Lafcadio Hearn "In A Japanese Garden"

from "Glimpses of Unfamiliar Japan" 1894
renewal!

1998.9.2 renewal






リニューアル版への序

1998.9.2

    やっとハーンの愛した夏の庭の映像をアップすることができました。

    明治二十年代の日本の「サムライ」の「家中屋敷」の庭の様子を克明に描写した文学者のテキストと、その文学者の愛した百年前の様態をほぼそのままにとどめているヘルン旧居の庭、というふたつのモチーフが一緒になったとき、これは私にとってはインターネットの最高のコンテンツでした。

    前回はハーンテキストの翻訳から映像の圧縮まで悪戦苦闘しつつ、「日本の庭」というテキストのイメージがすぐれて文学的な美しさをもちながら、しかも庭の実際に照らして実に正確な叙述であることに驚き、それだけにハーンがもっとも愛した季節である夏の庭の映像を撮ってみたいという気持ちに駆られました。今回これをアップしたことで、今後は部分的な更新のみにとどめ、事実上「日本の庭」の映像版はこれをもって最終版としたいと思います。

    百年前から見れば、庭の木々の代も変わりました。庭の砂やそして庭の造作自体も月日の流れの中ですこしずつ変化してきている。庭もまた生きたものなのです。太平洋戦争中もほそぼそと公開されていた庭、そして数年前に積もった砂を取りのけてほぼハーン在世当時のすがたに復元された南の庭など、庭自体も生きて変化している、というのは、言われてみれば当たり前のことですがわたしには驚きでした。その意味ではこのページの映像は、ここで更新をストップするのが妥当でしょう。

    なお副産物として、この庭を作り上げそして屋敷の内部の手直しをしたのが実はハーンに家を貸した人々であったことがわかりました。ハーンの驚嘆した庭自体が、江戸時代の庭師によるものではなく実は明治維新時の松江藩士の手すさびだったのです。このあたりの事情については、また機会があれば触れていきたいと思います。

    (ところで、久しぶりに訪れた松江の街の人たちは、旅行者に対しやはりみんな親切でした。今回はバスを乗り間違えるというヘマをやらかしましたが、運転手さんは「お金はいいから、すぐ後ろから来るバスに乗り換えればいい」といってくれました。その節は、みなさん、いろいろとありがとうございました。)






copyright (C)Negishi Yasuko 1998.2

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