場面 ① 新しい言葉を覚えさせたい
児童は授業内はもちろん、授業外でも様々な単語や文に触れます。それらの言葉を覚えることで、語彙力が上がり、児童は自分の気持ちを豊かに表現できるようになります。
教え方のポイント
1文字と意味と発音をセットにして教える
意味は視覚化したり動作化したりして伝えます。文字は見せるだけでなく、書かせることも大切です。発音は先生の発音を聞かせたり、児童にも発音させたりしましょう。体の様々な感覚器官を使って覚えさせることがポイントです。
※視覚化や動作化については場面②を参照してください。
2活用させる
使用法や背景知識を補足して、場面を変えて活用させます。場面は児童にとって身近なものがよいです。
事例|教師の働きかけ
- 『委員会』がわかりましたね。
- ○○小学校には『給食委員会』や『放送委員会』や『美化委員会』があります。
- △△さんは何委員会に入りたいですか。
3掲示する
教科書に出てくる重要語句や覚えにくい言葉は教室内に掲示していつでも見られるようにしましょう。その際、ただ重要語句を書き出して並べるのではなく、意味の難しい語句は児童の知っている言葉や簡単な言葉で言い換えたり、一目で意味を確認できるように表にまとめたりしましょう。
4キーワードを示す
焦点化して教えることが大切です。また文章だけでなく、視覚的にどこが大切かを一目でわかるようにすることで、児童が板書を頑張って写せるようになります。
※注意
新しく出てきた言葉にはルビを振りましょう。しかし、2回目以降はなくして思い出させるようにしましょう。
先輩からのアドバイス
漢字を覚えさせるための工夫
漢字は国語以外の活動や教科でも、また日本で生活していく上でも大切です。外国人児童にとって漢字は難しく興味を持てないことも多いので、成り立ちや用法、偏(へん)や旁(つくり)にも触れ、楽しく自分から学びたいと思えるような工夫を行いましょう。
- イメージを持たせる(例:「しんにょう」は人間が正座している様子)
- 補助線入りのマスで形に気を付けさせる
- 友達と一画ずつ交互に書かせて書き順を意識させる
- 部首とつくりのパズル
- 漢字で神経衰弱(「例:「漢字カード」と「ひらがな(読み方)カード」または「漢字カード」と「絵カード」を使い、2つを合わせて取らせる。)
- 漢字でカルタ(例:「漢字カード」だけを並べておいて、読み仮名を言ったり、その漢字を表すイラストなどを見せてカードを取らせる。)
語彙力を高める
小学校1、2年の児童は、外国人児童であるかどうかにかかわらず語彙力が低いため、学級全体で語彙力を高めるための取り組みをしてもよいかもしれません。そこで忘れていけないのは、外国人児童には他の児童と同じように接すること、しかし同じ活動をしても時間がかかるのが外国人児童です。適切な支援を行いながら進めることが大切です。