磯部 真倫
- 略歴
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- 山形大学医学部医学科卒業
- 山形大学医学部付属病院 産婦人科
- 大阪労災病院 産婦人科
- 新潟大学医歯学総合病院 産科婦人科 助教
- 新潟大学医歯学総合病院 戦略企画室 室員 (兼任)
- 新潟大学医歯学総合病院 総合研修部 副部長、 医師研修センター副センター長 特任講師
- 新潟大学医学部医学科医学教育センター 准教授
- 福島県立医科大学ふくしま子ども・女性医療支援センター 特任教授 (兼任)
- 現職
- 専門分野
- 婦人科腫瘍、婦人科低侵襲手術、医学教育学、医療安全学
- 所属学会
- 日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会、東海産科婦人科学会 理事、岐阜産科婦人科学会 会長、岐阜産婦人科医会 理事、日本婦人科腫瘍学会 代議員、日本産科婦人科内視鏡学会 理事・代議員、日本医学教育学会 理事・代議員、日本外科教育研究会 世話人
- 専門医・認定医
- 日本産科婦人科学会 産婦人科専門医・指導医、がん治療認定機構 がん治療認定医、日本婦人科腫瘍学会 婦人科腫瘍専門医・指導医、日本産科婦人科内視鏡学会 技術認定医(腹腔鏡・ロボット)、日本内視鏡外科学科 技術認定医(産科婦人科)、日本ロボット外科学会 認定医
教授挨拶
「岐阜県の最終拠点病院として、患者さんの視点に立った最高の医療を提供する」
「教室員が日々幸福感を感じながら、活き活きと診療し、若手が集う教室運営を行う」
2023年6月1日より、岐阜大学大学院 医学系研究科医科学専攻 生殖・発育医学講座 産科婦人科学 教授に着任しました磯部真倫と申します。私は、これまで山形、大阪、新潟、岐阜と4つの土地で産婦人科医として勤務してきました。地方と都会両方での医療を経験しており、地域ごとの医療の課題の違いについて身をもって感じてきたことが私の強みでもあります。
臨床医としては婦人科腫瘍が専門であり、特に内視鏡手術を得意とし、高難度婦人科腹腔鏡手術の実施や、教育を行ってきました。地域格差を是正するためにたくさんの他県の大学病院で手術指導も行いました。また、医学教育学も専門としており、臨床実習の充実化を通した産婦人科医のリクルートにより産婦人科医を大幅に増加させました。他にも、新潟大学病院の臨床研修の改革による研修医の増加にも貢献してきました。研究については、このように地方での医療の現状に危機感を持っていたために、医療の地域格差を数値化、可視化する社会医学研究を行ってきました。これまでの医師人生を振り返ってみますと、教育を専門とする臨床医という一本筋の中、「地方の中で人を集め、人を育て、自立させてきた」わけであります。
岐阜県で働いてみて気づいた岐阜大学とその関連病院の良さをあげてみましょう。まずは、岐阜県の医療システムの素晴らしさを感じます。病院の集約化、周産期体制の構築、がん生殖、腫瘍の集約化など効率よく診療を行う体制がすでに整っています。そして、その臨床のレベルひとつひとつがとても高いです。そして、地方と言えども、人口の多い岐阜県です。そのため、産婦人科医が決して多くない岐阜県では若手医師が経験できる症例数が豊富です。また、岐阜大学が持つ関連病院も周産期が強い病院、内視鏡手術が強い病院、婦人科腫瘍が強い病院、総合的な能力を身につけることができる病院など多様な連携病院群を有しています。これらをローテーションすることで幅広い診療能力を持つ産婦人科医になることができます。岐阜大学の若手医師は、とても手術が上手と感じます。そして、岐阜大学関連の医師は、とても一生懸命に仕事に打ち込みます。この仕事に対する姿勢は、若手医師にとって良いお手本となるでしょう。また、教室の雰囲気がとてもよいです。皆、和気あいあいと、やりがいをもって臨床に打ち込んでいます。岐阜大学の医学部生にも産婦人科学教室はもっとも雰囲気がよいとよく言われます。そして、岐阜大学関連の先生たちは、とても教えることが好きで、若手医師の成長をサポートしてくれます。岐阜県の産婦人科医が力を合わせて作り上げる医学生、研修医のためのハンズオンセミナー、「夢プロジェクト」はまさに岐阜大学関連の先生たちの教育の熱心さを感じることができる場であります。
これからの岐阜大学での抱負をお話しします。岐阜県の最終拠点病院として、患者さんの視点に立った最高の医療を提供してまいります。また、臨床•研究•教育の発展に全力を尽くしたいと考えています。そして、産婦人科の主たる4分野である周産期、腫瘍、生殖、女性のヘルスケアをバランスよく発展させていきます。特に手術教育は得意です。岐阜県の若手医師の育成に尽力し、岐阜県全体での手術スキルの向上に努めます。そして、教室の発展のためには、教室員各々が自律的に課題意識を持ち、自ら解決していく必要があります。そのために私は、教室員が自律的に活躍するためのサポートとその環境整備を行います。
岐阜県は産婦人科医が不足している県です。私のこれまでの経験を活かし、皆様とともに岐阜県の産婦人科医を増やし、医療体制を整えて参ります。そして、産婦人科医を増やすために最も重要なことは、教室員が日々幸福感を感じながら、活き活きと診療することです。そのためには、やりがいをもって診療し、スキルアップしてもらうことはもちろんのこと、職場環境、家族との時間など多面的な角度から教室員の人生が豊かになることが必要です。産婦人科という視点はもちろんのこと、仕事、学び、生きがい、家族など様々な視点から教室員とともにキャリアを考えていきたいと考えています。教室員が幸福であることが、患者さんの幸福へとつながります。教室員が幸福であることが岐阜県の医療の発展につながります。
岐阜県の産婦人科医療を発展させてまいります。そして、岐阜大学を若手医師に魅力ある、そして全国から人が集まる教室にしてまいります。学生、研修医の皆さん、岐阜県で産婦人科医として働きましょう!待っています。