日本の狩猟免許登録者数は1975年の54万人をピークとして、その後全国的に減少傾向が続いています。岐阜県も例外ではなく、1970年代には約1万5千人いた狩猟者も現在は4千人まで減少してしまいました。また、現在の狩猟者の60%以上が60歳以上という状況です。イノシシやシカによる農林業被害やそれらの動物の捕獲頭数は増加し続けています。今後野生動物の分布や個体数の更なる増加が予測される中で、野生動物管理(特に、個体数管理)の担い手としての狩猟者の役割は重要です。このような状況下において、狩猟者による捕獲を維持し、また、新しい世代の狩猟者を育成していくことが課題となっています。
寄附研究部門では、県内外の研究者や実務者と協力して、狩猟者の捕獲活動やその継続に影響を与える要因を解明するためのアンケート調査を実施し、狩猟者減少問題の解決策を検討しています。
野生生物保護学会行政部会(部会長:鳥居春己・奈良教育大学教授)が主体となって実施している狩猟者の意識調査に関する研究プロジェクト(代表:上田剛平氏・兵庫県但馬県民局朝来農林振興事務所)に参画しています。
<主な調査・研究内容>
・狩猟免許更新者を対象とした捕獲活動等に関する意識調査(平成24年度)
(全県域対象、アンケート調査)
・新規狩猟免許取得者を対象とした免許取得や狩猟に関する意識調査(平成24・25年度)
(全県域対象、アンケート調査)
・狩猟免許未更新者(引退者)に対する意識調査(平成24年度)
(全県域対象、アンケート調査)
・狩猟者人口の将来予測
・岐阜県内の狩猟者の捕獲活動に影響を与える要因の解明と他都県との比較研究
・狩猟者の捕獲活動をモニタリングするための狩猟カレンダーの改訂作業