中国:米から作る伝統発酵食品
製造工程
酸漿米麺
中国には、多くの米の麺が存在している。 米の、発酵麺といわれるものは前回(1999年)の調査では、中国雲南省昆明でのみ製造されていた。 今回(2005年)の調査でも発酵麺を製造しているところは少なく、発酵米麺の製造工程全てを調査することはできなかった。
酸漿米麺は、米の浸漬にも時間を要し、 後の水切り後にも放置することにより多くの時間を必要としていた。 しかし、独特の風味を持っている。 この酸漿米麺がを捜し求めた結果、昆明で製造されているようであるが、 昆明市内の工場で説明を受けることは出来なかった。 西双版納(曼刀)で、ゴム収穫前に昔なつかしい酸漿米麺を食している村人達に出会い、 説明を受けることができた。
- 調査期日:2005年8月18日
- 調査場所:中国、西双版納(曼刀)
- サンプル番号:05-CHN-0818-14
製造方法:
- 地元の硬い米(玄米)を洗う。
- 米は(3~4時間)浸積を行う。
- ザルまたはかごの中に入れて、2~3日置く。(半日は日の当たるところに)
- 石臼で、磨砕する。
- 袋に入れ上に石をのせ、水分を除く(一晩)
- 翌朝、1.5キログラムの大きさにしただんごにして、ゆでる。
- 糊化具合は、指で確かめる。(30%糊化、70%生)
- 足踏みのうすで搗く。
- 混捏状態を見て、水を加える。
- さらに搗き混捏したものをタライ(容器)に入れて、水分調節をする。
- しぼり袋(布)に入れて湯の中に麺を押し出す。
- 茹でているときは、息を止める。
- 湯の中で1~2分茹でる。
- 米麺を取り出して、水の中に入れる
- 冷たくなったら、竹の葉を敷いたかごに入れる。
酸漿米麺
- 調査期日:2005年8月19日
- 調査場所:中国、西双版納(曼打火村)
- サンプル番号:05-CHN-0819-0
製造方法:
- 白米(地元産の硬い米)を洗う。
- 1日浸積して、発酵させる。
- 上下に布をかぶせ、3日間放置し、朝、夕水にかける。
- 浸積米を洗う。
- 容器(タライ)の中、手で米を摩砕する。
- 布の中に入れて、つるして一日水切りする。
- 団子状にして、水蒸気で蒸す。(半生状態・経験による)
- 水を加えながら、足を使ってうすでつく。
- 団子状にしてやわらかくなったシトギを、湯の中で押し出して、麺を作る。
- 冷水で洗って、麺のできあがり。
以下は現在、乾漿米麺作成に用いられている機械である。
乾漿米麺
雲南省等調査した地域の多くの麺は、乾漿米麺であった。 発酵工程が無く短時間浸漬後、水切りした米を磨砕し、 麺を押し出す機械によって糊化製麺する方法である。 この乾漿米麺の場合、麺の製造時間を短縮でき、多くの麺を製造することが出来る。
製造方法:
- 新しい米がよいが、高価であるため、地元の古い米を使う(米の品種:貴曹)。
- 米を洗浄し、浸積を2時間行う。
- ザルにあげる水切りを行う。
- 米を磨砕する
- 米粉を水(湯)で混捏
- 押し出し機で糊化させ、麺線をつくる。乾麺はゆでて長く伸ばして、店で販売する。
乾漿米麺
- 調査期日:2005年8月18日
- 調査場所:中国、西双版納(曼のん典)
- サンプル番号:05-CHN-0818-15
乾漿米麺
- 調査期日:2005年8月19日
- 調査場所:中国、打洛
- サンプル番号:05-CHN-0819-1
説明をうけず、写真のみの掲載
人工米干
摩砕した米を、加熱用プレートに流し込み、トンネルをくぐり加熱する。 糊化した薄いシートのものを人工米干と称し、看板に出し販売している。
- 調査期日:2005年8月17日
- 調査場所:中国、思茅市鴻来市場
- サンプル番号:05-CHN-0817-6
製造方法:
- 米を磨砕する。
- 加熱用プレートに流し込む。
- トンネル状の「釜」で加熱する。
- 糊化したシート状の人工米干を扇風機で冷やし、製品として販売。
採集した米発酵食品
Tua nao Ping
- 調査期日:2004年8月17日
- 調査場所:思茅市 鴻来市場
- サンプル番号:05-CHN-0817-4,05-CHN-0817-5
- 調査期日:2004年8月18日
- 調査場所:西双版納 景洪市 集貿市場
- 調査期日:2004年8月20日
- 調査場所:思茅市 普? 集貿市