水利環境学研究室別館 本文へジャンプ
2016年度   2015年度   2014年度

■アマガエル初鳴き■ 2015.03.17 

■猟期終了■ 2015.03.15 

■オオタニシ救助■ 2015.03.06 

■追いコン■ 2015.03.03 

■環境保全・環境教育に関する講演■ 2015.02.26

 名古屋の栄で講演してきました.お相手は名古屋青年会議所の方々.普段お話しさせていただいているのとはまた違った雰囲気でしたが,名古屋という都会の中ではなおさら環境教育が重要で,それに対する取り組みも皆さん熱心にされていることがよくわかりました.都会であればあるほど,何気ない生き物や風景が宝物として感じられ,また人々の関心も高いんですね.ある意味うらやましく思えました.ないものねだりかな?



■輪之内町生き物保全検討会■ 2015.02.22

 輪之内町で10年ほど前に整備された環境配慮型水路.見た目は申し分ない環境が整っているのですが,残念ながら生物相はお世辞にも豊かだとは言えません.なぜなのか?正直,私自身よくわかりません.人間の考える範囲なんてのは,自然の複雑な仕組みのほんの一部分なんでしょうね.
 だからといってあきらめるわけにはいきません.今後もちゃんとかかわりあって,なんとか豊かな生態系をよみがえらせたいと思います.なんといってもここではフネドブガイが見つかってますしね.個人的に愛着わきます.




■計画基準検討意見聴取会■ 2015.02.17

 卒論の打ち上げでぱーっとしたいのに翌日朝から行われる委員会のために最終便で東京.この時期は委員会だらけです.
 日本の農業を大都会東京で語る・・・なんともシュールです.

■卒論発表会■ 2015.02.16

 環境生態科学コースの卒業論文発表会が行われました.私の指導学生は3名.A君の「季節によるケリVanellus cinereusの分布変化」,Hさんは「カダヤシの侵入に対するミナミメダカの保全」,MUさんは「環境教育活動による地域活性化の課題と地域住民意向」という題目で発表しました.
 近年のプレゼンレベルはすごくよくなっています.3名の発表もよかったと思います.進学,就職先でも頑張ってください.おつかれさまでした.

■生態系配慮施設の維持管理マニュアル■ 2015.02.12

 生態系配慮施設の維持管理手法・体制確立検討委員会が東京で行われました.委員になってはや3年.マニュアルの発行は次年度末ですが,今回で委員会は解散.一区切りです.
 生態系への配慮は,今や当然行われるべきものとして認識されています.しかし,それにはコストや労力を要し,またある程度利便性とのバーターが生じます.それをいかに乗り越えてゆくか・・・価値観の醸成とともに効率的な維持管理が不可欠です.
 現場で実際に携わる方々に役立つようなマニュアルを作ろうと,農水省がやる気になってくれたのは非常に喜ばしいことです.少しでも役に立てたかな?まだまだ仕上げまで時間があります.最後までいろんな意見を出していきたいと思います.

■イタセンパラ域外保全検討委員会■ 2015.02.10

 平成26年度イタセンパラ域外保全検討委員化の取りまとめが名古屋でありました.普段,域内保全ばかりしているので,域外保全から野生復帰までのプロセスが遠く感じます.でも最終的にはイタセンパラが田んぼの横で泳いでいる環境が復活してくれることを強く望みます.
 東海地方のイタセン君はごく限られた場所でしか確認されていませんが.我々の知らないどこかに野生個体が生息しているのでしょうか?環境DNAが適用できるといいなと思います.




■修論発表会■ 2015.02.04

 平成26年度,フィールド生態科学コースの修論発表会が行われました.私が主指導としてかかわったのは,Kさんの「武儀川・神崎川におけるニシオオヤマカワゲラの生息範囲と水温の関係」,Sっちの「森林タイプの違いがサンショウウオ類の生息状況に与える影響」の2題でした.
 いずれもピュアサイエンスに近いものでした.私自身勉強になって面白かったです.研究以外にもTAや調査などで活躍してくれました.やっぱり大学院生ともなるとしっかりしてます.ほんとに助かりました.ありがとう.2年間ご苦労様でした.

■イノシシ■ 2015.02.04

 くくり罠にイノシシがかかった.ウリ坊.痩せている.この冬はドングリ不作と聞いてはいたが,ほんとに痩せこけている.
 ごめんねとつぶやきながら仕留めた.解体したら案の定,切り取れるサイズの肉はほとんどなかった.レバーと心臓,タンとほほ肉だけは取り分けましたが,残りはこのまま丸焼きです.
 自然の中で過ごしていると,毎日が発見と感激に包まれます.自然の恵みに感謝です.

■白い川■ 2015.02.03

 失意のうちにため池から大学に戻ってみると・・・校舎前の川が真っ白に!なんだなんだと大騒ぎ.原因は工学部等の改修工事で使った塗料缶を洗ったためだとか.不幸中の幸いにして水性塗料だったからまだよかったのですが,環境ユニバーシティを表する岐阜大学としてはあってはならない事件です.
 夕方になって吸水車や高圧洗浄車が列を作ってました.おかげで翌日は何もなかったかのように.しばらくは底生生物の状態に注視したいと思います.





■痛恨■ 2015.02.03
 
 モリアオガエルの調査でお世話になったため池.最近,ため池の耐震補強を兼ねた改修が各地で行われています.岐阜県のように大河川がある地域では,昔からため池が少なく,それゆえ中山間地の貴重な止水域となっています.ここもそうでした.モリアオガエル以外にも,オタマジャクシで越冬するツチガエル,アカハライモリ,オオタニシ,モノアラガイ,アズマヒキガエル,サワガニなど,自然豊かなこの地区においてもここにしかいない生物がたくさんいました.そこで,ため池保全のガイドラインのようなものをモリアオガエルを通して論文に書こうとしていました.が,遅々として進まなかったんです.そしたら・・・
 池の水は抜かれていました.しかも底樋なので残水域は一切なし.水面に張り出していた木々は,周遊歩道整備のために皆伐.浚渫用の重機が泥で埋まってしまうので,土壌改良材として大量の石灰投入.悲しかったです.僕が論文書いてたら救われるなんてうぬぼれてませんが,痛恨の一撃を食らった気分です.
 幸い,工事担当者とお話しさせていただいたところ,すごく理解していただけました.水抜き時に生き物を見ていたそうですが,モリアオなんてシーズン外せば池にいませんし,オオタニシだってただのタニシとしか思えません.この池にはほとんど魚がいなかったことから,配慮の必要はなしと判断されていたようです.でも,交渉の結果,2,3本木が残っているところに穴を掘ってプールを作っていただけることになりました.
 復水は来年の春.まだ一年以上先です.泥の中で生き残っていたオオタニシ.できるだけ多種の生物が新しいプールで生き残ってくれるよう,池に通いたいと思います.
 





■尾道のフネドブガイ■ 2015.01.24-26

 九州からの帰り,途中下車して岡山,広島へ立ち寄りました.
 尾道,世羅には以前マーキングしていたフネドブガイがいます.形は岐阜のものとは少し異なっており,今後の遺伝子分析に興味がわきます.
 ここでは見たこともないような大きなガムシやマツモムシがいました.他にもマルタニシ?オオタニシ?と首をかしげるタニシ達.ドンコ,アカハライモリなど幸せいっぱいでした.
 飼料米導入によって水田生態系が戻らないかなと期待しているこの頃ですが,中山間地の未整備水田に行くともっと優先的にすべきこと・・・残された楽園の保全・・・に心動かされます.
 農地の維持整備には農地水の直接支払制度が適用されますが.このような不利な農地での農業自体への補助はできないものでしょうか.もちろん独立採算でやっていければいいのですが,農業の存続は風前のともしびです.
 今回もお世話になったN先生およびNさんありがとうございました.また同行してくれた卒業生のKさん,お疲れ様でした.
 あ,帰路立ち寄った岡山県の小森温泉,いい湯でした.


追記
 条件不利地域への補助は既にあるよという意見をいただきました.これは経営体の育成事業で,経営の効率化や機械化の促進に対して支払われるものです.でも僕の考えている方向性とは少し異なります.大規模化,経営の効率化を目指しても,農業の競争力という面ではたかが知れています.それよりも環境や景観,文化・伝統を大切に育みながら生産された農作物を,行政の力でPRし,販売網を作って流していくことはできないものでしょうか.あるいは逆ザヤ覚悟で昔の政府買取米のように支えていくことはできないでしょうか.
 問題点はいろいろあると思いますが,どこかの自治体が第一歩を踏み出してほしいと願います.



■東九州 冬の水田紀行■ 2015.01.22-23

 環境教育に関するアンケート結果の報告と追補インタビューをしに,卒論性Mさんと一緒に福岡県行橋市に行ってまいりました.
 田んぼの学校を始めとする環境教育は,各地で行われています.しかし,その継続や波及効果の点でなかなかうまくいかない場合が多々あります.なんとか農業・農村の活性化につなげたいと考え,その取り組みにおける工夫や悩みを聞いてまいりました.
 インタビュー終えて懐かしのビオトープへ.西日本限定?背中線の入ったヌマガエル,アライグマ?の襲撃を受けたヌマガイ,ニホンアカガエルの卵塊など興味尽きない一日でした.
お世話になった天生田のNさん,九州農政局のAさん,広島環保協のNさん,ありがとうございました.



■冬のカワシンジュガイ■ 2015.01.15,19

 カワシンジュガイ調査のため,いつものフィールドへ.ところが1月15日は大雨のため調査途中で逃げ帰りました.出直した19日は吹雪.なんなんだ?! まあ,なんとか目的は果たせましたが・・・
 ところで共同で研究を行っているTさんから,貴重なものを見せていただきました.岐阜大学のすぐ近くで見つかったカワシンジュガイの標本です.しかも発見者はあの後藤宮子先生!!感激です.
 現在の大学周辺は圃場整備された排水路で,ホストであるアマゴの住める環境ではありません.でも昔は違ったのかな?と思いをはせましたが,標本のラベルには2002年と記されていました.なのでタナゴマニアが繁殖に使った貝を遺棄したと考えるのが妥当ではないでしょうか.



■冬の田んぼ■ 2015.01.14
 
 冬の田んぼ.こういう水路の深場,しかもカバーのある場所にはうじゃうじゃ魚が集まっています.それ以外にも水生昆虫もたくさんいます.タモを入れていると心が弾みます.でもこれは越冬場所が限られていることを物語っているんですね.リスク回避のためにも越冬地を増やしていかないとダメですね.
 





■消防出初式■ 2015.01.11

 大学とは関係ないのですが,日曜日に出初式がありました.梯子芸や今や骨董品となった手動ポンプによる放水,観隊式の行進,表彰などのイベントを行いました.
 消防団員は約700名.これだけの団員と十数台の消防車が一堂に会するさまは壮観です.総人口2万人ちょっとの揖斐川町においてこれだけの消防団を運営することは大変ですが,地域コミュニティーの維持・活性化に対し何かしらの役割を担えるといいなと思います.




■フィールド科学応用実習■ 2015.01.08

 一年生の農場実習.昨年までは鷭が池での池プロ実習があったのですが,今年度からは廃止になりました.そのため,一年生とは5月位山実習以来の再開.池プロを廃止にしたのは,農場での実習を充実させることが目的の一つ.今年はしっかりしたテキストも配布されており,なかなか充実しているようでした.今回は果樹(梅)の施肥.農場内の鶏舎から出た発酵鶏糞を施しました.循環型っていいですね.そのあと肥料の話を少ししてから熾火で焼いた芋!うまかったです.
 農学部が応用生物科学部に変わりはや10年.農業に関する講義が削減されていく中,このような実習を充実させていくことは非常に大切だと痛感しました.





■鳥類識別実習■ 2015.01.06

 新年一回目の実習は鳥実習.前回の琵琶湖同様の荒天.
 雨の中,がんばって大学周辺を歩き回りましたが,20種ほどと例年の半分程度しか確認できませんでした.
 でもすごいのを発見.鳥ではないですが,白ダヌキがいました!黒ダヌキと仲良く走り回っていました.(写真は写せず・・・)


■謹賀新年■ 2015.01.01

 2015年未年.正月は雪景色で迎えました.
 これから卒論修論は追い込みです.受験生もいよいよ正念場.がんばってください.あ,私も報告書の嵐が・・・・頑張ります.

■くくり罠・・・不発続く■ 2014.12.31
 
 くくり罠.あと一歩で逃し続けています.
 罠の数センチ横に足跡がついているなどはしょっちゅう.踏んでいても空弾きも何度かありました.馬鹿にするかのように米ぬかの上にキツネが糞をしていたり,掛かったと思いきや,タヌキさんだったり,ラスカルだったり・・・
 来年は猟果多き年でありますように・・・・・




■ガタレンジャー望年会■ 2014.12.21

 ガタレンジャーの望年会でクリスマスムード一色の大都会名古屋へ.初代理事長Tさんの意向で,忘年会ではなく望年会なのです.いいとおもいません?
 藤前干潟には,カニや鳥に負けないほど多様な人がいて楽しい.今年もいろんな人といろんなお話ができました.来年はもっと干潟に行きたいと思います.
 そんな楽しい会に後ろ髪をひかれつつ,名古屋発8:45の終電に飛び乗って帰りました.田舎住まいも楽じゃない??
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■積雪続く・・・・■ 2014.12.18
 
 12月なのに早くも3回目のまとまった雪.しかも前回の雪が溶けておらず,根雪になりそうな予感.
 予定していた下呂での調査も中止になってしまった.年内はもう無理だろう.予定通りにはいかないもんだなあ・・・ 

■鳥類識別実習 in 琵琶湖■ 2014.12.16

 鳥類識別実習で琵琶湖へ.あいにくの荒天.西池は凍っていました・・・
それでも多くの鳥を見ることができました.ホオジロガモを初めて見ました.また,別働隊はオオワシを確認したそうです.
 彦根城周辺は残念ながら空振り.飼育されているコクチョウとコブハクチョウ,それにカモ類が少し.
 何か意識して変えていかないと,タッフ側がマンネリ化してしまい,それが学生に伝わってしまいますね.要注意です.



■研究室忘年会■ 2014.12.13

 農政局の方たち,それに卒業生のKさんと別れたあと,その足で研究室の忘年会へ.今年も50名ほどの参加者でにぎわいました.30歳越えの卒業生も多くいましたが,みな学生時代と変わらぬ姿を見せてくれてうれしかったです.
 仕事上,かかわりのある人も多いのですが,みなさんのご活躍をお祈りしています. 

■九州農政局視察■ 2014.12.12-13

 九州農政局からAさん,広島からはNさん,大阪からKさんがやってきました.外来種駆除に関する意見交換と現地見学です.
 はじめに輪之内町へ.ここでは10年ほど前に環境保全水路整備が行われました.冬季の水深,植生帯,退避所の確保など,現在でも十分通用する整備水準です.なのに,魚がいません.なぜなのか?通常,魚がいない場所に行くと,その原因はすぐに把握できます.でもここは何がいけないのか確証がつかめないままです.せっかくに施設なので何とかしたいのですが・・・
 続いて谷汲へ.カダヤシの温水駆除を見ていただきました.それにため池の改修工事.最近,全国のため池で耐震補強工事が行われています.岐阜県は大河川が多いのでため池が非常に少なく,特に中山間地においては貴重な止水域となっています.ここにもモリアオガエル,アカハライモリ,ツチガエル,オオタニシなど,この地域ではここにしかいない生き物がたくさん生息しています.これらに配慮した法事をしていただきたいのですが・・・不安な状況でした.もっと声を大にしていかねばと反省です.
 夜はみんなでお酒をいただきながら意見交換しました.ほんとにすてきな時間を過ごせました.みなさん,ありがとうございました.




■ヌートリア捕獲作戦■ 2014.12.10

 ビオトープ水田の二枚貝を絶滅寸前にまで追いやったヌーちゃん.南米原産で,毛皮目的でフランスから連れてこられたそうな.岐阜県はほぼ北限といわれているが,お隣福井でも増殖中.でも滋賀県ではほとんどいないそうな.琵琶湖周辺には多くいそうなのですが・・・この先も増えないでほしいです.
 まあ,大きなネズミですので,ネズミ算で増えるわけです.そう簡単に個体数を減らせそうにないですが,イギリスでは100万党駆除して根絶した歴史があります.中途半端はいけませんね.やるなら徹底的にやらないと.特に日本は水田農業への被害が深刻ですし.
 本能で二枚貝を食しているだけで罪はない.だから僕もヌーちゃんを捕獲して本能で食すとしよう.ヌーちゃん,美味しいんですよ.
 箱縄を仕掛けました(ちゃんと免状とってます).エサはくず野菜とリンゴの皮.さあ,かかってくれるかな?




■サイエンス カフェ in 名古屋■ 2014.12.07

 名古屋の藤前干潟ビジターセンターにてサイエンスカフェを行った.ファシリテーターとして長澤さんにお越しいただいた.講演会ではなく,サイエンスカフェなので2時間のうち50分程度はディスカッションに咲いた.
 田んぼと干潟の共通点,異なっている点それに連続性についてお話ししました.今や環境保全や自然保護といえば当然取り組むべきことのように思われがちですが,やはりそこに価値観を見いだせないとなかなかうまくいきません.そのため,今回は意図して社会科学系のほうへ話題を振りました.自然や生き物の話ならもめることは少ないですが,社会的なこと,イデオロギーにかかわるようなことはそれぞれが期することありてうまくまとまりません.それでもたくさんの方から多くの意見を伺うことができてとても有意義な会となりました.
 参加してくれた方々,スタッフの方々,どうもありがとうございました.




■初雪■ 2014.12.06

 谷汲で初積雪.2012年は12月9日,2013年は12月14日,そして今年は12月6日.この時期の雪は湿っていて重い.
 雪が積もるとシカやシシの足跡がよく見える.今のうちに観察してけもの道を覚えよう.そして奴らを仕留めよう!

■畑地用水諸元調査 in 和歌山■ 2014.12.04-05

 農業用水(畑)の基礎諸元調査で和歌山県有田市へ.ここではマルチドリップ方式によるミカン栽培がおこなわれていました.いわゆるマルドリみかん.農業法人や個人農家など形態は様々ですが皆さんいろんな工夫をしていました.特に情報収集とその共有,有効活用に関してはここ数年で目覚ましい発展を遂げています.日本の農家もただ手をこまねいているだけではありません.がんばれ日本です.
 和歌山はJR和歌山駅と南海和歌山市駅が離れており,中心部が二か所存在していました.愛媛の松山と同じ感じですね.私は神戸出身ですが,和歌山へは高野山方面しかなじみがありませんでした.いろいろ新発見するものも多く,興味深い視察となりました.


■演習林&飛騨の川■ 2014.12.02-03

 久しぶりの演習林泊.いきなりの積雪に慌ててしまったが,一部を残してデータ回収完了.寒さに震え,サンショウウオチェックはできなかった.
 翌日は山を下りて川の調査.水産研究所で打ち合わせし,いくつかの支流を回った.
 南飛騨はヒダとはいっても太平洋川の流域です.ここの水は最終的には木曽川へ注ぎます.上流域の清らかで冷たい水は,温かく濁った水へと変貌します.そしてそこに生息する生物の種も大きく変化していきます.
 川の流れをぼーっと見てると,岐阜県の広さ,豊かさを再認識させられますね.


■農地水シンポジウム■ 2014.12.01

 昨年に引き続き,名古屋東建ホールで行われた農地水シンポジウムでコーディネーターをしてきました.今年も三百人超の参加者に来ていただきましたが,個人的にはうまくまとめられず心残りの多いシンポジウムとなってしまいました.まあ,全国で様々な人たちががんばってる中で多くの問題を抱えている難しい案件です.シンポジウムをやって結論が得られるような優しいものではないことは重々理解しているつもりですが・・・やっぱりむつかしいですね.
 10年先の読めない小規模集落,農業,文化・伝統・・・今が踏ん張り時です.そのためには若い人のパワー,行政のバックアップが欠かせません.いかに融合していくかが大きなカギを握っています.

■日本酒の季節■ 2014.11.30

 日本酒はうまい.最近,若者の日本酒離れが話題になっていますが,おとなりの応用生命科学課程では日本酒造りを試みています.何度かお声をかけていただいたのですが,時間が合わず残念ながらまだ参加できていません.是非,素晴らしき日本酒の魅力,そして飲みすぎた時の悲劇をお伝えしたいと思っております.
 日本酒の季節と表題にありますが,秋から年始は日本酒党にとってたまらない季節です.秋になると,私の愛してやまない冷やおろしが出てきます.そして年末年始にかけて新酒が出始めます.
 冷やおろしというのは,冬にできた酒に火入れをしてから冷暗所でひと夏熟成し,その後二度目の火入れをせずに出荷される酒です.秋あがりとも申します.その味わいはまろやかで芳醇,冬の酒に比べ旨みがのってくることで知られています.私が好きな日本酒は,気づいてみれば冷やおろしが多数を占めるようになっていました.新酒は文字通りできたたてほやほやのフレッシュな奴です.今年もたくさんいただきました.その最高峰というべきは「村祐 茜 秋あがり」です.一升瓶二本があっという間に開いてしまいました.季節的に我が家で採れたイチジクと一緒に頂きましたがいい感じです.親戚の柿農家が島根で作っている西条柿(ドライアイスを入れて梱包出荷して運送中に渋を抜くそうです)も清々しくて日本酒にぴったりでした.もちろん,シカのレバーとハツも欠かせません.この時期の日本酒は肴が豊かなことも楽しめるポイントですね.
 日本酒について語り始めると止まらなくなるので,最後にこの秋呑んだ中でもお勧めを書いておきます.入手しずらいのもありますが,機会があればぜひ試してみてください.
 村祐 茜 秋あがり,村祐 常盤,黒牛 純米,月の桂 大極上中汲にごり酒,獺祭 48 寒造早槽しぼりたて生,鶴齢 純米,その他・・ゆきの美人,日置桜,天神囃子,義侠えにしなどなど.
 さあ,年が明けたら山間(やんま)の蔵出し.正月は卒業生U君に頂いた蓬莱泉の吟を開けよう.日本酒な日々・・・・幸せです.





■カダヤシ駆除大作戦■ 2014.11.27

 昨年まで行ったカダヤシとメダカの分布調査.結果の一つとして,カダヤシは冬季,井戸水や生活排水の流入場所に集まっていることがわかりました.さすが暖かい地方からやってきたグッピーの仲間(正確にはグッピーがカダヤシの仲間なんですが・・・)です.今回,カダヤシの駆除にこの性質を利用してみました.
 四ツ谷沼という,ズブズブの泥炭で中に入れない水域があります.このような場所では池干しが有効ですが,どこでもできるわけではありません.そのため,カダヤシ君たちに集合してもらい,効率よく捕獲する必要があります.そこで温水で集めようと試みました.
 温水確保の手段としては井戸水が理想ですが,ここには井戸がない.次に冬場に空いている田んぼに水を張り,日中太陽光で温まった水を流す方法.これが一番汎用性が高いと思われます.しかしここでは田んぼと沼の間に道路があり,それも実施できませんでした.
 そこで,電気やガスのいらない薪の力を借りることに.お湯の中にいれたパイプに水を流し,池に注ぎました.軽トラにタンクを載せて重力排水したので動力も不要です.
 300Lを三時間かけて流しました.温水の温度はMAX70℃.薪パワーが下がっているときは30℃程度でした.温水区と対照区,それぞれ4メートルの区間,岸からタモ網で20回掬ってみました.その結果,温水区150尾,対照区30尾ほどでした.改良の余地はありますが,なかなかいいんではないでしょうか.ちょっと笑顔になりました^^




■池干し2014■ 2014.11.23

 たにぐみビオトープの池干しをしてきました.
 二枚貝貝が何百,何千といたこの池も,ヌートリアの食害で今や風前の灯火.自然の流れとはいえ寂しいものがあります.かつて丸二日間かかった池干し調査も,実質半日で終了しました.
 保全池も利用・管理していかなければ存続できません.いや,人間の思った形では存続できないというべきですね.
 遷移を止めて維持するということは,ある意味自然に逆らうことなんでしょうか.2次的自然のむつかしさです.
 


■岐阜農林高校 SSH 出前講義■ 2014.11.21

 岐阜農林高校へSSHの講義に行ってきました.今回は1年生が対象ということもあり,水田生態系について一般的なことから始めました.
 水田にはたくさんの生物がすんでいること,それらは農業の存続によって守られること,そのためにはお米をたくさん食べましょう!といった流れです.
 あ,マニアックなところでは二枚貝の話もしてきました.楽しんでもらえたかな???


■ニホンジカ■ 2014.11.16

 14日に猟が解禁になったばかりの日曜日.師匠Mさん先導で罠の見回りに行ってきました.残念ながらくくり罠にはかかっていませんでしたが,箱わなにオス鹿が入っていました, 止め差し解体後,みんなで肉を分け合って解散. 
 猟をとおしていろんなことを感じます.それについてはまた少しづつ・・・


■サイエンスカフェ 和田さん■ 2014.11.15

 名古屋で定期的に行われているサイエンスカフェに行ってきた.大阪の南港ウェットランドグループ理事をやっておられる和田太一さんの講演です.以前からカワザンショウガイの調査などでご一緒させていただいていたのですが,今回は全国のいろんな干潟の紹介から始まり,不思議な生き物の話を楽しく語っていただけました,
 さて,来月のサイエンスカフェの担当は私です.和田さんの講演のあと,私のカフェでファシリテーターをやっていただくサイエンスコミュニケーターの長澤さんと打ち合わせを行いました.サイエンスコミュニケーターとは,一般の方々に科学の知識をいかに分かりやすく伝えていくかというスキルを備えた人々だそうです.私も知らなかったのですが,長澤さんのお話を聞いていると,自分もなりたいという気になりました.毎年夏と秋にある講義実習を受けなければなりませんが,興味のある人はぜひ調べてみてください.
 

■全教実習 in 村山川■ 2014.11.10

 1年生の実習で大学横の村山川へ.位山の源流部と比較して,みんながどのように感じるかを観察.渓流の清々しさに比べ,ドロドロしていて汚く感じるかもしれませんが,それは人間の目から見た問題.実際にはそのような環境を好む多くの生き物が生息しています.
 毎年何度か村山川では実習を行っています.ツチフキやウキゴリといったこの付近ではあまり見なくなってしまった魚も多く生息しています.多自然型工法で中州や植生帯が存在していることもいい方向に効いているのでしょうか.身近な場所にこういうところがあるのはいいものです.
 でも,この場所には近い将来インターチェンジができます.イオンが来るという噂も・・・開発にともない,水源となる水田も姿を消していくでしょう.10年後,どうなっているのでしょうか.
 受講生は応用生物科学部以外の学生ばかりです.他学部ではあまりこういう実習はないそうなのでいい経験にしてほしいと思います.
 


■モクズガニ漁■ 2014.11.08

 いつも環境楽章でお世話になっている人からの誘いでモクズガニ漁に連れて行ってもらった,夕刻,船に乗ってカゴ網回収.カゴ網は全部で20個,エサは釣堀から手に入れたフナのブツ切り,なんでもカニとエサ用の鮒を交換するそうな.
 モクズガニ漁は専用の漁業権があり,それは終身制で他人に譲渡できないそうです.期間は10月から12月.年の瀬になれば内子も大きくなり美味しくなりますが,寒さで動きが鈍くなるのであまり採れなくなってしまうそうです,
 揖斐川の川底はきれいな砂地でした,長良川は汚いのでカニも美味しくないんだとか.悲しいですね.モクズガニは産卵のため海におります.そしてまた遡上してきます.海と川のつながりを感じることができる貴重な生き物です.
 本日の結果は100杯ほど.他にも天然ウナギとナマズをいただきました.ありがとうございました.これらは近所のMさん家にもち込んで,Mさんの狩ったシカ,シシとともにいただきました.山と川の恵みです.感謝です.
 
 漁師のおじいさんの言葉です.「カニにはカニの道がある」.
 



■水田土壌調査 in 津■ 2014.11.07

 飼料米・・・補助金体系の変革(その是非は別問題ですが)により,ムギ,ダイズの転作作物にとって代わる勢いです.しかし,その普及にはいくつか問題があります.それらはまた別の機会に触れるとして,今回は土壌調査に行ってまいりました.実際,飼料米と主食米で土壌に及ぼす影響に違いはないだろうと思うのですが,要チェックということで.
 地面に穴掘って,100ccサンプラーを打ち込んで不攪乱土を採取します.畑地とは違って田んぼは堅いのでやりがいがあります.こうやって土壌断面を見ると,耕盤層,グライ土,稲の根群域などがよく分かって面白いです.やっぱり現場はいいですね.
 


■関市生物モニタリング調査■ 2014.11.06

 宮古から帰還した翌日,関へ.この辺りは東海環状線の影響で開発が進んでいる.
 春の調査と比較すると,当然のことながら鳥類に変化がみられた.今回出会えたのは,ホオジロ,クサシギ,アオジ,エナガ,シジュウカラ,ヤマガラ,ウグイス,アオゲラ,アオバト,トビ,ヒヨドリ,カケス,メジロ,ノスリ,モズ,ジョウビタキ,ベニマシコの17種.アオバトの声が印象に残りました.
 水棲生物は,ホトケドジョウ,マドジョウ,ヨシノボリ類(以前だったらトウヨシといっていた個体です),センブリ,タイリククロスジヘビトンボ(在来だよ),コバントビケラ(写真下),カワニナ,マツカサガイ,サワガニ,ニホンアマガエル,タゴガエル(声のみ),セスジイトトンボ(幼生)などなど.
 いい天気に恵まれて順調に調査は終了しました.心残りといえば,ぬた場(写真中)はあれどトラップカメラにその姿は写らず.陸生貝類もほとんど姿を見せず・・・生き物相手はムツカシイ・・・
 



■宮古島■ 2014.11.02-05

 今年二回目の宮古島.さすがに11月.南国といえど寒かったです.
 サトウキビは米より儲かるといいましたが,収穫まで1年半はかかるので,そんなにいいものではないようでした.なんとか葉っぱを回収して宮古牛の飼料にして,その糞尿を堆肥にして畑に戻せないかな.循環型の農業,特にこのような離島では大切ですね.ただ,飼料稲同様,これまで畑に漉き込まれていたものを持ち出すというのは,たとえ堆肥を返すとしても何かしらの変化を伴います.それがどのようなものなのか,当然農家は不安に思います.
 夜は友人のやっているいつものBARへ.BARのマスター同様,7年前に宮古で出会った友人たちと久々の再開.みんなそれぞれの道で勝負してる.自分も頑張らなきゃと刺激になりました.
 今回は足首だけ海につかりました.あー,せっかくの宮古なのにもったいない^^;
 


■カワシンジュガイ殻長調査■ 2014.10.30

 飛騨地方某所にてカワシンジュガイの殻長調査.300個体サンプリングしたと思いきや,299個体でした・・・
 最大サイズは148mm.何歳なんだろう?
 最少は4mm.砂粒一個一個チェックした結果,4,5,6,7,8mmサイズが見つかったのですが,これらは同一コホートで成長に個体差があるのでしょうか?それとも異なる年代なのでしょうか?これまでの調査から,1年目で2〜3mm,2年目で7〜8mmだろうと考えていたのですが・・・再び悩む.
 殻長のヒストグラムとったところ,60-70mmの個体が顕著に少ない.年齢としては11〜14歳くらいかな.その時代,何が起こったのでしょうか?想像は膨らむばかりです.調査に同行してくれたKさん,Mさん,Mくん,Tくんお疲れ様でした.
 ところで・・・カワシンジュガイを畜養しているザルに細かな粘土が詰まっていました.御岳山の火山灰でしょうか?雨天時に皮が濁ったそうです.尊い命が犠牲になったこととは比較になりませんが,来年の雪解け時の濁水が心配です.



■トラップカメラチェック■ 2014.10.28

 関市からうけている生物モニタリング調査業務.そのなかでトラップカメラによる動物調査を行っている.イノシシの蒐場やシカの足跡の多いところにカメラを設置してはいるのですが・・・・今回も写ってはいませんでした.場所を移すか・・・このまま粘るか思案中.


■演習林実習■ 2014.10.25-26

 一年生とともに位山実習へ.「森と川の不思議」というタイトルなのですが,演習林にて森と川を体験してもらうプログラムです.
 森,川,海は繋がっています.普段は水田と水路という繋がりに携わっていますが,今回は森林と渓流.渓流の生態系ピラミッドは,その底辺を支える無機的要素(光,温度,水,栄養塩類など)は豊かな森によって支えられていることを学んでもらいました.紅葉の美しい森を歩きながら,渓流と森の連続性を感じてもらえたと思います.
 夜は皆でピザを焼いて食べました.薪釜です.昔の人は燃料の供給源として薪炭林を維持してきました.しかしエネルギー革命により,薪炭の需要が無くなるとともに,屋敷裏に合ったいわゆる雑木林は放棄され,暗い森になっていきました.野生動物と人間の間にあったバッファが無くなり,獣害など様々な影響が出てきています.途中立ち寄った製材所での話や薪割り,薪釜の利用をとおして,二次的自然の管理がいかに重要かということを感じてもらえたかな?
 2日目は渓流で生き物観察会.時期が遅いので,アズマヒキガエルには出会えませんでしたが,ハコネサンショウウオ,ナガレタゴガエルなどを発見.両生類をとおして森と渓流の連続性(エネルギー循環,物理的なつながり)の大切さを理解してほしいと思います.
 最後の写真はナナフシの仲間.過去最高レベルの擬態を見せてもらいました.





■新歓■ 2014.10.23

 今日は東京出張.農林省の用排水諸元調査委員会.時々利用する新橋の航空会館の貸会議室.エレベーターに乗るたびに,各フロアを訪ねたくなります.日本航空協会,日本グライダークラブ,日本滑空協会,航空図書館,極めつけは9Fにある航空神社・・・行ってみたい・・・ いつもそう願いつつ,とんぼ返り.本日も研究室の新歓コンパが岐阜駅前で開催中.1時間遅れで参加してきました.
 ありがたいことに今年も上限枠いっぱい3名の学生が分属してくれました.S先生のほうにも3名分属.にぎやかになりそうです.

■淡水貝類研究会■ 2014.10.18

 毎年一番楽しみにしている発表会.山の上にある大阪教育大学に行ってまいりました.なんといういい天気!心も晴れやかであります.
 昨年発表した研究が,今年から科研テーマとなりました.それに関連する話題として,M1のKさんと卒業生のKさんが発表しました.(なんかうちの研究室ってKさんが多いような気がする・・・)
 今回も多くのアドバイスをいただくことができました.貝やってる人に悪い人はいませんね.はい.



■生き物観察会 in 谷汲■ 2014.10.11

 わが地元谷汲に四ツ谷沼という場所があります.ここには大きな親水空間があり,地元の有志で管理していただいています.そこを南北に貫く管瀬川では,これまで30種もの魚類をはじめ,多くの生物の生息を確認することができました.周辺の市町村と比較して外来種も少ない素晴らしい環境でした.

 ところが,2年ほど前から,四ツ谷沼周辺でウシガエル,オオクチバス,カダヤシを見かけるようになりました.特にカダヤシは1年半前に初めて確認されたのですが,今やメダカよりも多くなりつつあります.非常に心配な状況です.
 このように,環境保全のために設けられた公園やビオトープが外来種の拡散拠点になることは他の地域でも見てきました.飼いきれなくなった外来種(おそらく外来種の意識はないのでしょう)を,あそこなら守ってくれるから,水辺に近づきやすくて逃がしやすいから・・といった理由で放流してしまうのでしょう.

 今回,カダヤシを駆除するにあたって,まずは住民の方にカダヤシとメダカの違いについて知っていただくことから始めました.みんなで魚を捕まえて,どのような魚がいるのかをみました.その後,カダヤシとメダカの説明です.はじめは違いが分からなかったですが,最後はちゃんと認識していただけたと思います.

 さて,問題の駆除のほうですが・・・作戦を練っております.今年の冬に実施します.さてその結果は・・・11,12月に改めてご報告します.
 あ,写真は四ツ谷沼のヒシです.ヒシの実は湯がくとユリ根のようにホックりしておいしいですよ.この形,何に見えます?ヨーダ?僕にはジオングに見えます・・・
 ここまで繁茂すると水中に光が届かなくなり,酸素不足になって水生生物にはよくありません.ちゃんと間引かないと・・・植生管理はほんとに大変です.導入はくれぐれも慎重に!








■北海道2014秋 二回目■ 2014.10.07-10

 この秋2回目の北海道調査.前回から10日ほどしかたっていませんが,すっかり秋が深まっていました.
 途中,オンネトーに立ち寄りましたが,紅葉がきれいでした.みんなが彩豊かな山を見ている中,カワゲラ女ことKさんだけは水中を泳ぎ回る小さな甲虫に夢中でした.いやいや,素晴らしいことです!

 道東にあるいつもの川に行きました.道東の河川は一見きれいに見えるのですが,EC値は0.2〜0.3mS/cmほどあり,富栄養化まではいきませんが結構高い値です.周辺を見渡せば広大な牧場ばかり.タンチョウものんびり佇んでのどかな光景です.衛星写真を見ると,川そばにわずかながら森林帯が残っていますが,その周りはすぐ牧場になっていることがよくわかります.
 牧草地では,肥培灌漑といって家畜の糞尿を肥料として散布します.そのため,多くのNPKが河川に流入します.今のところ生物相への大きな影響は感じませんが,安定同位体比で見ると,同じ生物でも牧場のある河川とそうでない河川ではその値は大きく異なります.きっと目に見えない部分で変化はあるんでしょうね.
 糞尿処理のコスト,牧場の経営状況を考えると,簡単には規制出来ないとは思いますが,このような状況にあるという事実は伝えていかないとだめですね.
 
 そういや,今回の調査期間中に皆既月食がありました.尾岱沼で見ることができました.まあ,獣たちがざわめくといったことはありませんでしたが,なかなか神秘的でした.

 流況調査のため,水位計や定点化,鰓を設置しましたが・・・厳しい冬を乗り越えて無事来年データ回収できるでしょうか.ちょっと不安です.

 Kさん,Kさん,Hさん,調査お疲れ様でした.






■全学共通講義■ 2014.10.06

 I先生と一緒にやっている1年生の講義.森林と河川の関係について学んでもらおうというプログラムです.
 この講義の特徴は,1泊2日の演習林実習があること.あはり現場を見てもらうのは大切です.
 初日の内容は,ガイダンスと自己紹介.いろんな学部から参加してくれているのでお互い知らない者同士.なのでアイスブレイクを行ってうちとけるようにしています.みんな楽しそうに会話が弾んでいました.
 こんなところにもガタレンジャーのスキルが役立っています.




■輪之内ふれあいフェスタ■ 2014.10.04-05

 西濃地方最大のローカル祭り?,輪之内町ふれあいフェスタ.わが研究室も例年ブースを出展させてもらってます.何年目だろう?7,8年?もっとかも.
 ブースの趣旨は,輪之内町にいる水生生物の豊かさ,外来種の脅威を知っていただき,その価値観を高めていくことです.そのシンボルとして町の魚でるカワバタモロコがおり,ゆるキャラであるカワバタ君とモロコちゃんがいます.
 今年の展示物(いつも朝から現地採捕をするので何が展示できるかわからないドキドキ感があります)は,カワバタモロコ,デメモロコ,コウライモロコ,ミナミメダカ,ギンブナ,ゲンゴロウブナ,ニゴイ,オイカワ,モツゴ,タモロコ,ドジョウ,ミズカマキリ,オオコオイムシ,ヒメタニシ,スクミリンゴガイ,ヒメガムシなどです.さらに,いつもお世話になっている西濃水産の方からの差し入れで,ニホンウナギ,モクズガニ,スッポンなどのレアな生き物も加わりました.以前はアユカケなども展示したことがあるのですが,やはりプロの網はすごいです.
 例年のごとく,たくさんの出店でにぎわいました.いろんな方に差し入れをしていただきました.ありがとうございました. いつも調査させていただいている立場なのですが,こうして様々なご厚意をいただけるのは本当に幸せなことです.地元と良い関係を築くことは生物保全において最も重要なことだと痛感します.そのためには何年にもわたり,じっくりと腰を据えた取り組みが必要です.それは行政にも言えることです.環境保全に携わりたいという学生が多くいますが,もし公務員を目指すのであれば国や県といった転勤のある組織ではなく,市町村レベルで取り組むことも考えてみてはいいのではないしょうか.
 手伝ってくれたKさん,Kさん,Sくん,Mさんありがとうございました.







■北海道 2014秋 1回目■ 2014.09.24-29

 ワークショップ終了翌日からは北海道.
 能取湖の珊瑚草(アッケシソウ)が色づいていました.数年前,草勢が衰えたため,還元状態改善のために重機で撹拌されていました.その時はものすごいヘドロ臭がしていたのを覚えています.その後毎年見ていましたが,なかなか復活しなかったためにもうダメかなと思っていたのですが...今年になって見事な景観を見せてくれました.関係者の皆様,ご苦労様でした.
 この季節,道内のあちこちの河川でシロザケとカラフトマスの遡上がみられます.激しいチェイスにより,産卵前に息絶えた巨大なサケが河原に打ち上げられます.それを鳥やキツネが漁っていました.
 標津サーモンパークでは,ちょうど秋味まつりがおこなわれていました.サケの肝焼き(心臓です)は絶品でした.そのほか,生き物展示も行われていました.いつもは田んぼの生き物展示をするほうなのですが,今回は見物客として楽しめました.展示されていたのは,エゾアカガエル,フクドジョウ,アメマス,アマメなど北海道ならではのものでした.あと衝撃的だったのは,バケツに入ったニホンザリガニが子供にいじられてたことでし^^;
 以前にもこのブログで書いたと思うのですが,ニホンザリガニはこちらでのゲンジボタル的な扱いだそうです.環境のシンボルとして大切にされているのはいいのですが,本来の分布域を無視した放流が問題になっています.
 いつもは田んぼと川のこと考えているのですが,北海道の道東に来て強く思うのは牧場と川のつながりです.同じ農業ではあるんですがいろいろ違いがあって面白いです.





■生き物観察会 グランドワーク輪之内■ 2014.09.23

 これまた恒例となったグランドワークでの生き物観察会andワークショップです.今回出会えた生き物は,カワバタモロコ,コウライモロコ,ミナミメダカ,モツゴ,タイリクバラタナゴ,タモロコ,オイカワ,フナ類,コイ,ドジョウなどなど.で,今回の目玉は・・・超巨大チスイビル!伸びたらかるく10cm越えの巨大さ!水路をぐいぐい泳いでいました^^;
 漁協の方による投網実演もありました.いつみても華麗な網さばきです.
 生き物観察会の後は,名物の懸崖菊を使った花筏をみんなで作って川に浮かべました.多くの人に水に対する興味を思ってほしいものです.
 最後に小中学生対象のワークショップ.小学生相手はほんとにむつかしいです.今回は農業と生態系というテーマで臨みました.少し難しいくらいが飽きなくていいのですが・・・少し難しすぎたかな.毎度毎度反省してばかり.成長しなければ・・・
 手伝ってくれたA君,Kさん,Kさん,Hさん,T君ありがとうございました.




■淀川イシガイ調査■ 2014.09.15

 貝仲間?の調査フィールドである淀川のとあるワンド.調査に参加させていただきました.今回で2回になります.
 ここは主にイシガイの生息域です.淀川といえばばっちいイメージがありましたが,底砂はとてもきれいで驚かされます.まあ,ごみは多いですが・・・
 たくさんのイシガイとドブガイ類に出会えました.これが冬になると深いところへ移動するそうなんです.冬季にウェット着込んでぜひ潜りに来たいですね.
 そういえば,貝の中に住んでいるカイビル君が殻の外に引っ付いていました.産卵するのでしょうか???



■夏季フィールド実習■ 2014.09.05-08

 今年もやってまいりました.位山演習林,3年生の夏季フィールド実習.相変わらず清々しい山之口川.心が洗われます.
 今年はカジカに絞って遺伝子を見ました.すると堰堤の上下で違うような兆候が・・・面白いですね.相当移動しない魚なのでしょうか?もちろん,実習での結果なのでちゃんと検討しなおす必要はありますが,興味深い結果となりました.
 夜は卒業生のN部君差し入れのアユを焼いてみんなでいただきました.これは長良川産かな?下呂もも鮎で有名ですが,山之口川−飛騨川−木曽川は海とは隔絶しているので残念ながら100%放流個体です.
 けが人もなく無事終了しました.あ,そういえばタゴガエルの幼体に出会えました.石垣の奥でいつも鳴いているのは聞いているのですが,彼らはなかなか姿を見せてくれません.人生二度目の貴重な出会いでした.



■農業農村工学会 in 新潟■ 2014.08.26-29

 学会に行ってきました.今回は発表無し.ダメですね.がんばって発表続けないと.反省です.
 4年生で岐阜まで見学に来てくれた学生の発表を聞きました.もうM2で来春卒業だそうです.テーマを受け継いでくれる後輩がいないのが悩みだそうで・・・どこでもいっしょですね.
 自然,生物,環境を相手にしてますが,やはり人間との共存,農業,二次的自然ということを意識してやっていきたい,その思いがこの学会をベースにしている理由です.
 夜はいつもお世話になってるコンサルの方と居酒屋へ.やはり新潟の酒は旨いですね^^






■宮古島出張■ 2014.08.14-16

 お盆の真っただ中,農水の委員会で宮古島に.みんなはうらやましがるけれど・・・宮古まで行って海で遊べないのは拷問です.
 宮古島の農業はサトウキビが主力.それにマンゴーなどのハウス栽培や牧草ががちらほら.サトウキビは反収で行くと米の数倍の収入が・・・ただし宮古は経営規模が小さい(1戸当たり1.8ha)ので厳しいそうです.けれど経営規模拡大→機械化・省力化→コスト増大,この流れは稲作農業の行き詰まりを追随しそうで怖いです.
 サトウキビの葉っぱにも糖質がたっぷりあるので,それを宮古牛の餌にして,堆肥を畑に還元して・・このようなサイクルができるといいねと農家の方と話してました.ネックは葉っぱの回収方法ですね.
 国営,県営に限らずほ場整備というのには農家の負担,いわゆる受益者負担というものが付いてまわります.しかし,沖縄は農家負担ゼロなんですね.こちらでは考えられませんが,基地問題等々とのバーターで行われている沖縄振興策の一環なのでしょうか.
 伊良部島への橋ももつながりました.来春開通らしいです.夜の懇親会の後,友人のやってるBARにいって旧交を温めてきました.バタバタと慌ただしい宮古島でした.


■田んぼの学校 in 海松新田■ 2014.08.03

 曇天.まあ,熱中症にならないのでこの方が良いかな・・・・そんな空模様の下,田んぼの学校.出会えたのは・・・モツゴ,タモロコ,タイリクバラタナゴ,オイカワ,フナ類,コイ,ニゴイ,コウライモロコ,ニホンアマガエル(卵塊も発見),ヌマガエル,そして数年ぶりのダルマガエル!,フネドブガイ,カルガモ?らしき卵,ヌートリア!
 そう,小学生達がヌートリアをタモで捕獲しました.役場の檻を借りて,みんなでしばしヌートリア観察.かわいいの声もありましたが,その後役場の人に処分されました.外来種問題を説明するのには好都合でしたが,やはり子供相手に命の問題を語るのは難しいですね.『悪いのは人間じゃん』・・・そのとおりです.
 お昼はみんなで3世代交流BBQ.がんばれ農村!
 ごちそうさまでした.





■事業評価モニタリング■ 2014.08.02

 行政の事業は,その成果を数年後に再評価することになっています.生態系配慮施設の多くは,行政の協力のもと造成されており,そのため数年後の追跡モニタリングが行われます.これらのフィードバックは大変重要です.
 土曜日,水生生物調査行ってまいりました.この地区は,なかなか立派な水路で水生生物の楽園になるのでは,と多くの人が期待していました.が,出来て数年間は良かったものの,その後は燦々たる有様.正直何が悪いのかわからないのですが・・・強いて言えば底泥が細かく濁りが強いということでしょうか.なんとか再生させたいです.
 で,魚は少なかったのですが,いましたよコレが!フネドブ君でしょうか?ヌマガイに見えなくもないのですが・・・冬にグロギディウムを採取して確認したいですね.それまで生きていてね!





■生物識別実習 in 夜叉が池■ 2014.07.29

 好天の下,識別実習の合同プログラムで夜叉が池に行ってまいりました.今年はマイマイガの影響か,傷んだ木々が目につきました.
 道中出会えたのは,アズマヒキガエル,ナガレヒキガエル(幼生も含む),ヤマアカガエル,モリアオガエル(幼生と卵塊),アカハライモリ,ヒダサンショウウオ,サワガニ,そして主役のヤシャゲンゴロウなど.あと印象深かったのは,タマゴダケ,モウセンゴケです.
 植物の先生もおられたので,いろんな話が聞けて面白かったです.植物の識別実習を受けてみたくなりました.
 池からさらに上も目指し,3年生14人と一緒にオプショナルツアー(?)に出かけました.結構高度感があって怖がった学生もいましたが,みんな楽しんでくれたようです.
 さすが3年生は若いだけあって元気でしたが,まだまだいけると自信を深めた山登りでした.




■ガタレンジャーJr. 夏の干潟体験講座■ 2014.07.27

 日曜日は干潟で講習会.テーマは『干潟はきれいな美術館』.いろんな模様,形で気になったものをデジカメで撮ってみんなで見ようという企画.顕微鏡やルーペで拡大するのもOKとしました.
 参加者は26名.結果として,子供たちはアートよりも生き物好きであると身にしみて感じました.FA100でカニやヒモハゼに麻酔をかけて顕微鏡で観察したり,ミズクラゲで遊んだり.まあ,みんな楽しんでくれたのではないでしょうか.
 今年は名古屋でESD大会が開催されます.この子たちが大きくなる将来は今より明るいのもであってほしいです.





■飼料米に関するヒヤリング■ 2014.07.25

 午前中,SSH実習を終えてヘナヘナになりましたが,午後からは愛知県にある今善トラクタさんでのヒヤリングに向かいました.飼料米の行く末はいかにということでこれからたくさんの話を聞きに行きたいと思います.
 一つ印象深かった話として,部分委託と全委託について触れてみたいと思います.今善トラクタのように,社員を数名抱えた営農組合や生産法人は,個人農家から委託を受けて営農を行っています(もちろん,自前の農地を持っている場合もありますが・・・).シロカキのみとか,稲刈りのみといった一部の作業を依頼されるのを部分委託,土地を借り受けてすべてオペレーターが作業するのを全委託と言います.私自身,全委託のほうが組合側としても計画を立ててやり易いと思っていたのですが,じつは部分委託の方が収入が上で,かつ作業ごとに収入が生じるメリットを強調されていました.そのため,全委託になるとやっていけない生産法人も多いだろうということでした.でもこれって,作業代金であって農作物の対価ではないんですよね.だから農業といえるのかどうか・・・農業の大規模経営にも問題は山積のようです.





             モミロマン

■岐阜農林高校SSH実習in谷汲■ 2014.07.25

 暑い.揖斐川町の気温は38.3℃.そんな酷暑の中,岐阜農林高校の2,3年生と教員あわせて18名が谷汲に来てくれました.今回の実習の目的は,水田生態系の豊かさを直に感じてもらうこと.みんな,慣れないながらもサデ網やタモ網を駆使しながら頑張ってくれました.
 出会えた生物は・・・オイカワ,ヌマムツ,アブラハヤ,カマツカ,ギンブナ,タイリクバラタナゴ,モツゴ,タモロコなどのいつもの面々.それに加えて,また出てしまいました,オオクチバス2匹.かなりいるのかな.池干ししないといけませんね.
 後半は貝のお話.標本見せながらの説明でしたが,大学生よりは喰い付きが良かったかな?
 それにしても暑かったです.皆様ご苦労さまでした.






■きれいな水は誰がため?■ 2014.07.24

 輪之内町の地域協働水質改善協議会(第8回)に行ってきました.農業用水の余剰分を水路および河川に流して水質を改善しようという試み.本来,環境用水として水利権が得られればいいのですが,毎度ながらお上は渋い.
 昨年度から行っている試みで,確かに河川の透視度は高くなっている.が,それは輪之内在来のカワバタモロコやミナミメダカにとっては異質な環境であり,その分布域や繁殖状況がおかしくなってしまった.
 いつも悩ましいのであるが,人間にとっていい環境と生物にとっていい環境は異なる.生物保護の観点で問題があるからと言って,人間が親しみや価値観を感じる環境の重要性を無視することはできない.時期的,空間的に保全できるようないわゆる棲み分けを考えないといけませんね.






■水生生物識別実習in谷汲■ 2014.07.22

 梅雨明け翌日の炎天下,谷汲ビオトープ水田で水生生物識別実習を行いました.山門下に集合の後,緑が渕に上ってため池環境についてレクチャーしました.ヤマビルにビビりながら,ツチガエル,アズマヒキガエル,モリアオガエル(変態中),オオタニシ,ヒメモノアラガイ,ハイイロゲンゴロウ,クロゲンゴロウ,スジエビ,サワガニ等を確認.ここも改修されるので今後が不安です.
 参道を下ってビオトープ水田へ.畦畔にはカルガモと思われる放棄卵が有りました.昼食後,魚班と貝・カエル班の2手に分かれて実習開始.いつものオイカワ,ヌマムツ,ギンブナ,ゼゼラ,ミナミメダカ,アブラハヤ,タモロコ,モツゴ,カワヨシノボリ,タイリクバラタナゴ,ドジョウなどがいました.が,ビオトープにたずさわって十数年,今回初めてBT内でバスが確認されちゃいました(泣).カエル組はニホンアマ,トノ,ダル,ヌマの4種,貝組はひたすら貝の説明をしました.
 それにしても暑かった.今回は私の調子がイマイチで,実習も中途半端になってしまった気がします.すみませんでした.みなさんも体調にはくれぐれも注意しましょう.






■田んぼの学校 in 福束新田■ 2014.07.20

 世間はいよいよ夏休み.これから毎週末,生き物観察会や田んぼの学校が続きます.
 7/20は輪之内町の福束新田に行ってまいりました.子供と保護者合わせて40人ほどいたでしょうか.暑い中,みんな張り切って魚を採ってくれました.今年の結果は・・・・カワバタモロコ,ミナミメダカ,デメモロコ,フナ類,コイ,ツチフキ,モツゴ,ニゴイ,タイリクバラタナゴ,オイカワ,ナマズ,タモロコ,オオクチバス等が採れました.残念ながら,2年連続バスがでました.タイバラがいたのでゴソゴソと泥の中に手を突っ込むと・・・ヌマガイもいました.そのほかサカマキガイ,ヒメタニシ,スクミリンゴガイ,アメリカザリガニも.
 みんなで観察した後は,恒例のそうめん流し&ボイルザリガニ.今年もおいしく頂きました.




■水田有効利用分科会■ 2014.07.15-16

 米余りによる減反政策がはじまって40数年.ようやく政策転換も始まりましたが,依然として転作(ムギ,ダイズ)や耕作放棄地が多く目につきます.実際,水田で水を張っている場所は6割程度しかありません.
 そのような環境では,当然のことながら水田地帯に生息する水生生物は大きな打撃を受けてしまいます.そこで水稲は水稲でも人間の食べない水稲である飼料米や加工米を栽培しようというわけです.これら非食用米は減反扱いになるうえに,主食用米と同じ機械,栽培方法で作れるため,農家の負担も小さいのが利点です.今回,本省や各地各農政局から様々な方に来ていただき,三重に視察に行ってきました.
 飼料米作付地区と,水稲・ムギ・ダイズローテーション地区を歩きまわると,トンボやカエルの生息数が明らかに違うような気がします.是非,定量評価をしてみたいと思います.




■イタセンパラ域外保全検討会■ 2014.07.10

 台風迫り,水防団の出動命令におびえるなか,名古屋で行われた環境省の委員会に行ってきました.天然記念物であるイタセンパラをどうやって保存していくのか?についていろんな人たちと議論してきました.慣れない域外保全の話だったのですが,いろいろと興味深い話が聞けて楽しかったです.
 二枚貝にたずさわっていると,どうしてもタナゴは敵視してしまうのですが,どうやらイタセンは貝に与えるインパクトが絶大な様で,被産卵母貝の生残率は著しく低いようです.野生化では,被産卵率は数%程度だけど,飼育下では数十%にも達し,貝1個当たりの被産卵数も数十卵とこれまた多くなるようです.その影響もあり,貝の死亡率が高くなる傾向があると報告されました.
 まあ,野生のイタセンが生息する環境では貝が何千何万といるんでしょうが,飼育環境では多くても100,200程度ですもんね.
 やはりネックは二枚貝だということですね!





         Rkondo taibaraくん

■カワシンジュガイ談義■ 2014.07.05-07

 梅雨空の下,カワシンジュガイの調査フィールドに日本を代表する研究者の方々にお集まりいただき,カワシンジュガイ談義を楽しみました.
 カワシンジュガイは幼生期にアマゴやヤマメに寄生します.なので,それら宿主魚がいないと生息できません.カワシンジュガイ保全には魚類の保全を含め,安定した河床に欠かせない豊かな森林など,生態系全体を捉える必要があります.
 飛騨地方には昔は沢山いたようなのですが,今や風前のともしび.久々野の保護区も見学させていただきましたが,かなりピンチでした.一方で,水路でちょくちょく見かけると言うお話も聞いたので,どこかに個体群がいるんだろうと思います.でもどこかが分からない・・・
 写真の魚はヤマイワというヤマメとイワナの交雑個体.カワシンジュガイはヤマメに,コガタカワシンジュガイはイワナに寄生するのですが,ヤマイワにはどっちが寄生するのか,両方無理なのか可能なのか・・・・想像は膨らみますが,結果,カワシンジュガイは寄生できないみたいです.
 いろいろやりたい実験や調査が頭の中で湧いてきます.幸せなことです.





■農業クラブ 岐阜県大会 in 大垣養老高校■ 2014.07.03

 農業クラブの意見発表会,プロジェクト発表会の審査員として大垣養老高校に行ってまいりました.なかには高校生とは思えない高いレベルでの活動報告もありました.こんな激戦の中,全国2連覇した当研究室の卒業生リーダーKはすごい奴だったんだなと今更ですが思いました.
 印象として強く残ったのは,商品開発を行っていく上でアンケートやマーケティングをしっかりやって,実際に販売に至っている点です.これは大人顔負けだなと.しかし,一方で,そのような調査データを重視するあまり,自分たちの作りたいものが見えてきません.高校生らしく,自分たちが良いと思うものを突き詰めて作り,それが売れなかったら消費者のせいにするくらいの迫力を見せつけて欲しいと思いました.




■水生生物識別実習 in 柳戸■ 2014.07.01

 空梅雨の晴天の下,水生生物識別実習が行われました.今回は大学周辺.強い日差しに参りながらもみんな頑張っていました.
 今回の獲物は・・・タモロコ,コウライモロコ,スゴモロコ,コイ,フナ類,ゼゼラ,ツチフキ,オイカワ,ヌマムツ,ミナミメダカ,カダヤシ,ヨシノボリ類,ウキゴリ,タイリクバラタナゴ,カムルチー(目視),コガムシ,ナミアメンボ,トノサマガエル,ヌマガエル,シジミ類などなど.いいサイズの食材カムルチーを逃したのは残念でしたが,まずまずの成果ではないでしょうか.
 夕方にかけては顕微鏡を使って講義しました.同定ポイント,少しはわかってくれたかな?




■某市生物調査■ 2014.06.27

 某自治体で計画されている工業団地の造成.事業の是非,造成時の保全方法含めて提言させてもらうという方針のもと,モニタリング調査を引き受けた.
 対象地にはこのような放棄された谷津田が.一部,草に覆われず水がたまっているほ場がありました.ドウヤラシロカキだけは行われているようです.作付しないのにシロカキは徒労・・・と思われるかもしれませんが,谷津田生態系保全には非常に有効な方法であると感じました.
 出会えた生き物は・・・ホトケドジョウ,ヨシノボリ類,シマアメンボ,ハネナシアメンボ,コオイムシ,ヤマアカガエル,トノサマガエル,サワガニ,カワニナ,マツカサガイ,カタハガイ,ゲンジボタル,オバボタル,ホタルガ,ニホンミツバチなどなど・・・・ただ,乾燥していたためか陸生貝類はほとんど確認出来ませんでした.また出直します.
 鳥類はA君が担当.あっというまにサシバ,ノスリ,キビタキなど十数種を確認しました.さすがです.
 ほかにもハキリバチの仕業らしき丸い葉っぱ,ギフチョウ幼虫の食痕つきのカンアオイ,それにヒバカリの赤ちゃん!いやいや,かわいかったです. はじめてのフィールドは楽しいですね.





■飼料米 in 三重■ 2014.06.26

 米余りにより,日本の水田の作付率は6割に過ぎない.そのため,水田地帯に生息する水生生物は,空間的にも時間的にも水域を失い,その影響は計り知れない.そこで,ムギ,ダイズ等の転作や休耕ではなく,飼料米(水稲作付にカウントされないので転作扱いになります)を作ることによって,水域を確保出来るのではないかと数年前から画策していました.昨年,補助金体系が変わり,行政も飼料米作付に本腰を入れてきました.カロリーベースの自給率を押さえつけている輸入飼料を国産にすれば,確かに自給率改善につながるとは思います.まあ,行政上の目的に生態系保全は入ってませんが・・・・結果オーライとしましょう.
 今後,飼料米の作付が広がった場合,販路の確保や灌漑用水の確保といったいくつかの問題が生じてきます.そのための調査を昨年から三重県で行っています.水生生物への影響も追いかけていきたいですね.
 お昼休み,三重県立博物館に立ち寄りました.が,まだ入っていません.噂ではすごく楽しいそうです.次回は是非入館してみたいと思います.




■標津サーモン科学館■ 2014.06.25

 北海道調査の拠点として,いつもお世話になっている標津サーモン科学館.今年の秋には4人もの3年生がインターンシップでお世話になる予定です.BLOGも楽しいので是非のぞいてみてください.ttp://www.shibetsu-salmon.org/ (頭にhをつけてください)


■院生が3年生に語る.環境コースポスターセッション!■ 2014.06.24

 本日は水生生物識別実習なのですが,わたくし,あいにく他業務で出来ません(なんという理不尽さでしょうか!).
 そこで,大学院生が三年生に自分たちの研究を紹介する会を企画いたしました.ポスター数は23!みなさん力作をそろえ,楽しそうに研究内容を説明していました.聞いている三年生も刺激を受けていたようです(残念ながらちょびっとしか見れませんでした).
 三年生の投票によって選ばれたポスター大賞は・・・なんとうちの虫女ことKタンでした! おめでとう!



■インドネシア出張■ 2014.06.16-23

 今年も行ってまいりましたインドネシア.ジャワ島中部,スラカンタ.旧称ソロシティ.そこにあるスラバスマルタ大学では,本研究室の卒業生でもあるコマリアさんが教員をしています.
 インドネシアは熱帯モンスーン気候.そのため,雨季と乾季があります.雨季に降った雨をためておけば,乾季にも使えます.しかし,ダムや水路といった大掛かりな施設はまだまだ整備されていません.そこで,各農家がそれぞれ小さな池を掘って水を確保しようという計画を練っています.そのためには,どのくらいの水が集まるのか,どのくらいのサイズの池を掘ればいいのか,どのように使えば効率がいいのか・・・など様々な疑問がわいてきます.今回は,パイロットポンドとして整備された5つの池を回ってきました.
 インドネシアの農村は,日本の懐かしい棚田景観が維持されています.まあ,畦畔木はバナナでしたが・・・.そこにブルーシートが敷かれたポンドがあります.大きさは25m×8m,深さは3m位でしょうか.なんと,手掘りです!アジアンパワーを思い知らされます.
 雨季にはものすごい雨が降るので,全てのポンドは満水になります.それをいかに効率よく使っていくかが重要です.インドネシアの農家に,この水を利用して何が作りたいかを聞くと,皆一様に米と言います.米が一番の世界.日本も昔はそうだったのでしょう.しかし,米は畑作と比較して使う水の量が半端ないです.そのため,水田にするとポンドの水はすぐに無くなってしまいます.なので畑作を勧めています.今回はタマネギの栽培に挑戦してくれていました.
 農業だけでなく,副業で漁業もやってみようという動きがあります.池を養魚場として使おうという試みです,実際にNilaという魚(右写真)が1000尾あまり放流されていました.しかし,そうなるとあまり水は使えなくなります.水質(特に水温と溶存酸素)も含め悩ましいところです.実際に放流されたNilaの一部は早々に死んでいました.一方,Lele(ナマズの仲間)は耐性が高いようです.放流魚のチョイスを含め,農業と漁業の共存を考えねばなりません.
 ポンドは乾季には貴重な水域となります.今回もたくさんの生物に会えました.トノサマガエルらしき奴や,どう見てもヌマガエルなのですが10cm近い巨大な奴がウロウロしてました.また,ナミゲンゴロウ(4cm以上あったのでおそらくそうだと思います)の大群が泳いでいました.野生のゲンゴロウ君は日本ではここ10年以上みたことが無かったので感激してしまいました.
 水田内に目を向けると,いましたいました.ここにもスクミリンゴガイ.水路ではカダヤシくんまでいました.まるで日本にいるみたいです.スクミリンゴガイは稲の食害があるのでインドネシアでも嫌われていましたが,カダヤシは特に意識されていませんでした.日本では特定外来ですが,もしメダカがいなければ,タイリクバラタナゴ程度の扱いだったかもしれません.日本に連れてこられたカダヤシは運が悪かったということでしょうか.
 なかなかハードな調査でしたが,無事終了しました.お世話になったスラバスマルタ大学のみなさん,ワルヨー区長ありがとうございました.







■あじさい祭り2014■ 2014.06.15

 毎年恒例,輪之内町本戸地区のあじさい祭り.今年も研究室でブース出しました.昨日はこれまた恒例となっている前夜祭を谷汲の旅館で開催.もう10年近く前に本戸地区の生物保全,集落の活性化に携わった人たちが,いまだに集って語り合います.いい人たちに巡り合えました.
 で,当日.朝から展示用の魚類等を捕獲しました.カワバタモロコ,ミナミメダカ,ヤリタナゴ,タイリクバラタナゴ,オイカワ,モツゴ,タモロコなどを展示しました.30cmものカラスガイの展示はインパクトがあったようで,あっちにおおきな貝がいるよという会話があちこちでされていました.
 それにしても今年のあじさい祭りは暑かったです.手伝ってくれた学生,それにOB,OGの方々ありがとうございました.また来年!
 わたくしめは明日から8日間の予定でインドネシア(ジャワ島中部)に行ってまいります.また来週!




■カワシンジュガイの一年生■ 2014.06.13

 引き続きカワシンジュガイですが,北海道から戻って岐阜での話.4月に見つけた6〜7ミリの稚貝は果たして何年ものなのか?それを確かめるべく,砂利の一粒一粒をピンセットでつまみながら,カワシンジュガイの稚貝を探してまいりました.
 その結果,見つけました!計5粒でしたが,確実にカワシンジュガイのちっちゃい奴.昨年夏に脱落した個体だと思われます.この結果,夏に脱落→一年で2mm→2年で7mmという予想がつきました.いやはや,このレベルですと砂粒と一緒です.目がチカチカします.
 写真は左からカワシンジュガイ,ドブ(マメ?)シジミ,モノアラガイ,カワニナの赤ちゃんたちです.あ,ドブシジミはおっちゃんかも?!





■北海道調査で出会った生き物■ 2014.06.02-07

 まずはシベリアヤツメ.小石に吸いつき,一生懸命動かして産卵床を作っていました.尾びれをたたきつけて穴を掘る姿はまるでサケのようでした.動画が面白いのに・・・アップするのめんどくさい.
 ザリガニが2種.ニホンザリガニとウチダザリガニです.ニホンザリガニは性成熟するまでに3年以上要するため,繁殖力が弱いです.昨年訪れた生息ポイントは,秋の出水で壊滅していました.今回確認した川は,実は40年前の小学校による放流だそうです.北海道におけるニホンザリガニは,本州におけるホタル同様,環境教育の材料として扱われている面が強く,本来の生息域外にかなり放流されているそうです.一方,ウチダザリガニは正真正銘の外来,しかも特定外来です.鋏の付け根の白紋がポイント.この2種は競合関係といわれていますが,北海道でも混生しているのは釧路湿原のごく一部と,クッチャロ湖の一部くらいだそうです.それ以外は例の放流によって生息域外に広げられたニホンザリガニと競合しているようです.なんか大げさに報道され過ぎのような気もします.
 貝の話もしなくては.これはドブガイ類,おそらくヌマガイでしょうか.公園の池に放流されたコイについてきたのかな?こんな寒いところで繁殖もしているようです.いや,移入種ですからしちゃっているというべきでしょうか.
 キラキラトンボ.翅がキラキラしていました.なんだろう?後で調べてみよう.
 他にもアメマス,サクラマス,オショロコマ,エゾウグイ,フクドジョウ,イトヨ,エゾトミヨなどと出会えました.





■カワシンジュガイ調査 in 道東 2回目■ 2014.06.02-07

 今年度,はやくも2回目の北海道調査.出発前,揖斐川町が日本で一番の高温を記録し,暑いのやだな・・はやく涼しい北海道に脱出!というわけで念願の道東へ.のはずが,北海道が日本で一番暑い一週間でした・・・
 6月上旬は藻琴山の芝桜も満開!圧倒的な景色を前に,「帰化植物〜!」と叫んできました.毛ガニ,トキシラズ,エゾバフンウニ,サクラマス・・・1年の中でも最高の季節です.
 しかし,目的は仕事.先月行ったポイントに再び出向きました.たった1ヶ月で景色も変わるもんです.まあ,前回は流氷浮かんでましたが今回は30℃オーバーですからね.新緑の中,マーキング貝を探してウロウロ.やっぱりなかなか見つかりません.ようやく1個発見.放流地点から150m位下流でしょうか.流されてますねえ・・・どのくらい流れるのか知りたくて,マーキング(MKさん指導による画期的方法)して並べてきました.この方法で上手くいくようなら,9月に本格的にやりたいです.
 いつもの2河川を調査したのですが,一方はグロギディウム幼生の放出は終わっていました.で,もう片方はというと・・・持ってました.幼生君.バケツに入れておくと写真のように白いものを吐きだしました.これがグロギディウム幼生です.顕微鏡で見てみると・・あれ,おかしい.白い奴は未受精卵なのでしょうが,黒い奴も透明な膜でおおわれており,動く気配なし.どうやらまだ未熟のようでした.受精率は6,7割かな.思ったほど高くなかったです.
 2河川の直線距離は約20キロ.水温もそう変わりません.ではなぜこんなに繁殖期が異なるのか?既に繁殖が終わっていた川は,最大でも殻長95mmしかサンプリングできなかったことを考えると・・・一方はコガタカワシンジュガイ,他方はカワシンジュガイが主となっているのかな???等と妄想が膨らみます.






■ゲンジボタル初飛翔■ 2014.05.31

 わが家の横の水路で10匹ほどのゲンジボタルが飛んでいました.今日は暑かったですからね.一気に出てきたのでしょうか.
 ここはカワニナもホタルの幼虫も放流せず,自然のままの状態です.こういう何でもない水路も少なくなりました.減殺,観光目的,環境学習や集落活性化のための放流事業が盛んに行われています.それ自体すべて否定するものではないですが,いろいろ考えさせられる題材です.

■潜水調査■ 2014.05.30

 とある川に潜水調査に行ってまいりました.水温は15℃ちょっとでしたが,5mmのウェットスーツは最強でした.一緒に潜ったKさんはウェットなしでつらそうでしたが・・・・風邪引かないでくださいね.
 残念ながらお目当てのカワシンジュガイは見つけることは出来ませんでした.一体どこにいるのでしょうか?
 しかし,アマゴの鰓に寄生しているグロギディウム幼生は確認できました!あ,この写真,木星ではないですよ.鰓の拡大写真です.3粒ほど見えているまるいやつがグロちゃんです.まだ100μmちょっとかな?


■アカショウビン初鳴き■ 2014.05.29

 定例,夜の消防訓練.村の総合グランドでアカショウビンの初鳴きを聞きました.昨年より2週間遅れ.もう来ないのかと思っていましたが,いい声を聞けて良かったです.

■水質改善協議会■ 2014.05.29

 干潟からダッシュで移動した先は輪之内町.ここでは輪中内の水質を改善しようという運動が行われています.昨年,試験的に農業用水路から井戸水などの綺麗な用水を送水したところ,改善効果は見られました.
 今回の会議では,透明な水,冷たい水は人間から見れば美しい環境だが,生物にとっては過剰な環境変化になる場合があることについてお話しさせていただきました.水温低下によるカワバタモロコの繁殖失敗,透明度上昇によるバス・ギル拡散リスク等です.
 ホットスポットを明らかにして,ゾーンディフェンスや時期的な保護策などを策定しながら,川面を覗き込んで心豊かになれるような環境にしていきたいものです.

■膨大な野鳥の観察記録■ 2014.05.29

 今年は卒論でケリを対象にしています.休耕田の拡大に伴い,水田から干潟に移動するケリが減っているのではないかという仮説です.そこで,長年名古屋周辺で野鳥観察をされている名古屋野鳥の会の会長のもとへお話を伺いに藤前干潟に行ってきました.見せて頂いたのは私が生まれたころからの膨大なデータ.昔はたくさん鳥がいたんですね.渡り鳥は藤前などの中継地の保全と,海外における越冬,繁殖地の保全の両輪が必要なだけに難しいですね.
 貴重なデータをご提供いただきありがとうございました.さあ,A君,頑張りましょう!




■メダカ頑張れカダヤシに負けるな■ 2014.05.28

 メダカをカダヤシの魔の手から守る研究.中断しつつも今年で4年目.小ゼミを終えた後,午後から調査地へ向かう. いやー暑い.真夏のようだ.ウェーダーが蒸れて気持ち悪い.
 今日はあんまり姿が見えなかった.いるときは数百いるのに.どこに行ったんでしょうか?
 この時期,田んぼは空を映して綺麗ですね.



■ジャンボタニシ駆除相談■ 2014.05.27

 ジャンボタニシことスクミリンゴガイを何とかしてくれ!という相談を受けて,羽島市の農園に行ってまいりました.ここでは休耕田を利用してクレソンを栽培していました.クレソンの食害がひどいそうです.まあ,どちらも外来なのですが・・・・
 水路と違って広範囲が対象となり,しかもクレソンの株元に隠れているのでなかなか見つけ獲りが困難です.さらに冬季も湛水しているので,寒さで死ぬこともないようです.クレソンは生食もされるので強い薬も使えない・・・ということでスッポンによるバイオマニピュレーションを試してみることになりました.この周辺にスッポンが自生していることは確認済みです.ただしむやみに脱走されないように対策する必要はありますね.あと,スッポンがクレソンを食べるかどうかも気になります.
 スッポンが増えすぎたらどうするかって?・・・大丈夫.クレソンの一番おいしい食べ方は鍋物.相性抜群です!(あ,写真忘れた・・・)


■小型ポンプ操法 町大会■ 2014.05.25

 研究とは全く関係ない個人的な話題なのですが,この度,消防団の町大会が300人を超える消防団員が一堂に会して開催されました.私は小型ポンプ操法の三番員.毎晩頑張ってきた練習の成果を出す晴れの日です.なんとか目標のタイムは出せましたが,郡大会には進出できませんでした.でもうちの分団から郡へ行けたチームもあったので良しとしましょう.まだしばらく毎夜毎夜,大人のサークル活動は続きます・・・・


■学部説明会 斐太高校■ 2014.05.22

 広報の業務で高山市の斐太高校(ひだこうこう)に行ってきました.小雨降るあいにくの天気,飛騨地方は肌寒かったです.
 高山駅から宮川沿いに歩いて約30分,途中,鯉のぼりが泳いでいました.その下にはたくさんの錦鯉が泳いでいました.
 応用生物科学部の紹介に伺ったわけですが,希望者は18名と少なくてちょっとさみしかったです.他大学の理学部や工学部は賑わっておりました.このあたり,広報として対策を講じる必要がありそうです.
 学部説明の後,少し時間が余ったので,水田生態系保全に話をしました.しかし,アメリカザリガニやコイ科の魚がほとんどいない地方のため,いまいちピンとこなかったようです.
 説明会が終わって帰路につこうとすると,校庭をニホンカモシカが闊歩しておりました.しかもみんな気にもかけない.いやはや,恐るべしです.




■水棲生物識別実習 水生昆虫■ 2014.05.20
 第二回目の水棲生物識別実習は水生昆虫の世界と題して長良川本流と武儀川にて実施.雨の心配もありましたが,薄日さす中無事終了しました.両河川ともにしばらく雨は無く,水位も低下して川底にはモヤモヤが沈着.出会えた生き物は以下の通り.
 長良川:チチブ,カワヨシノボリ,ヨシノボリ,カマツカ,トンボ目(コオニヤンマ),コウチュウ目(ヒラタドロムシ類),トビケラ目(ヒゲナガカワトビケラ),カゲロウ目数種,ハエ目数種などなど.カワゲラ目はほとんど確認できず.ヒラタドロムシが非常に多かったです.
 武儀川:アカザ,カワヨシノボリ,アブラハヤ,アユ,スナヤツメ,モクズガニ,スジエビ,トンボ目(コオニヤンマ,ヤマサナエ,ハグロトンボ・・・),コウチュウ目(ヒラタドロムシ類,キボシゲンゴロウ類,極小ガムシ類),カワゲラ目(キカワゲラ類,オオヤマカワゲラ,ニシオオヤマカワゲラ),カゲロウ目多数,ヘビトンボ目(ヘビトンボ,クロスジヘビトンボ),トビケラ目多数,ハエ目数種等でした.
 武儀川では数年前まではヒラタドロ君はほとんどいなかったのですが,今や一大勢力.水質悪化なのでしょうか?気になります.スナヤツメは,5月も末というのにアンモシーテス幼生とともに成体も採捕されました.周辺と比較して産卵が遅いのか,今年が遅れているだけなのか・・・どうなんでしょう?
 M2のKさんの説明のおかげで,みんな目レベルでは同定できるようになりました.ここから先は各自興味あるカテゴリーについて深めていってほしいと思います.






■フィールド科学基礎実習■ 2014.05.16-18
 位山演習林での一年生実習.今年からフィールド科学応用実習(旧農場実習)の池プロジェクトが無くなったので,一年生とは初対面.さすがに2ヵ月前までは高校生だっただけに若い!こっちは齢を重ねているだけに年々ギャップが拡大していく・・・・
 好天にも恵まれ,きもちよく川で過ごせました.出会えた生き物は,カジカガエル,ヤマアカガエル,タゴガエル(声のみ),ヤマトイワナ,サツキマス(アマゴ),カジカ,カワヨシノボリ,アユ,ヒダサンショウウオ,ハコネサンショウウオ,サワガニ,ガガンボ,オオヤマカワゲラ,ヘビトンボ,クロスジヘビトンボなどなど.一方,例年出会えたアズマヒキガエル,ナガレヒキガエル,アジメドジョウは見れませんでした.アズマヒキガエルの卵塊が山の上の方で確認されたそうなので,今年は季節の移りかわりが遅いのでしょうか?桜の開花は平年より一週間遅かったそうです.そういやカジカガエルのオタマジャクシもいませんでした.
 季節の移り変わりが遅いだけならよいのですが,アジメドジョウは心配です.4年前の上流部崩落以来,年々減少していましたが,採捕0は初めてです.このままいなくなってしまうのでしょうか・・・
 今年もしっかりお昼寝しました.見上げると,空をヤナギの綿毛がたくさん飛んで行きました.
 一年生諸君,楽しんでもらえたでしょうか.日本の河川環境について興味を持ってもらえたなら何よりです.





■ダルマ初コール■ 2014.05.13

 月明かり眩い23時,消防の操法訓練を追えて家路に就く.初夏の陽気だった日中とうって変わって肌寒い.でも聞けちゃいました.今シーズンのナゴヤダルマガエル初コール.例年とほぼ同じ日程.数日程度と短い恋の季節を実らせた後は,トノサマガエルの番です.
 ニホンアマガエルとシュレーゲルアオガエルの初コールから約一カ月.季節はどんどん移り変わっていきます.




■水棲生物識別実習in藤前干潟■ 2014.05.13

 今年一回目の水棲生物識別実習は藤前干潟.今年も晴天に恵まれ,最高気温は28℃!いやー暑かったです.
 干潟に入る前に鳥もcheck.アオアシシギ,キアシシギ,ダイゼン,ハマシギ,チュウシャクシギ,トウネン,オオソリハシシギ,ミサゴ,カワウ,コアジサシ,チュウサギ,アオサギ,ドバト,ツバメなどを確認しました.
 干潟では,子持ちのニホンスナモグリ,アナジャコ,ウミナナフシ類,ヨコエビ類,ヘラムシ類,チロリ類,ゴカイ類,ヒモムシ類,エビジャコ類,タカノケフサイソガニ,モクズガニ,ヤマトオサガニ,アカテガニ,ベンケイガニ,マハゼ,ウロハゼ,シモフリハゼ,チチブ,オキシジミ,ヤマトシジミ,シオフキ,コウロエンカワヒバリガイ,カキ類,ソトオリガイ,マテガイ,ヨーロッパフジツボ,ミズクラゲ,アカクラゲなどに出会えました.
 名古屋のど真ん中でこんなに豊かな生き物が棲んでいる藤前干潟.これからも変わらず残していきたいものです.
 今年はガタレンジャー養成講座に11名が参加することになりました.3年生36名のおよそ三分の一です.頑張ってくださいね!






■ぎふ地球環境塾■ 2014.05.10

 ぎふ地球環境塾の講師として,自然環境の保全についておはなししてきました.対象は小学生とその保護者.日本の自然は二次的自然が多く,人と自然の共生が必要なこと,生態系の仕組みは複雑でその保全は一筋縄ではいかないことなどを説明してきました.生物間相互作用の話では,二枚貝と寄宿魚種,それにタナゴの関係を語らせてもらいました.ちょっと難しかったかな?ご協力いただいたKさん,ありがとうございました.



■タナゴと貝探し■ 2014.05.07

 今日は昼過ぎから,岐阜農林高校の学生達と一緒にタナゴと貝を探しに大学の近所の水路へ.彼らはタナゴの産卵,貝の寄生について研究をしているのです.将来有望な若者であります.
 シロカキ直後で水路はだだ濁り.でも,ドブガイ(おそらくタガイ)とイシガイの死殻,生きたトンガリササノハガイとオバエボシガイ(写真上)!が見つかりました.オバエボくんですよ,オバエボくん!
 魚類といいますと,ミナミメダカ,フナ(おそらくギンブナ),オイカワ,ヌマムツ,カマツカ,シマドジョウ,ドジョウ,タモロコ,ヤリタナゴ,そしてカワヒガイ(写真下)と会えました.
 短い時間でしたが楽しかったです.何よりも,感動している高校生を見ているとこっちも幸せになりました.お疲れ様〜.




■カワシンジュガイ調査 in 道東■ 2014.05.04-06

 GW期間中ではありますが,昨年とおととしにマーキングしたカワシンジュガイを追って道東に行ってまいりました.岐阜は初夏を思わせる陽気でしたが,道東には平野部にも雪があり,水芭蕉が咲き始めておりました.で,海を見ると,なんと・・・流氷がさまよっていました!
 昨年,大水が出たそうで,川の形状が変わっており,マーキング個体もほとんど流されてしまったようです.過去二年にわたって成長を追えたのは奇跡だったのでしょうか?
 イトウの産卵末期だったそうなのですが,残念ながら遭遇できませんでした.そのかわりと言っては何ですが,エゾアカガエルの卵塊が浮いてました.もう飛び出す直前でした.この時期って,オタマさんにも外鰓があるんですね.




■鳥類識別実習 春の野鳥観察(大学内)■ 2014.04.22

 一回目の鳥類識別実習が行われました.曇天で猛禽のソアリングは見られませんでしたが,私の担当した班では以下の鳥が確認できました.
 ハシブトガラス,ハシボソガラス,トビ,スズメ,ツバメ,ハクセキレイ,カワラヒワ,カルガモ,カワウ,アオサギ,イワツバメ,ハシビロガモ,アメリカヒドリ,ヒドリガモ,ムクドリ,ツグミ,キジバト,ケリ,キジ,ヒバリ,ヨシガモ,カイツブリ,ウグイス,コガモ,ヒヨドリ,ホオジロ,モズ,ダイサギ,カワセミ,セグロセキレイ,ヒレンジャク(以上31種,確認順)
 バンを確認した班もあったようです.季節の変わり目を実感できる楽しい一日でした.






■公開講座 家庭菜園の基礎■ 2014.04.20

 毎年恒例,野菜教室が今年も始まりました.第一回目から講師を務めていますが,はや7年目? リピーターの皆さんはもはやセミプロの腕前.いろんな野菜を作られていて,すごいです.
 今年は高校生や岐阜女子短大の学生も参加してくれています.野菜作りを楽しみ,農業に興味を持って頂きたいと願っています.
 皆さんの畝たてが進むのを眺めながら,研究室と我が家の畑準備をせねばと焦りを覚えました・・・



■水産研訪問■ 2014.04.16

 本年度から4年間,科研が当りました!本日はその打ち合わせで,岐阜県の水産研究所(昨年までの河川環境研究所)に行ってきました.名前が変わってしまったのは正直言って残念ですが,これから協力してやっていければいいなと考えています.
 そういえば,帰りに寄ったアクアトトでイモリ展してました.楽しいですよ.皆さんも是非足を運んでみてください.



■識別実習安全講習会■ 2014.04.15

 識別実習のプロごラム,安全講習会です.今年も黒野消防署および北消防署の方々にお世話になりました.さらに,個人的には小型ポンプ操法の指導でお世話になっております^^;
 今年の実習も無事に何事もなく行えるよう頑張りましょう.

■日本貝類学会■ 2014.04.12-13

 大阪市立自然史博物館で開催された日本貝類学会に行ってきました.今回,発表はしなかったのですが,新しい出会いもあって,今後の調査研究も楽しくなりそうな予感がしてきました.

■授業開始■ 2014.04.10

 今日から新年度授業開始です.静かだったキャンパスも賑わいを見せています.研究室の4年部屋にも学生がやってきました.
 さあ,今年もがんばろう!

■取水が始まった■ 2014.04.08

 調査で海津に行きました.晩生のハツシモが多く,近隣県と比較して取水開始が遅い岐阜県ですが,南端に位置する海津は一番早く稲作が始まります.こうして水が張られてシロカキの準備が整うと,いよいよ調査が始まるなあと気が引き締まりまる思いです.
 今日は鳥に詳しいA君と一緒だったので,コチドリ,チョウゲンボウ,サシバなどなどいろいろと教えてもらえました.
 そういえば,ケリがアマガエルを咥えていました.やっと活動し始めたのにお気の毒に・・・・水田での啓蟄は取水とともに・・・・






■afandi夫妻来日■ 2014.03.19

 インドネシア・スマトラ島,ランポン大学から懐かしい方たちが来日されました.1週間の滞在予定です.

■学位授与式■ 2014.03.13

 岐阜大学大学院連合農学研究科の学位授与式が行われました.水利環境学研究室からも,近藤,烏の2名が博士号を取得しました.