機器分析分野長 纐纈 守
生命科学総合研究支援センター機器分析分野は、岐阜大学のみならず学内外の研究を支援する共同利用施設として、生化学・化学・農芸化学・医学・薬学・工学などの中核的組織としての存在形態が期待されます。当分野は、昭和55年学内共同岐阜大学情報・計測センター、昭和58年計測センター、平成9年機器分析センター、平成15年4月生命科学総合実験センター機器分析分野、平成17年4月生命科学総合研究支援センター機器分析分野に改称そして現在に至ります。当機器分析分野は、長い歴史を有する共同研究実験施設として多くの諸先生・諸先輩の惜しみない献身的努力によって発展し、多くの利用者・受益者の研究の推進に貢献してまいりました。
平成19年度もここ数年間行なってきた活動を継続的に実行し、発展させる事ができました。協力員の先生方の協力のおかげで新規利用者への機器講習会も従来どおり行われています。大型精密機器高度利用公開セミナーは、第9回静的・動的な分子構造を観る:NMR編、第10回 微細構造観察の極意:低真空SEM編として開催いたしました。社会への貢献・還元と機器分析分野の大型機器の有効利用を目的として学外からの依頼分析制度を全国に先駆けて立ち上げ着実な実績を上げております。平成19年度の受託試験受入件数は、15件(内訳:県内企業7件、県外企業8件)でした。
平成19年度は、文部科学省概算要求 特別教育研究経費(特別支援事業)「生体ナノ材料構造解析観察システム」の一部採択の内示を受け、学内措置も加えていただいたおかげで複合型表面分析装置と大型電子顕微鏡システムを導入することができました。核磁気共鳴装置と複合型表面分析装置と大型電子顕微鏡は、機器分析分野でもっとも利用者の多い機種で全学の利用者への貢献度の最も高い3種の神器と言ってもよい機種です。平成18年度核磁気共鳴装置の更新とともに機器分析分野のこれら3主要機種を更新していただけた事は非常にありがたく感謝にたえません。
また、平成19年度は、会長校として第11回国立大学法人機器・分析センター会議を岐阜の地にて主催いたしました。2名の文部科学省の担当官および全国の機器・分析センターの関係者が岐阜の地に集結し、大学の教育・研究に必須の大型機器の維持管理や更新の方策について危機感を共有し、如何に乗り越えるかが活発に議論されました。
まだまだ機器分析分野が抱える問題は山のようにあります。しかしながら、大学当局や協力員の先生方をはじめ多くの理解者の方々のおかげで少しずつ進歩し、岐阜大学の発展に大きく寄与できる組織になりつつあると実感できるようになりました。共同利用施設・研究支援施設としての役割が十分に果たせるよう研究環境の整備が必定であります。今後ともご指導ご支援のほどなにとぞよろしくお願い申し上げます。 |