装置の概要 電子スピン共鳴(Electron Spin Resonance;ESR) 装置は,試料の形状(液体、気体、固体)に影響されることなく、非破壊で、選択的にフリ-ラジカルを測定できる唯一の手段である。ESRの測定対象は、不対電子(unpaired electron)であるため、不対電子を持つ物質はすべて測定可能である。鉄や銅などの金属イオンは、古くからそれらを含む錯体の構造解析が行われてきたが、これらの金属イオンを含むタンパク質も測定可能であり、酵素などの生体試料の構造機能解析に係る研究にも広く用いられるようになった。特に、これらの酵素の一部が生体内で作り出す活性酸素の研究も近年盛んに行われている。この分野で確立されたフリ-ラジカル測定の技術は、光触媒効果の評価、ソノケミストリー、ダイオキシン分解などの環境関連分野でも利用されるようになっている。また、忘れてはならないのが格子欠陥というタイプの不対電子で、半導体ウェハやガラスファイバーなどの性能に大きく寄与することから、半導体材料の開発にも応用されている。 |
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日本電子 JES-FA100(柳戸地区) 設置場所:機器分析室7 |
概要 日本電子製JES-FA100は、フルコンピュータコントロール/Windowsオペレーションの最新のESR装置である。従来のESR装置で、共振周波数を探し、フェーズとカップリングアイリスをマイクロ波のパワーを変えながら調整するのは、ある程度の慣れが必要でしたが、JES-FA100では、ジャストカップリングのためのマイクロ波調整は"AUTOTUNE "ボタンひとつで完了できる。また、Windowsオペレーションの画面において、スペクトル取りこみ画面とデータ処理画面のシンプルに構成されている。取りこみ画面では、ESR測定条件のほか、連続測定-自動保存、測定温度設定、積算その他の取り込み条件を各ウィンドウから設定できるようになった。 仕様 ・感度:7×109 spins/0.1 mT (100 kHz磁場変調にて最大出力200 mW) ・分解能:2.35 µT以上 (100 kHz磁場変調にて空洞共振器内4×43.5 mm) ・磁場安定度 短期 1×10-6 または 0.3 µT以上 長期 5×10-6 または 1.5 µT以上 |
Bruker Biospin EMXmicro(医学地区) 設置場所:生命科学棟1階111室 |
概要 磁場の影響下に置かれた試料中の不対電子は、ある特定のエネルギーを持つ(周波数の)マイクロ波を吸収し、高いエネルギー準位へと遷移する。この現象を利用することで不対電子の検出を行うのが電子スピン共鳴である。遷移金属イオンもしくは有機化合物中のフリーラジカルの検出に用いられる。 |
岐阜大学
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機器分析分野
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