研究内容
このイラストは、私たちの研究室が取り組む量子医療研究が、人や社会の未来にどのようにつながっていくのかを、ひとつの風景として表現したものです。手前に広がる緑の道は、量子技術を医療に応用する研究の先に見えてくる、より明るく人にやさしい未来を示しています。赤い線で描かれた量子スピンは、私たちが研究の中核として扱っている量子の性質を象徴しています。人々が電子スピンに乗ったり、その周囲に浮かんだりする姿は、量子技術が理論や装置にとどまらず、医療や日常生活を支える基盤技術として社会に広がっていくことを表しています。子どもから高齢者まで、さまざまな人々が同じ空間に描かれているのは、量子医療がすべての人の健康と社会に寄り添う技術であるという、私たち研究室の思いを示しています。 私たちは、量子技術を人と社会に開かれた医療技術へと育てていく研究を進めています。
薬理病態学分野では、量子(超偏極)イメージングと呼ばれる新しいMRI技術を用いて、これまでの形態的な画像診断から機能・代謝に基づく診断や薬の評価を目指した研究を行っています。近年、これまでの原子や分子といったナノザイズを取り扱う分子生命科学から、より小さい電子や陽子などの量子を用いて生命を議論する量子生命科学が着目されており、量子技術により、従来不可能であった極微少環境の計測や、超高感度化など革新的な技術の創出や新たな産業を生み出すことが期待されています。私たちは、量子技術を使って私たちの体の中で細胞がどう働いているか、病気になったときはどのように変わるのかを見ることができるイメージング技術の開発をしています。特に、様々な病気への関与が知られている酸化還元(レドックス)状態を可視化する方法の開発や、体内の代謝をリアルタイムに検出する方法の開発に挑戦しています。これらの研究を通じて、がんや生活習慣病などについて、新しい診断・薬効評価法へ展開することで医療や健康寿命の進展に貢献したいと考えています。