書かないと書けない

11月は、担当講義もなく、比較的自由な時間がとれるので、
自分の実験をしたり、論文書きに、集中できます。

「優秀な研究者は、研究の筋道が見え、実験結果が出る前に、論文を書ける。」
というのを、聞いたことがあります。
私の場合、そんな風にはいきません。

論文書きの序盤は、
「さぁ山を登るぞ」、という気持ちです。
自分にスイッチをいれて、よっこらしょ、という具合でしょうか。

研究分野もよく知っていて、実験結果も出揃っているはずなのに、
書くことには、辛さがともないます、未だに。

う~ん、と唸っても何も進まないので、
似たような文献を探して、読み込むと、
実験結果の料理の仕方がわかってきて、筆が進み始めます。
読んで、書いて、読んで、書いて、の繰り返しです。
1つの論文を書ききるのに、結局、
50~100報の文献をあたることになります。

論文書きの終盤は、
「山を登りきった」、というより、
「木から仏が生まれる」、という感覚でしょうか。
「あっ、いい形に落ち着いた。」という具合に。

とても根気が要るのですが、
論文を書ける、というより、論文を読める、ようになります。

「大学教員といえど、論文を書けない人は一杯いるから、書けるようになりなさい。」
と、大学院時代に指導されました。
みっちり訓練され、投げ出したくもなりましたが、
良い指導を受けていた気がします。

2017年11月28日