E964実験(BNL-AGS)
E373実験の10倍(=100個のダブルハイパー核)が
得られる実験を、AGS-BNL(
Brookhaven National Laboratory) 2001年8月22日に申請しました。ダブルハイ
パー核が100個もあれば、数種類のダブルハイパー核でΛΛ間の力の強さを測るこ
とができると期待しています。そうすれば、2個のΛが付いている陽子・中性子部
分(コアの部分)の影響を取り除いた、まさにΛΛ間に働く力を引き出すことが
できます。
またこの実験では、東北大の
グループと共同して、ストレンジネスが−2(S=-2)の原子から発せら
れるX線を初めて測ります。原子軌道にあるS=-2のΞ-
は、微弱に「染みだしている」強い力により高い原子軌道で核に吸収されます。
Ξ-が軌道を遷移する際に発するX線は、強い力が働くことで、
電磁相互作用のみの場合とはエネルギーがわずかに異なります。理論計算による
とこの相違は数eVですが、最近開発された「ハイパーボール」と呼ばれる装置で
測定できます。
さらにこの実験では、2個のΛ粒子が(K-,
K+)反応点から放出されるような事象を、過去の100倍近い統
計で調べることができ、共鳴状態にあるようなH
ダイバリオンの存否を調べることにしています。一方理論的には、H
ダイバリオンがあるとすれば、ダブルハイパー核の壊れ方に特徴があらわれると言
われており、100のダブルハイパー核を詳しく解析することによっても、H
ダイバリオンの存否について大きな進展が期待されます。
この実験の申請書は下記にありますので、自由にダウンロードしてください。
proposal.pdf [size=2.31MB]
/
proposal.ps [size=30.5MB]
実験申請は、米国への同時多発テロ後の9月28〜29日に開かれた、実験計画諮問
委員会で審査を受け、10月5日付けで採択されました。来年度(2002年度)からの補
助金を文部科学省へ早速申請したところですが、採択された場合には、2004〜2005
年に現地(BNL)でビーム照射を行い、2007年には100個のダブルハイパー核がこの世
に姿を表わすものと期待しています。
審査結果報告書 Letter from Tom. Kirk (MS-Word file)[size=25.5kB]
Transparencies download
Goal of E964 (eps file)[size=911kB]
Setup of E964 (eps file)[size=328kB]
Beam_line layout of E964 (pdf file)[size=69.6kB]
mail to ==>
office@phys.ed.gifu-u.ac.jp
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