研究

産婦人科は、女性の一生涯を広く深い知識を持って寄り添い続けていく診療科です。また、医師は臨床医として診療するだけでなく、世の中に知られていない新しい事象を探究する「研究」も重要な責務です。当教室は周産期、腫瘍、生殖、女性医学を軸に基礎研究、臨床研究にも力をいれています。産婦人科学教室での研究のほかにも、基礎研究では岐阜薬科大学との共同研究を行い、臨床研究においても岐阜大学 先端医療・臨床研究推進センターの協力を得ながら多施設共同研究を行っています。

産科領域

• computed cardiotocogramを用いた胎児生理学研究
  「一絨毛膜二羊膜双胎のselective FGRにおけるcomputed cardiotocogramを用いた胎児short term variationの胎児予後予測に対する有用性の検討」
  「computed cardiotocogramを用いた胎児short term variationと胎児胎盤機能（胎児超音波所見および周産期所見）の関係に関する多施設後方視観察研究」
• 産後異常出血の管理治療に関する研究
  「持続吸引による子宮腔内タンポナーデ止血法の弛緩出血に対する有効性と安全性に関する多施設観察研究 hystorical cohort 研究」
• 胎盤組織の超微細構造に関する研究
• 癒着胎盤における子宮胎盤接地面の超微細構造に関する研究
• 産後出血に対する子宮動脈塞栓術の短期予後・長期予後に関する既存情報・アンケートを用いた後方視的検討
• 母体血中cell-free DNAを用いた無侵襲的出生前遺伝学的検査の臨床研究
• 癒着防止剤使用後の癒着防止効果に関する検討
• 当院の経腟分娩予定妊婦における回旋異常・微弱分娩発生の年次推移とリスク因子の検討
• 高次救命治療センターで加療した産後出血患者の血管内皮障害と臨床的予後の検討
• 高次救命治療センターの産後出血診療に血液凝固検査装置FibCareが与える効果の検討
• 妊産婦の精神状態が母子に及ぼす影響の研究

婦人科腫瘍領域

• 卵巣子宮内膜症嚢胞における鉄動態の癌化への関与
• 卵巣癌におけるフェロトーシスの位置づけ
• 卵巣癌におけるDNA損傷応答と免疫系の関連
• 婦人科悪性腫瘍における酸化ストレス関連微小環境の解析と分子標的薬の開発研究

生殖・内分泌領域

• 女児に対するシクロホスファミドによる卵巣毒性の検討
• 小児・AYA(Adolescent and Young Adult)世代の妊孕性温存に関する臨床的・社会的意義と適正化に関する研究
• 卵巣機能異常の病因と全身疾患および周産期予後に関する臨床研究
• 婦人科領域におけるリソフォスファチジン酸（Lysophosphatidic acid:LPA)の生理的・病理的意義とその分子機構に関する研究
• 子宮内膜症が原因である月経困難症患者の低容量Dienogestの長期投与による有効性及び安全性を検討する無作為化非盲検並行群間比較試験
• 月経困難症を伴う子宮腺筋症患者を対象にレルゴリクスの有効性及び安全性をリュープロレリン酢酸塩と比較する他施設共同無作為化非盲検並行群間比較試験

女性のヘルスケア領域

• 骨盤臓器脱に関する疫学研究(日本人女性の有病率とリスク因子)
• 骨盤臓器脱の形態と自覚症状に関する研究
• 骨盤臓器脱と併存疾患との関係性について
• 女性骨盤底支持構造の経年変化と排泄機能に関する研究

社会医学領域

• 日本における新規専攻医の地域間格差に関する研究
• 日本におけるサブスペシャリティの地域間格差に関する研究
• レセプトデータを用いた婦人科手術の地域間格差とその背景因子の探索に関する研究