入力ファイル | 使用プログラム | 出力ファイル |
---|---|---|
object.dat | meg →→ | in.dat g.dat sin.dat move.dat |
入力ファイル | 使用プログラム | 出力ファイル |
---|---|---|
in.dat g.dat sin.dat move.dat rot.dat d3 current.dat ib 50a400.bh s45c.bh | femturbo →→ | d.dat00?? g.dat00?? in.dat00?? move.dat00?? out mac2d.dat fort.77 fort.97 |
このマニュアルでは、以下に示す回転機を例にとって、
上に示した解析手順について説明していきます。
この回転機は電気学会で解析の精度検証用モデルとして
提唱されているものです。
なお、解析モデルは「中級:回転機の線形静特性解析」
と同じですが、永久磁石の解析領域を変更してあります
ので分割図作成時には注意して下さい。
分割図作成についての詳しい内容は他のページで説明していますので、
そちらを見たい人はタイトルをクリックして下さい。
ここでは、回転機の分割図作成に関する注意点を述べます。
<object.dat作成時>
以上のことを考慮して作成した解析例のobject.datを他のページ
で示します。なお、「中級:回転機の線形静特性解析」の場合と比
較すると、永久磁石の解析領域が変更していますので、注意して下
さい。また、object.datの先頭で宣言してあるパ
ラメータについてですが、ここの数字を色々と変更して解析
結果に及ぼす影響を検討してみて下さい。
解析はfemturboというプログラムを用い て行ないます。このマニュアルでは、回転機の静特性解析のうちコギ ングトルク解析と電流入力解析について説明します。
コギングトルク解析に関係するファイルを以下に示します。
コギングトルクとは回転機を無負荷の状態(入力電流を与えない状態)で
機械的に回した場合に働くトルクのことです。
入力ファイル | 出力ファイル | |||
---|---|---|---|---|
in.dat g.dat sin.dat move.dat rot.dat d3 ib 50a400 s45c | 要素のデータ 外形線のデータ 要素のデータ 積分路のデータ 回転の設定用のデータ ファイル指定用のデータ 実行時に入力するデータ 非線形のデータ 非線形のデータ | d.dat00?? g.dat00?? in.dat00?? move.dat00?? out mac2d.dat fort.77 fort.97 | 磁束のデータ 外形線のデータ 要素のデータ 積分路のデータ 解析経過のデータ 解析結果のデータ 解析結果のデータ 解析結果のデータ |
次に、回転機のコギングトルク解析に関係する入力ファイルの中で、 2章の「分割図の作成」で作成されないファイルと 作成されるが訂正が必要なファイルについて説明します。
07out 15in.dat 16d.dat 20rot.dat 25sin.dat 29move.dat 30g.dat 3150a400.bh 3250a400.bh 33s45c.bh |
99 d3 k 0 -1 1 0 0 0 100 |
21 1 1711 1731 2 0.00000E+00 0.75000E+00 4 4 2 1 1 |
ステップ数(I8) 境界条件設定のための節点番号(下図の1) (I8) (下図の2) (I8) (下図の3) (I8) 切り取りライン(積分路の番号で指定) (I8) |
初期機械角[deg.](E12.5) 刻み幅[deg.](E12.5) 磁石材質番号始め(I8) 終り(I8) 極数(I8) |
解析番号(I8) ファイルはきだし設定(何ステップ毎か) (I8) |
review↓ |
このファイルは、分割図の作成時に作成される
材質を設定するためのファイルですが、
回転機の解析をするためには一部訂正が必要です。
このファイルの内容を以下に示します。
赤字で示されたデータを
追加して、
青字のデータを
変更して下さい。
また、緑色の部分は非線形解析時
に必要な変更場所です。「中級:回転機の線形静特性解析」
では変更しませんでしたが、今回はここを変更して下さい。
注意:
このファイルはfemturbo中で読み込みますので、フォーマットを
必ず守って下さい。
( 1) ( 2) ( 3) ( 4) ( 5) ( 6) ( 7) ( 8) ( 9) (10) |
1 11 11 0 0 0 17111731 0.000E+00 1 854 1 8551496 214971522 315231586 415871626 516271666 6 16671706 717071746 817471786 917871826 1018273362 11 0.300E+04 0.300E+04 0.700E+07 0.300E+04 0.300E+04 0.700E+07 0.300E+04 0.300E+04 0.700E+06 0.884E+00 0.884E+00-0.100E+01 0.100E+01 0.100E+01 0.000E+00 0.100E+01 0.100E+01 0.000E+00 0.100E+01 0.100E+01 0.000E+00 0.100E+01 0.100E+01 0.000E+00 0.100E+01 0.100E+01 0.000E+00 0.100E+01 0.100E+01 0.000E+00 0.100E+01 0.100E+01 0.000E+00 15 1.000E-08 6.000E+01 6 0 0 15871626 0.000E+00 16271666 0.000E+00 16671706 0.000E+00 17071746 0.000E+00 17471786 0.000E+00 17871826 0.000E+00 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1.00000 1.0000000000e-03 0 0 0 0 |
( 1) | 境界線数(I4) グループ数(I4) 材質数(I4) ダミー(I4) ダミー(I4) 三相電流フラグ (I4) |
( 2) | 境界節点番号始め(I4,I6) 終り(I4,I6) ポテンシャル(E10.3) |
( 3) |
{要素番号始め(I4,I6)
終り(I4,I6)
材質番号(I4,I6)}×グループ数 (ただし、1行に6グループまで) |
( 4) |
{材質特性μx(E12.5)
μy(E12.5)
σ(E12.5)}×材質数 (ただし、1行に8データまで) |
( 5) | 非線形計算の最大反復回数(I4) ICCG法の収束判定値(I10.3) 電源周波数[Hz] (I10.3) |
( 6) | コイル数(I4) スリットの考慮フラグ(I4) 電圧入力フラグ(I4) 計算方法フラグ(I4) 収束ウィンドウ不表示フラグ(I4) ICONV(I4) |
( 7) |
{コイル要素番号始め(I4,I6)
終り(I4,I6)
電流密度[AT/m^2](E12.5)}
×コイル数 (ただし、1行に1グループ) |
( 8) |
{渦考慮フラグ(I4,I6)
スリット考慮フラグ(I4,I6)
ダミー(I4,I6)}×グループ数 (ただし、1行に18、12データまで) |
( 9) | ステップ数(I4) ステップ上限[sec.](E10.5) ステップ幅[sec.](E20.13) |
(10) | {ダミー(I8)}×3 (ただし、1行に1データ) |
このファイルは、分割図の作成時に作成される
積分路を指定するためのファイルですが、
回転機の解析をするためには一部訂正が必要です。
このファイルの内容を以下に示します。
青字のデータを
変更して下さい。
注意:
このファイルはfemturbo中で読み込みますので、フォーマットを
必ず守って下さい。
( 1) ( 2) ( 3) ( 1) |
120 2.400e-01 824 822 822 916 916 823 823 914 914 915 915 852 852 853 853 787 787 817 817 786 786 726 726 816 816 725 725 785 785 784 784 814 814 783 783 723 723 782 782 813 813 724 724 815 815 749 749 711 711 801 801 712 712 802 802 750 750 751 751 752 752 753 753 713 713 754 754 803 803 755 755 756 756 716 716 805 805 714 714 804 804 715 715 762 762 764 764 810 810 763 763 720 720 812 812 775 775 778 778 779 779 776 776 777 777 781 781 722 722 780 780 771 771 770 770 811 811 769 769 773 773 721 721 774 774 772 772 768 768 766 766 767 767 765 765 760 760 809 809 761 761 759 759 719 719 808 808 758 758 718 718 807 807 717 717 757 757 806 806 748 748 747 747 710 710 800 800 709 709 746 746 799 799 708 708 745 745 744 744 798 798 743 743 707 707 742 742 797 797 702 702 734 734 733 733 792 792 701 701 791 791 735 735 703 703 793 793 704 704 737 737 736 736 741 741 796 796 740 740 705 705 794 794 706 706 795 795 739 739 845 845 942 942 851 851 941 941 849 849 850 0.00000e+00 0.00000e+00 0.00000e+00 0.00000e+00 120 0.000e+00 578 577 577 674 674 602 602 576 576 673 673 728 728 604 604 603 603 571 ... |
( 1) | 積分路線分の数(I4) 厚み (モータ長。ただし1/4モデルの場合には4倍する)[m] (E10.3) |
( 2) | 積分路を構成する節点番号(I4,I6) |
( 3) | イナーシャ(E12.5) {ダミー(E12.5)}×3 |
これらのファイルは鉄心の非線形材質の特性を示すファイルです。
この内容を以下に示します。
注意:これらのファイルはfemturboの中で
読み込みますので、フォーマットを必ず守って下さい。
(1) (2) (3) |
(1) (2) (3) |
(1) | データの個数(I4) B(T)の値が0.1の整数倍のデータの個数(I4) B-H曲線の名称(メモ) |
(2) | {B(T)の値が0.1の整数倍のデータが何番目にあるか (I4)}×個数 |
(3) | {磁束密度B[T](E12.5) 磁界の強さH[A/m] (E12.5)}×個数 |
femturbo < ib↓ |
プログラムを実行してしばらくすると、画面にたくさんの ウィンドウが表示されます。 その中の下に示すウィンドウ「Torque(Nm)」に今回の解析の 結果となるコギングトルクの波形が表示されます。
ただし、このウィンドウはプログラムが終了すると 閉じてしますので、プログラムが終了した後に コギングトルクを見る場合には次のコマンドを入力します。
xgraf -t mac2d.dat↓ |
このコマンドの入力後には、以下に示すようなウィンドウが 表示されます。ここで、コギングトルク波形を確認するには、 ウィンドウ上で真中クリックを4回行ないます。その際に、タ イトルバーに[5/15:Torque[01](N*m)]と表示されていることを 確認して下さい。これが解析で得られたコギングトルクの波形 です。このウィンドウを閉じるときは、ウィンドウ上で右クリ ックをして[quit]を選択して下さい。
次に電流入力解析について説明します。必要なファイルを以下に 示します。
入力ファイル | 出力ファイル | |||
---|---|---|---|---|
in.dat g.dat sin.dat move.dat rot.dat d3 current.dat 50a400.bh s45c.bh | 要素のデータ 外形線のデータ 要素のデータ 積分路のデータ 回転の設定用のデータ ファイル指定用のデータ 電流入力用のデータ 非線形のデータ 非線形のデータ | d.dat00?? g.dat00?? in.dat00?? move.dat00?? out mac2d.dat fort.77 fort.97 | 磁束のデータ 外形線のデータ 要素のデータ 積分路のデータ 解析経過のデータ 解析結果のデータ 解析結果のデータ 解析結果のデータ |
電流入力解析に必要な入力ファイルは コギングトルク解析に必要な入力ファイル以外に current.datだけですが、d3, sin.dat, rot.datの内容に変更があります。これらのファイルの内容について説明します。
このファイルはfemturboの中でファイル指定を行なうファイルです。
このファイルの内容を以下に示します。
赤字で示されたデータ
"79current.dat"を
追加して下さい。
07out 15in.dat 16d.dat 20rot.dat 25sin.dat 29move.dat 30g.dat 3150a400.bh 3250a400.bh 33s45c.bh 79current.dat |
赤字で示されたデータを
変更して下さい。
注意:
このファイルはfemturbo中で読み込みますので、フォーマットを
必ず守って下さい。
1 11 11 0 0 1 17111731 0.000E+00 1 854 1 8551496 214971522 315231586 415871626 516271666 6 16671706 717071746 817471786 917871826 1018273362 11 0.300E+04 0.300E+04 0.700E+07 0.300E+04 0.300E+04 0.700E+07 0.300E+04 0.300E+04 0.700E+06 0.884E+00 0.884E+00-0.100E+01 0.100E+01 0.100E+01 0.000E+00 0.100E+01 0.100E+01 0.000E+00 0.100E+01 0.100E+01 0.000E+00 0.100E+01 0.100E+01 0.000E+00 0.100E+01 0.100E+01 0.000E+00 0.100E+01 0.100E+01 0.000E+00 0.100E+01 0.100E+01 0.000E+00 15 1.000E-08 6.000E+01 6 0 0 15871626 0.000E+00 16271666 0.000E+00 16671706 0.000E+00 17071746 0.000E+00 17471786 0.000E+00 17871826 0.000E+00 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1.00000 1.0000000000e-03 0 0 0 0 |
このファイルは、コイルの電流値の制御に必要なファイルです。
このファイルの内容を以下に示します。
注意:
このファイルはfemturbo中で読み込みますので、フォーマットを
必ず守って下さい。
3.88252E+06 1.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 1.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00-1.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00-1.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 1.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 1.00000E+00 |
コイルの電流密度[AT/m^2](E12.5) |
{u相電流(E12.5)
v相電流(E12.5)
w相電流(E12.5)}×コイル数 (ただし、1行に1組) |
このファイルは、回転子を回転させるために必要なファイルです。
このファイルの内容を以下に示します。内容については
「3.2 コギングトルク解析」を御参照下さい。
青字のデータを
変更して下さい。
注意:
このファイルはfemturbo中で読み込みますので、フォーマットを
必ず守って下さい。
21 1 1711 1731 2 -0.30000E+01 0.75000E+00 4 4 2 2 1 |
データが揃ったら、プログラムを実行します。 実行方法はコギングトルク解析と同じです。 実行方法を次に示します。
femturbo < ib↓ |
データの検証方法はコギングトルク解析と同じなので、 そちらを参照して下さい。
以上の解析方法を用いた解析例の結果を次のリンク先で紹介して
おきます。参考にしてみて下さい。
rm in.dat* d.dat* g.dat* move.dat*↓ |