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顕微レーザーラマン分光システム (Laser Raman spectroscopy)

日本分光 NRS-1000

日本分光 NRS-1000
設置場所:機器分析室3

システムの概要
 レーザーラマン分光法は最も汎用性のある分光分析法の一つとして利用できる。この分光法では、照射されたレーザー光と物質との相互作用により散乱されるラマン光を測定することにより、化合物の分子種、原子団の種類、結合結晶構造、分子の配向特性などの情報が得られる。ラマン分光法は、赤外など他の分光法に比べて、サンプリングが容易、固体、液体、気体などを問わずに非破壊分析できる、またはin-situの分析ができるなどの特長を有する。そのため、半導体、ナノ材料、機能性有機高分子の構造解析に不可欠な手段となっている。特に最近、金属、半導体ナノ粒子の表面プラズモン現象を利用した表面増感ラマンでは、シングルDNA分子の検出も可能となり、DNA, タンパク質などの生体分子の機能発現メカニズムに関する研究にも威力を発揮している。従って、レーザーラマン分光技術は、ナノ材料科学と遺伝子工学の双方に有用である。
 当分野は日本分光(株)製NRS-1000シリーズ高感度・小型顕微ラマンシステムを所有している。装置の特徴として以下の5つを挙げることができる。① 励起レーザー波長は532 nmで、安定的に使用できるように空冷、100 Vの電源を使用されている。②レーザー光に対する安全対策としてクラスI(JIS規格)相当でインターロックシステムに対応している。③高感度冷却型CCD検出器が搭載されており、532 nm励起でラマンシフト値は100~8,000 cm-1の範囲で測定可能である。④試料室は、マイクロ (後方散乱)とマクロ(擬似後方散乱)の測定に両方対応でき、サンプルを設置したら、 切替で両方の測定ができる。⑤内蔵CCDとビデオキャプチャーにより試料の観察、レーザースポット、アパーチャ像をCRTモニター上に表示することができ、共焦点光学系により最小1 µmまでの試料を測定することができる。 本システムは、コンピュータはWindows OSで制御され、また、真空、高圧などを必要とせず、ミクロからマクロ分析まで対応できるなどの特徴がある。この装置によって、今日最も必要とされる有機機能性材料、医薬、生体試料、半導体、環境試料などの分析や構造解析に関わる教育・研究を一層支援することができる。 

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問い合せ先

岐阜大学
生命科学総合研究支援センター
機器分析分野
〒501-1193
岐阜県岐阜市柳戸1-1

E-mail:kiki@gifu-u.ac.jp
TEL 058-293-2035