工学部 化学・生命工学科 安藤研究室  

   

Z選択的Horner-Wadsworth-Emmons試薬の開発

Horner-Wadsworth-Emmons (HWE) 反応 (式1) は、α,β-不飽和エステルなどのC=C結合を有する化合物を高いE選択性で与える極めて汎用性の高い反応です。一方、Z選択的な反応としては、Stillらの方法1が最も汎用されていますが、塩基として(Me3Si)2NK (KHMDS) を用いるため、厳密な無水条件が必要であることや、高価で吸湿性の18-crown-6を5当量必要とするなどの欠点を有しています (式2)。そこで本研究室では、より実用的なZ選択的HWE試薬としてジアリールホスホノアセテートを開発しました2-4。この試薬を用いたHWE反応は無水条件を必要とせず、安価な試薬のみから極めて高い収率、Z選択性でα,β-不飽和エステルを与えます (式3)。この実用性から、現在では生理活性物質の全合成などに幅広く用いられています。なお、このZ選択的HWE試薬は東京化成工業株式会社より販売されていますWebページ】【パンフレット

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1) Still, W. C.; Gennari, C. Tetrahedron Lett. 1983, 24, 4405-4408.

2) Ando, K. Tetrahedron Lett. 1995, 36, 4105-4108.

3) Ando, K. J. Org. Chem. 1997, 62, 1934-1939.

4) 安藤香織 有機合成化学協会誌 2000, 58, 869-876.

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