近現代日本文学リンク集についての解説  last update 2002.6.11


このリンク集について   2000.11.29 ちょっぴり更新

これまでの「近現代日本文学リンク集」を今回改訂しました。
1996年10月にはじめたリンク集は、近現代日本文学関連のサイト自体がまだ数少ないなかでその全体像を把握してみたいという気持ちから、はやくからサイトを立ち上げていた市川毅さんと情報交換しながら作ったものでした。この時期には多領域に越境する未分化のエネルギーを感じさせるページに出会うたびに、インターネット上の文学研究系ページの創成期(といってもいいかな?)に立ち会っているという興奮をおぼえることが多かったように思います。
それ以降のここ一二年の間、近現代日本文学関係のページは ac.jp 系・非 ac.jp 系ともに非常な数に上っています。わたし自身はかなり早い時期からそれらすべてのフォローについては網羅系のリンク集にリンクすることをもって代えており(これができるのがインターネットの最大の利点!)、もっぱら自分自身の興味にそったコメントつきのリンク集というのが実体でした。
これまでの経験上わたしは、各研究者の個性に応じて自由に編集されたリンク集が総体としてその領域全体のリンク集として機能するべきだ、と考えています。おのおののリンク集はユーザー側が自身の必要に応じて自由に選択して利用するものであり、そのサイトの利用価値についてはユーザー自身が自己の責任においてみきわめるものだ、というのがネット上の原則でしょう。
ただし専門外の領域については、門外漢がおのおののリンク集の個性を読み解くのはなかなかむつかしいため、信頼できるメタ・リンク集があった方が便利だな、などと考えてしまうのは甘えでしょうね(などといっていたら、サイトごとに採点までつけた、こんなデータベース( 火星の井戸掘り−旧・知のデータベース〜学術情報フィールドノート− 1999.12.21追加)が! 今後の展開を、みなさんでじっくりと、見守ってまいりましょうね)。
以下、各項目ごとにリンクのスタンス、リンクしたサイトの特徴などについてごく簡単にコメントしておきますので、ご利用の際の参考にしてください。

リンク集

「人文研究機関リスト」は、もっとも基本的なデータベースといえます。後藤斉さんからはこのリンク集の出発時からさまざまな情報を提供いただきました。「日本近代文学に関連のあるWebのサイト」はある程度客観的なリンク集をイメージして立ちあげられた、市川毅さんによるサイトです。新規に近現代文学関連のページを立ち上げた方はぜひこちらにご連絡ください。「日本語・日本文学、中国学芸、国語教育を中心としたリンク集」(細田季男さん)は、(小倉肇さんのページなきあと)ひじょうによくまとまった使いやすいリンク集です。
日本近代文学の森(ScienceVillage 松下浩文さん)は、わたしもこれから愛用させていただこうと思います。

データベース/研究サイト

データベースについては現在、各サイトがさまざまなものを提供しています。ここでフォローしきれなかった ac.jp サイト外には坂口安吾関連など充実度の高いものがありますので、後日追加していきたいと思います。現時点ではおおむねわたしの研究上の必要に応じたリンクですが、他の研究者のノートをこんなにも気軽に参照できるという点でインターネットの恩恵を噛みしめています。なお「宮沢賢治研究文献目録」については信時哲郎さんのネット上でのこれまでのさまざまなこころみのひとつの結果として敬意を表したいと思います。
近現代文学関連のサイトの全体状況については木村功さんのリンク集ほかで補うことができます。

近現代文学研究とウェブ利用   2002.6.11 追加 

やっとコンテンツを追加することができました。文学館という場とウェブでの発信(館長によるメッセージもふくめて)がゆるやかにからみあったこういうページの可能性については、個人的に注目しています。なお館長はただいまUCLA客員教授として、7月初旬までアメリカ・ロサンゼルスに滞在とのことです。

こちらはご本人からの依頼により、在外研究でパリに滞在中の吉田司雄さんのウェブ日記をリンクしました。期限限定リンクです。

「ルール&マナー」の一件については、情報倫理・近現代文学の双方で使える事例研究のネタを提供いただいた、というふうに理解しています。リンクやページの公開性に関する認識をこの件の関係者と共有できなかった点については、近現代文学研究という領域のウェブ利用の今後を考える上で、前途多難を思わせますけどね。

資料展示/文学史関連   2000.12.15 追加 

この二項目については、「資料展示」でのコンテンツがおおむね図書館等の所蔵資料のウェブ上の展示であるという以外は、内容的にはともに近現代日本文学史関連のきわめて充実したコンテンツであるという点で共通しています。そしてどちらも私の担当講義「国文学史」(実質には明治・大正編年文学史)的関心によって選択されています。
「資料展示室」は後藤斉さんのサイトの膨大なデータベースの中では比較的とっつきやすい(失礼!)もので、ここをチェックして自分用のブックマークを作るというのもいいと思います。東北大付属図書館の漱石文庫のコンテンツ、筑波大電子図書館の特別展『幕末・明治の生活と教育』−写真・幻灯・錦絵・教科書−』ほか、遠隔地の人間にとってはありがたいサイトです。「OISR.ORG20世紀ポスター展−所蔵資料2600点で見る戦前期日本の〈モダンの力〉−」は、大正・昭和文学史の一環として、またそれらの時代そのものを実感する上でも待望のページです。

「文学史関連」の方は一応年代別に分けておきました。「泰西偉人伝 文部省発行教育錦絵14枚 明治6(1873)年」は「西国立志篇」の錦絵版とでもいうべきでしょうか、時代を生に感じさせます。更新をさぼっているあいだに、「早稲田と文学」 がすばらしいサイトになっていました。こちらのインデックスをみれば、もう解説は不用でしょう。鴎外『戦争論』「ベルリン反帝グループと新明正道日記」は他領域の研究者による興味深いアプローチです。

「♪深尾須磨子とモイーズの出会い」は、女詩人・深尾須磨子とマルセル・モイーズをとりあげたフルーティストの方のページ。ヨーロッパに同行した声楽家・荻野綾子とコッポラ指揮パリ交響管弦楽団との競演をここで聴けるなんて、感激の極みです。それから唱歌や童謡も文学史の大切な資料のひとつということで、「文部省唱歌」もリンク。全曲ではないけれど、メロディーつきなので重宝。できれば名曲「ラッパ節」など演歌のメロディーもほしいので、また探してみます。

フィールドワーク

この領域は、もっともWWWのおもしろさを堪能できるのではないでしょうか。それだけに数も多くすべてのページを見るということはとうてい不可能で、そのあたりは「ほら貝」その他の網羅系のサイトを参照ください。ここでは文学史的な観点から特徴的なページをリンクしており、中身については直接飛んでいただくのが一番です。個人的には、情報教育とも融合した熊本国府高等学校パソコン同好会のこころみのようなページがこれからどんどん増えていくこと、それから地域性をもったページが世界中から気軽に発信されることを期待しています。

ゼミ生用リンク/その他   2000.11.29 更新

卒業研究で近現代文学を専攻する学生用につくってみました。教育学部に所属する、ウェブ初心者(1年次に「情報教育1」「同2」を履修したはじめての学年になります)かつ近現代文学研究初心者への入門用リンクです。
八木惠子さんの「インターネットと研究」は「日本近代文学」の<展望>欄の再録ですが、インターネット利用に関する学会への提言であるとともに、初心者へのウェブ利用入門書にもなっています。これは以前の信時・木村提言をうけたものですが、この時期からみて状況はどの程度進んだのでしょうか?
私個人としては、とにかく研究者の方たちが日常的にインターネットを使用するようになることが先決だと思います。その意味では、あえてリンクはしませんが「近現代日本文学研究サイト」中の何人かの出しているウェブ日記・掲示板などを時々巡回してみるとなかなかリスキーな発言などもあって面白いということを申しあげておきます。そのあたりを取りかかりにしてインターネットの生きた世界に触れてみてはいかがでしょうか。
しかしながら、発信者としてウェブに参加するのであれば、自己決定できるだけの、最低限のウェブの常識は知っておいてね(わからないことは、私をつかまえて訊いてね>ゼミ生のみなさん)。
なおこの項目については、ある程度拡張した段階で別ページに分離する予定です。今回のリンク改訂でこれまでのリンク集から移さなかったいくつかのサイトもそちらにお引っ越しとなります。

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