薬理病態学分野 国立大学法人 東海国立大学機構 岐阜大学大学院 医学系研究科・医学部

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ご挨拶

  このたび、岐阜大学医学部 薬理病態学分野の第6代教授を拝命いたしました。 薬理病態学分野は、昭和25年に開設された「薬理学教室」に端を発し、これまで半世紀以上にわたり、薬理学の基礎から臨床応用に至る幅広い教育と研究を展開してまいりました。歴代の先生方が築かれた伝統と実績を受け継ぎながら、次世代へと新たな価値を創造していく責務を強く感じております。 当分野では、従来の薬物作用機序や生体応答に関する基礎研究に加え、近年では磁気共鳴法(MRIやEPRなど)を用いた生命現象の可視化と分子レベルでの理解に取り組んでおります。特に、量子技術の一つである超核偏極MRI(DNP-MRI)による生体内レドックス(酸化還元)代謝の非侵襲的可視化や、ミトコンドリア機能・電子伝達活性の動態解析技術の開発は、創薬や疾患診断における新たな方向性を示すものと考えております。これらの研究は、放射線医学・分子生物学・化学・工学などの学際的連携を基盤とし、学内外の多くの共同研究を通じて推進しております。 また、薬理病態学分野としては、単に薬の効果を解析するにとどまらず、疾患の本質的な病態理解と治療標的の探索を目指しています。学生教育においても、基礎と臨床をつなぐ薬理学の魅力を伝え、将来、医療や研究の現場で柔軟に活躍できる人材を育成することを大切にしております。 今後は、これまでの研究基盤をさらに発展させ、「量子医療技術の創出」などの新領域の開拓にも挑戦してまいります。 薬理学が担う「生命機能の理解」と「治療への橋渡し」を一層深化させ、岐阜大学から世界へ発信できる研究を実現することが、私の使命であると考えております。歴代の先生方をはじめ、これまで分野の発展にご尽力くださった関係各位に深く感謝申し上げますとともに、今後とも皆様のご指導とご支援を賜りながら、さらなる飛躍を目指して努力してまいります。  

岐阜大学大学院医学系研究科 薬理病態学分野
教授 兵藤 文紀

略歴
2004年4月 九州大学 大学院薬学研究院 21世紀COE 学術研究員
2004年12月 National Cancer Institutes, National Institutes of Health (NCI/NIH) USA, Radiation Biology Branch, Postdoctral Fellow
2008年1月 九州大学 先端融合医療レドックスナビ研究拠点 特任助教
2009年4月 九州大学 先端融合医療レドックスナビ研究拠点 准教授/グループ長
2017年4月 岐阜大学大学院医学系研究科 先端画像開発講座  特任准教授
2022年4月 岐阜大学 高等研究院 准教授
2023年12月 岐阜大学 医学系研究科 薬理病態学分野 教授
東海国立大学機構 One Medicine創薬シーズ開発・育成研究教育拠点 (COMIT) 教授(兼務)
岐阜大学医学部附属 量子医学イノベーションリサーチセンター 教授(兼務)
九州大学 大学院医学研究院 特別講師
受賞
2021年3月 岐阜医学奨励賞
2020年9月 藤原賞 岐阜大学 大学院医学系研究科
2010年11月 Young Investigator Award アジア酸化ストレス学会(SFRR Asia)
2010年10月 奨励賞 電子スピンサイエンス学会
2008年10月 若手優秀発表賞 電子スピンサイエンス学会
2008年6月 優秀演題賞 日本酸化ストレス学会
2006年9月 Federal Technology Transfer Award 米国国立衛生研究所 (NIH)
2005年9月 Young Investigator Award 国際生体電子スピン計測学会
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