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■動物インターンシップ実習
 応用動物科学コースの3年生の科目「インターンシップ実習」では,大学で学んだ知識を再認識し,新たな疑問や課題を発見するとともに,将来就業を希望する職種への適性の自己確認と就業観の育成を促すことを目標として,毎年夏休み等を利用して,学外機関での実習を行います。選択科目ですが,毎年ほぼ全員がこのインターンシップ実習に参加しています。

分野 実習先 (2007年以降の実習先を抜粋)
 畜産・食品・環境関係の
 研究所
岐阜県畜産研究所(飛騨牛研究部酪農研究部養豚研究部養鶏研究部)(岐阜県),家畜改良センター茨城牧場長野支場(長野県),岐阜県生物工学研究所(岐阜県),岐阜県保健環境研究所(岐阜県),株式会社 後藤孵卵場(岐阜県) など
 動物園 群馬サファリパーク,東京動物園協会恩賜上野動物園,豊橋総合動植物公園(愛知県),名古屋市東山動物園(愛知県),日本モンキーパーク(愛知県),アドベンチャーワールド(和歌山県),京都市動物園,大阪市天王寺動物園,姫路市立動物園(兵庫県),姫路セントラルパーク(兵庫県)など
 水族館 鳥羽水族館(三重県),長崎ペンギン水族館 など
 観光牧場
 ふれあい系動物園
掛川花鳥園(静岡県),IPCわんわん動物園(愛知県),IPCペットふれあい王国(愛知県),鷹山ファミリー牧場(長野県),伊賀の里モクモク手づくりファーム(三重県) など
 野生動物関連施設 環境省・対馬野生生物保護センター(長崎県),Wildlife Images (Rehabilitation & Education Center) など
 動物病院 はっとり動物病院(京都府),松波動物病院メディカルセンター(愛知県)など

  インターンシップの実施にあたり,各施設の皆様のご指導,ご協力に大変感謝申し上げます。


■実習レポート


新カリキュラムスタート 「動物を扱う仕事で重要な“人とのコミュニケーション”」
近江 侑希さん(応用動物科学コース4年)
環境省・対馬野生生物保護センターで夏季実習  2011年8月16日(火)~ 8月25日(木)





 皆さんは,ツシマヤマネコという動物をご存知でしょうか。ツシマヤマネコは,長崎県対馬にのみ生息する野生のネコで,日本では沖縄県西表島に生息するイリオモテヤマネコと本種の2種のみが野生ネコとして生息しています。しかし,ここ数十年にかけて野生下の個体数が減少し続け,現在では80~110頭と推定され,絶滅の危機に瀕している種の一つとされています。
 私は今回,ツシマヤマネコを中心とした野生生物保護に取り組んでいる対馬野生生物保護センターで10日間実習に参加させていただきました。私は卒業研究で,ツシマヤマネコの繁殖生理に関する研究を行っており,実験室での研究に少しでも生かすことができればと考え実習に応募しました。実習では,様々な分野の講義を受けたり,清掃や給餌を行ったり,ヤマネコの検査の様子や動物病院を見学したり,調査体験を行ったり,来館者や地元の方々と交流したり,夜に野生のツシマヤマネコを捜したり…。とても貴重な体験をさせていただき毎日がとても充実していました。
 この実習で強く感じたことは,野生動物を扱う仕事といえども,人とのコミュニケーションが重要,ということです。この実習に来る前は,ツシマヤマネコの保全に関してヤマネコ自体のことしか考えていませんでした。しかし,保全にはヤマネコ自体よりもむしろ対馬に住む人々との関わり合いも重要でかつ難しいように感じました。これは,地域との連携が不可欠(対馬の土地の約9割が民有地であることや,ヤマネコの生息環境が人の生活に近い所を利用していることなどから)であるのに加えて,普及啓発活動や,イエネコ対策としての住民の理解,交通事故対策での行政との連携,などこの他にも様々な活動を通して多くの人々と関わる必要があることを実感しました。と同時に,地域で生活する人々の理解と協力が得られないと解決は難しく,そのためには対馬の生物と人が幸福になる解決策が必要で,解決には地道な努力が必要であることも身に染みて感じました。
 それと関連して,異なる考え方を持つ人々の意見をどうまとめるか,も重要であると感じました。ツシマヤマネコの感染症対策に,イエネコへのワクチン接種や避妊手術が必要となりますが,様々な考え方があり,どのように折り合いをつけて皆の納得できる形にするか,たとえそれが正論であっても自分の意見を押し付けることはできません。これは,私たちの普段の生活にも言えることではないでしょうか。
 今回この実習に参加させていただき,ツシマヤマネコの保全には予想以上に様々な問題があることに最も驚き,自分自身で考えさせらせることが多くありました。今後,自分の研究が少しでもツシマヤマネコの保全につながることを願いつつ,毎日地道に研究に励もうと思います。



新カリキュラムスタート 「観察すること・されること」
深澤 夏奈さん(大学院応用生物科学研究科1年)/大阪市天王寺動物園で飼育実習


 野生動物に関わる仕事に就きたいという夢があります。そこで,動物園のキーパー(飼育員)とはどのような仕事かを知り,自分がこの仕事をやっていけるかどうかを確かめる為,飼育実習を受けさせて頂きました。2週間の実習期間中,サバンナの草食動物とライオンやオオカミなどの肉食動物を担当しました。実習内容は,飼育舎の清掃や餌の調理,給餌,動物の状態チェックといった,毎日の基本的なキーパー業務に加えて,獣医師の診察や治療,また健康診断などの為のトレーニングの見学もさせて頂きました。
 この実習で最も多く学んだのは『観察』です。業務のうち,一番時間と労力を要するのは清掃ですが,一番大切なのは動物を観察することだと教わりました。動物の観察は,動物の生活を日々支え,向上させていくために絶対に必要なことです。その日の給餌量,診察や治療,動物の機嫌(しっかり見ておくことで事故を未然に防ぐ),発情兆候の有無,エンリッチメント(興味を示すものなどがわかれば,生活に刺激や変化を与えられる),動物とキーパーとのコミュニケーションなど,これら全てに観察から得られる情報が利用されます。そのため,少しでも長く観察の時間を取れるようにされていました。
 そしてもうひとつ,動物も人を観察している,ということを強く感じました。キリンやエランドが放飼されているグランドに,初めて足を踏み入れたときの緊張感は今も忘れません。動物たちは皆「誰だ,あいつは」と言わんばかりにこちらを見てきます。そして,人によって明らかに態度を変えるのです。同じキーパーさんや獣医師でも,個人個人で態度を変える動物の姿は,見ていてとても興味深いものでした。ある日,収容時間になって扉を開けても,放飼場からカバのテツオ君が帰ってこないことがありました。見慣れない実習生が居るから気にしているのかもしれないと思い,私がソワソワしていると,キーパーさんはにっこりしながら「まぁ~,休憩でもしながら気長に待ちますか。」と声をかけてくださいました。「焦ったり急かしたくなったりするこっちの気持ちは,動物に伝わる。だからこういう時は,時間いっぱいまで『いつでも帰っておいで』ってゆっくり待ってやるんだ。」…この言葉をお聞きし,キーパーさんが動物をよく見ていること,動物もよく人を見ていること,そこからコミュニケーションが生まれるということを学びました。動物の話をするキーパーさんや獣医さんの優しい表情に,本当に動物が好きでこの仕事をしているのだなと感じ,自分自身もどれだけ動物と過ごす時間が好きか,改めて実感することができました。今後も将来の夢のため,頑張りたいと思います。


新カリキュラムスタート 「どんな職に就いたとしても『考えて仕事をする』ことが重要」
的場 美汐さん(応用動物科学コース3年)/姫路市立動物園で飼育実習
「岐大のいぶき」 No.20,2010年10月号 掲載








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