研究活動


気候変動適応技術社会実装プログラムSI-CAT(2015~2019年度)

プロジェクトの概要

 本センターの設置に至る前身となった研究プログラムです.岐阜県と岐阜大学研究者グループは,本プログラムにモデル自治体として共同参画し,①洪水・土砂災害等の豪雨災害リスクへの温暖化影響予測,②気候変動と人口減少の同時進行に関するリスク分析,③地域のステークホルダーも含めた「適応シナリオ」の構築,④岐阜県における気候変動適応の推進体制の構築等に取り組んできました.

 行政と地域の研究者が密に協力して,地域のステークホルダーも巻き込みながら,地域における気候変動影響,人口減少の影響,その他の社会の変化に対してどのような適応策が可能かを検討したこの取り組みは,全国的にも高く評価されています. この取り組みを通じて,行政と地域の研究者が連携して気候変動適応に取り組む「岐阜モデル」が形成されました.


主なメンバー

氏名分野所属
原田 守啓河川工学、応用生態工学岐阜大学地域環境変動適応研究センターセンター長
丸谷 靖幸水工学九州大学工学研究院環境社会部門助教
児島 利治水工水理学岐阜大学流域圏科学研究センター准教授
小山 真紀社会基盤(土木・建築・防災)岐阜大学地域環境変動適応研究センター准教授
吉野 純気象学岐阜大学地域環境変動適応研究センター教授
斎藤 琢林学、森林工学岐阜大学地域環境変動適応研究センター准教授
髙木 朗義土木計画学、交通工学岐阜大学地域環境変動適応研究センター教授
村岡 治道社会基盤(土木・建築・防災)岐阜大学地域減災研究センター特任准教授

SI-CATモデル自治体岐阜の最終シンポジウム
(2020/1/31 岐阜大学サテライトキャンパスにて開催)

2020年1月30日に岐阜で開催されたSI-CAT岐阜シンポジウムの記録映像当日資料を公開します.
なお,本動画及び資料は未成果の研究成果を含む第1部報告4を除きます.

SI-CAT岐阜シンポジウム 動画(YouTubeにて公開中)

シンポジウムタイトル:気候変動と社会変化に適応しつづける岐阜の実現に向けて
           ―5年間の取り組み成果とこれからの展望―
日時:令和2年1月30日(木) 13:30-16:30
場所:岐阜大学サテライトキャンパス 多目的講義室(大)
主催:清流の国ぎふ防災・減災センター共催:岐阜県・岐阜大学工学部附属応用気象研究センター
   
プログラム: [プログラムPDF]
■開会挨拶 (0分00秒~)
 主催者;清流の国ぎふ防災減災センター センター長 杉戸真太
 来賓;SI-CATプロジェクトディレクター 三上正男様
■趣旨説明 (9分10秒~)
 SI-CAT岐阜5年間の取り組みとこれから 原田守啓(岐阜大学)  [資料PDF]
■第1部 岐阜県における気候変動影響と適応に向けた研究報告(21分00秒~)
 報告1:気候変動による豪雨と洪水 丸谷靖幸(岐阜大学)  [資料PDF]
 報告2:気候変動による豪雨と土砂災害 児島利治(岐阜大学)  [資料PDF]
 報告3:中山間地域の人口動態と災害リスクの関係性 小山真紀(岐阜大学)  [資料PDF]
 報告4:温暖化と森林雪害 斎藤 琢(岐阜大学)※未発表成果のため動画・資料はありません
■第2部 気候変動影響への適応の推進(49分20秒~)
 講演1:長良川流域における地域適応シナリオ構築の取組 馬場健司(法政大学客員教授)(1時間12分~)[資料PDF]
 講演2:岐阜県における気候変動適応の推進 堀智考(岐阜県環境生活部) [資料PDF]
■第3部 パネルディスカッション(1時間31分~)
 「気候変動と社会変化に適応しつづける岐阜の実現に向けて」
 モデレーター 原田守啓(岐阜大学)
 パネリスト  吉野 純(岐阜大学)/ 堀 智考(岐阜県環境生活部環境生活政策課課長)
       馬場健司(法政大学客員教授)/ 小森胤樹(郡上エネルギー(株)・郡上割り箸(株)代表取締役)
       蒲 勇介(NPO法人ORGAN理事長)
■閉会挨拶

学会誌・雑誌等における論文掲載

  1. 原田守啓,丸谷 靖幸,児島 利治,松岡 大祐,中川 友進,川原 慎太郎,荒木 文明:アンサンブル気候変動予測データベースを用いた 洪水頻度解析による長良川流域の温暖化影響評価,土木学会論文集B1(水工学) , vol.74, No.4, I_181-I_186 2018年2月
  2. 原田守啓・丸谷靖幸・伊東瑠衣・石崎紀子・川瀬宏明・大楽浩司・佐々木秀孝:JRA-55再解析データのダウンスケーリング実験に おける地形モデル選択が洪水流出解析に及ぼす影響,土木学会論文集B1(水工学) Vol.74, No.5, I_103-I_108. 2018年11月
  3. 丸谷靖幸,原田守啓,伊東瑠衣,川瀬宏明,大楽浩司,佐々木秀孝:気候変動影響評価に向けた気候モデルおよび影響評価モデルの不確実性の関係性の評価,土木学会論文集B1(水工学) Vol.74, No.5, I_109-I_114. 2018年11月
  4. 児島利治,丸谷靖幸,原田守啓:斜面崩壊危険度予測のための20kmメッシュd4PDF確率降雨量のバイアス補正値の提案,土木学会論文集B1(水工学) Vol.74, No.5, I_133-I_138. 2018年11月
  5. 丸谷靖幸,原田守啓,伊藤瑠衣,川瀬宏明,大楽浩司:気候変動影響評価に向けた降雨分布の空間解像度が流出解析に与える影響に関する考察,土木学会論文集G(環境), vol.74, No.5, 147-156. 2018年9月
  6. 丸谷靖幸,原田守啓,杉本志織,川瀬宏明,佐々井崇博,山崎剛:力学モデルによる近未来気候の超高解像度ダウンスケールシミュレーション,地球シミュレータ公募課題年次報告書  April 2017.-March 2018., 55-63. 2018年10月 
  7. 児島利治・丸谷靖幸・原田守啓:d4PDFデータと土壌雨量指数を用いた将来の土砂災害危険度評価,土木学会論文集B1(水工学) Vol.75, No.2, I_1063-I_1068. 2019年9月
  8. 丸谷 靖幸・渡部 哲史・玉川 一郎:流域スケールの気候変動影響評価に向けたJRA-55の統計的補正手法と力学DSの比較,土木学会論文集B1(水工学) Vol.75, No.2, I_1123-I_1128. 2019年9月
  9. Morihiro HARADA, Yasuyuki MARUYA, Toshiharu KOJIMA, DaisukeMATSUOKA, Yujin NAKAGAWA, Shintaro KAWAHARA and Fumiaki ARAKI:FLOOD FREQUENCY ANALYSIS AND IMPACT ASSESSMENT FOR CLIMATE CHANGE IN THE NAGARA RIVER BASIN,Journal of JSCE 2020年4月掲載予定

学会発表等

  1. 原田守啓,杉山英夫:気候変動適応に向けた岐阜の取組み(中間報告)(口頭発表),第45回環境システム研究論文発表会 2017/10/21-22
  2. 原田守啓,丸谷靖幸,児島利治:アンサンブル気候変動予測データベースd4PDFを用いた長良川流域における洪水流出解析(ポスター発表),水文水資源学会 2017/9/19-21
  3. 児島利治,原田守啓:20kmメッシュ d4PDF降水データの確率水文量のバイアス補正に関する検討(ポスター発表),水文水資源学会 2017/9/19-21
  4. Maki KOYAMA, Akiyoshi TAKAGI, Nobuoto NOJIMA, and Harumichi MURAOKA:A Prototype Education Program to Foster Talented People Who Take Actions at their own Initiative for Regional Disaster Prevention,4th Asian Conference on Urban Disaster Reduction 2017/11/26-28
  5. 小山真紀,髙木朗義,能島暢呂,村岡治道:清流の国ぎふ 防災・減災センターにおける人材育成プログラムの開発,地域安全学会 2017/11/10-11
  6. 小山真紀,村岡治道,髙木朗義,能島暢呂:実践的地域防災人材育成プログラムについて―清流の国ぎふ 防災・減災センターの事例―,地区防災計画学会 2018/3/3
  7. 原田守啓 :水防災分野における気候変動適応に向けた岐阜の取り組み(ポスター発表),水文・水資源学会 2018/9/12-14
  8. 丸谷靖幸・原田守啓:再解析データJRA-55を用いた降雨の空間解像度が洪水流出に与える影響評価(ポスター発表),水文・水資源学会 2018/9/12-14
  9. 岡村友貴,児島利治:樹根による表層斜面崩壊防止効果の森林成長に伴う変化(ポスター発表),水文・水資源学会 2018/9/12-14
  10. 櫻井まゆ・小山真紀:岐阜県における土砂災害・洪水ハザードと人口の関係について(口頭発表),地区防災計画学会 2019/3/2
  11. 丸谷靖幸,玉川一郎,渡部哲史:流域圏における長期的な水・物質動態の予測に向けた再解析データの利用(口頭発表),水文・水資源学会 2019年9月
  12. 丸谷靖幸,綿貫翔,渡部哲史,吉田浩平:産官学連携による地域課題解決に資する気候変動予測情報活用手法の開発−気候変動が湖沼や流域圏の水環境に及ぼす影響の解明に向けて−(口頭発表),水文・水資源学会 2019年9月
  13. 久田善純・原田守啓・斎藤琢・丸谷靖幸:全国1km統計DSデータを活用した岐阜県における森林雪害の将来予測,日本森林学会 2020年3月



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