行っています。
婦人科、泌尿器科だけでなく、整形外科、皮膚科、形成外科とも合同で行うことがあります。
皮膚科・消化器内科・外科と合同で行った手術では、肛門皮膚を切除し肛門温存可能であったPagetoid spreadを伴う肛門管癌を治療しました。
2020年日本消化器外科学会雑誌において高く評価され掲載予定です。
治療前
化学療法後
放射線治療後
外腸骨静脈・腫瘍合併切除 5年無再発生存
外腸骨動静脈を巻き込むような原発性不明癌に対して術前当科で開発したbi-weekly DCFおよび放射線治療を行い切除可能となり、整形外科と合同で完全切除
極めて根治術が難しい患者さんにおいても当科が得意としている集学的治療を行い、根治術ができる患者さんを経験しています。この治療法においても現在国際的英文誌に投稿中です。
デスモイド腫瘍など腫瘍が大きい場合には形成外科と合同で皮弁手術も行っています。
Goto A, MatsuhashiN,TakahashiT,et al.Feasibility of the Reconstruction with Fascia Lata Patch on the Abdominal Wall Defect After Resection of the Abdominal Desmoid Tumor.Clinical and Experimental Gastroenterology.2020.:13 249–254
⑥ 遺伝性疾患(家族性大腸腺腫症、リンチ症候群)および炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)に対する低侵襲手術から拡大手術
遺伝性大腸疾患は代表的なものにリンチ症候群(遺伝性非ポリポーシス大腸がん;hereditary non-polyposis colorectal cancer、HNPCC)と家族性大腸ポリポーシス(家族性大腸腺腫症:FAP)があります。スクリーニング検査としては、マイクロサテライト不安定(MSI)検査という公的医療保険で行える検査があり、岐阜大学ではさらに遺伝カウンセラーと患者さんの悩みを解決するために最大限努力しています。
家族性大腸ポリポーシス(家族性大腸腺腫症:FAP)など大腸全摘術を行いますが、この手術を腹腔鏡で行っています。当科は回腸肛門管吻合(IACA)、回腸肛門吻合(IAA)を行い、肛門を温存することを基本としています。再建はJ-pouchを作成し肛門機能は良好に保たれています。
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)はわが国では増加の一途を辿っています。以前と比較して治療が進歩したため、潰瘍性大腸炎においてはステロイド抵抗例、ステロイド依存例でも外科手術を回避できるようになりました。しかし癌化することが一定の割合であるため消化器内科と連携したフォローが必須です。当科では外科治療が必要になった潰瘍性大腸炎の患者においても腹腔鏡手術を行っています。
当科の手術術式が評価され、2017年『手術』に掲載紹介されました。
クローン病においては近年抗TNF-αの登場により病勢が改善するだけでなく、粘膜治癒も起こすようになってきています。消化器内科で治験治療も行っているため岐阜県内より多くの患者様が紹介されています。当科は外科的治療が必要になった痔瘻などの治療介入からはじまり、ろう孔、狭窄、中毒性巨大結腸症、出血などあります。当科では可能な限り低侵襲で行うため腹腔鏡で行い、腸管も可能な限り温存するように努めています。
また前述したような癌化したような難治性の炎症性腸疾患においては、手術治療は非常に困難なことが多く、多くの施設から紹介され治療を行っています。
クローン病による度重なる開腹手術と痔瘻手術を他院で施行され紹介されました。前立腺浸潤し、多発小腸病変もあり骨盤内全摘術による膀胱切除は代用する回腸導管作成は困難と判断し、腹会陰式直腸切断術+prx.D3郭清、大腸全摘術、回腸人工肛門造設術/前立腺全摘+膀胱瘻造設術を施行しました。この治療は大変評価され、日本臨床外科学会誌 2019に報告し掲載されました。
村瀬雄介 松橋延壽 高橋孝夫 その他 Crohn病発症から18年の長期経過を経て発症した、前立腺浸潤を伴う痔瘻癌に対する1切除例 日臨外会誌 80(1).108-114.2019.
⑦ 切除不能・進行再発大腸癌に対する積極的外科治療(NACRTおよびConversion Surgeryを含む)
治療前
治療後
PerSeUS-RC01:岐阜大学腫瘍外科関連施設
岐阜大学、岐阜県総合医療センター、岐阜市民病院と合同で直腸癌術前化学放射線治療(TS-1+L-OHP RT)PerSeUS-RC01を進行直腸癌においては試行しました。上述のようにGrade3いわゆる癌が消失することを経験します。術前化学放射線治療を行い、腫瘍が縮小すれば肛門温存不可能な患者さんを可能にすることが多々出現します。
術前化学放射線治療は局所再発率を減少することが最大の目標であり、近年注目されているTotal Neoadjuvant
therapy(CRT+CT)も取り入れています。
Conversion Surgeryの代表例
閉塞性大腸癌、大動脈リンパ節転移のためFOLFOX+Bmab治療開始し、conversion surgeryを行いました。上行結腸癌下大静脈リンパ節浸潤のためIVC+リンパ節合併切除術を行い術後5年無再発生存し、完治となりました。
横行結腸癌、多発大動脈リンパ節転移で紹介となり、FOLFOX+Cmab治療を行いました。化学療法によってリンパ節転移が著名に縮小し、原発巣切除を行いました。原発巣およびリンパ節転移巣すべてにおいて病理組織学的効果はGrade3でCRとなりました。術後5年無再発生存し完治となっています。この治療は国際雑誌で報告し評価されました。
Suetsugu T, Matsuhashi N, Takahashi T,et al.Pathological complete response to mFOLFOX6 plus cetuximab therapy for unresectable colon cancer with multiple paraaortic lymph node metastases. Mol Clin Oncol. 2018 Dec;9(6):587-591.
Iwata Y ,Matsuhashi N, Takahashi T,et al:Ascending colon cancer with synchronous right external iliac lymph node metastasis.International Cancer Conference Journal.2020.27 May
化学療法の治療前と後(RECIT 71.4% 縮小率)
直腸S状部癌において膀胱、子宮浸潤、さらに大動脈リンパ節転移を認めていたため人工肛門造設術後にFOLFOX;Cmabを行ったところ腫瘍マーカー異常高値が正常化し、6kurr後に根治手術行いました。膀胱浸潤は消失し子宮付属器合併切除、大動脈リンパ節郭清を行い、初診時予測されていた回腸導管および永久人工肛門両者を回避することできました。4年無再発生存中です。
治療前
4kurr治療後
8kurr治療後
切除不能多発肝転移が抗癌剤および分子標的薬剤によって著明に縮小するため、切除できなった肝転移が切除できるようになるわけです。
Conversion surgery代表的な肝切除においては上述のように立体的に画像評価を行いシュミレーションした後に手術を行っており、安全な治療が遂行できています。
このように肝転移のみでなく、あらゆる臓器において大腸癌転移巣は切除可能になれば根治が期待できるため積極的なConversion surgeryを行っています。手術可能になった患者さんを手術遂行すると5年生存は58.9%あり、外科治療介入が予後を極めて改善することを多くの国内外の学会で報告しており、高く評価されています。
当科におけるConversion Surgeryの成績
Matsuhashi N, Takahashi T,et al.A novel therapeutic strategy of personalized medicine based on anti-epidermal growth factor receptor monoclonal antibodies in patients with metastatic colorectal cancer. Int J Oncol. 2018 May;52(5):1391-1400
Takahashi T,et al.Multicenter phase II study of modified FOLFOX6 as neoadjuvant chemotherapy for patients with unresectable liver-only metastases from colorectal cancer in Japan: ROOF study. Int J Clin Oncol. 2013 Apr;18(2):335-42.
Oki E, Takahashi T, Yoshida K, et al.Randomised phase II trial of mFOLFOX6 plus bevacizumab versus mFOLFOX6 plus cetuximab as first-line treatment for colorectal liver metastasis (ATOM trial). Br J Cancer. 2019 Jul;121(3):222-229.
臨床試験・治験への積極的な参加(JCOG,SCRUM JAPANなど)
SCRUM-Japan産学連携全国がんゲノムスクリーニング
(Cancer Genome Screening Project for Individualized Medicine in Japan)
担当代表責任者:吉田和弘教授、事務担当責任者:松橋延壽准教授
当科大腸外科は2020年1月までに全国規模の臨床試験を80件以上経験しています。さらに登録数が3位以内の臨床試験も多数経験しており、多くの国内外の学会で研究代表者として発表を経験しています。同様に国際的雑誌にも多く共著者として報告してきています。
2019年1月17日から19日まで米サンフランシスコで開催されたGastrointestinal Cancers Symposium(ASCO GI2019)で、当科の高橋孝夫客員教授が日本の施設代表でoral speakerで講演しました
ACTS-CC 02試験は、病理学的に確認された高リスクステージIII大腸癌の術後補助療法として、SOX療法が日本における標準的な経口フルオロピリミジンレジメンであるUFT/LV療法よりもDFSで優越性を示すことを検証する目的で行われた臨床試験です。
また
JCOG大腸班にも参加し、多くの研究に参加し、大腸癌の国内のリーダー的施設と共同研究を行っています。特にEORTCとの国際共同研究であるDREAM試験には多数の症例を登録し、今後の大腸癌肝転移におけるエビデンス構築に大きく貢献しています。
また2018年からは
SCRUM-Japanに参加し、GOZILA試験、MONSTAR試験などに多くの症例を登録し、ゲノム医療の新たな研究を行っています。これにより新薬開発、治験への参画行っています。GOZILA試験は世界最高峰である医学雑誌Nature Medicineに2020年掲載される予定で、当科松橋延壽が共同著者になっています。大腸癌0-III期におけるctDNAの研究をSCRUM-Japanの中からさらに7施設のみが選別されCOSMOS試験を現在行っており、今後の大腸癌ゲノム医療に大きく貢献できると思っています。
⑨ 基礎と臨床を結ぶ横断的研究(Navigation Surgery,ゲノム医療)
3D VINCENT
通常の3D angiographyから3D VINCENT画像に変換することで、特に骨盤解剖の理解がすすみ、側方郭清における血管走行がより明瞭になり、術前のシュミレーションが十分可能になります。
Holographic image
Future surgery VRとして食道癌治療に実践して有用であったことを報告しており、現在直腸癌側方郭清における有用性を検証中です。
Y.Sato,N.Matsuhashi et al.Holographic image-guided thoracoscopic esophagectomy provided precise spatial recognition in esophageal cancer surgery.Esophagus.2020.03 April
切除不能・再発大腸癌におけるガイドラインは上記のごとく、非常に複雑になっています。また以前のようなdrug lagのない治療が日本では行われるようになり、非常に多くの薬剤が承認され五次治療まで可能な患者さんもいます。現在見える癌、すなわち再発患者さんにおいてはGOZILA,MONSTAR試験など治験に結び付けるようなゲノム医療が開発中であり、岐阜大学大腸外科は積極的に取り組んでいます。さらに見えない癌、すなわち外科的切除施行した患者において、未来において再発するかしないかをゲノム医療で見極めていく研究が必要になってきます。そこでこの領域に関する研究が2020年7月から新たにSCRUM JAPANからVEGA,GARAXY,さらにALTAIR試験など医師主導治験が始まり、岐阜大学医学部附属病院を中心に岐阜県総合医療センター、岐阜市民病院、松波総合病院とのコンソーシアムで連携を図り、治験患者さんが岐阜大学で受けれるようになります。大腸癌補助療法の今後の新たな治療指針がここから生まれることが期待され、これらの試験においても岐阜大学が中核施設として行っています。