薬理病態学分野
Department of Pharmacology
Graduate School of Medicine
Gifu University
薬理病態学分野
Department of Pharmacology
Graduate School of Medicine
Gifu University
薬理病態学分野では、次世代の医療技術を切り拓く「量子イメージング」を活用し、これまでの形態的な画像診断から、機能や代謝に基づく診断や薬効評価を目指した研究を行っています。近年、分子生命科学に加え、電子や陽子などの量子レベルで生命現象を議論する「量子生命科学」が注目されています。量子技術は、これまで不可能だった極微少環境の計測や超高感度化を可能にし、革新的な技術の創出や新たな産業の発展を期待されています。当研究室では、この量子技術を活用し、体内で細胞がどのように働いているのか、病気によりどのように変化するのかを解明するためのイメージング技術の開発に取り組んでいます。
さらに、私たちは医工学の視点から、産学連携研究による新しい磁気共鳴装置の開発も推進しています。企業と協力して、量子イメージングの可能性を最大限に引き出す次世代のMRI装置を開発し、医療現場への応用を目指しています。
More read超偏極MRI(Hyperpolarized MRI)は、これまでの医用MRI画像診断技術を大きく進化させる可能性のある技術です。従来のMRI(磁気共鳴画像法)は、体内の構造や組織の状態を高精細に描き出す能力を持っていますが、超偏極MRIはこれに加えて、代謝や分子レベルの機能情報をリアルタイムで取得することを可能にします。我々は、超偏極MRI技術の中でも電子スピンと核スピンの相互作用を利用して超核偏極現象を誘発する動的核偏極(DNP:dynamic nuclear polarization)MRIの開発と疾患応用研究を推進しています。
我々の取り組んでいるDNP法には大きく分けて2種類の方法があり、1つは超低磁場磁石を用いて生体内でDNPを誘発するin vivo DNP-MRIで、もう一つは装置内で極低温下で超核偏極を行い、溶解させたのち、超偏極分子を造影剤として投与して疾患イメージングを行う、dissolution DNP-MRI法です。これらの装置を駆使して、生体内の機能や代謝のイメージングを行っています (放射線医学分野と共同で運営しています)。
電子スピンの強い偏極状態を核スピンに遷移することで、核磁気共鳴(NMR)やMRIの信号感度を飛躍的に向上させる技術です。In vivo DNP-MRIでは主に電子スピン分子を機能造影剤およびDNP偏極剤として用いて、プロトン核スピンを超核偏極して、体内の電子の授受(レドックス)に関する情報を得ることができます。
一方、dissolution DNPーNMR/MRIでは、 13C分子を装置内で超核偏極して、生体に投与することで、 13C分子が介在する代謝反応を可視化することができます。
私たちの研究室では放射線科(松尾教授)と共同で、2種のDNP装置を駆使して様々な疾患応用研究およびに取り組んでいます。また、産学連携を通じて、 ヒト用の量子(超偏極)MRI装置の開発を進めています。
国立大学法人東海国立大学機構
岐阜大学大学院医学系研究科・医学部
薬理病態学分野
〒501-1194
岐阜市柳戸1番1
E-mail: yakuri(at)t.gifu-u.ac.jp
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