高橋研究室 (旧 関根・高橋研究室)
岐阜大学工学部 電気電子・情報工学科 電気電子コース 情報システム工学講座

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研究紹介

不均一線路による3次元結合配線網の時間領域等価回路の研究

  ディジタルシステムの特性は時間領域で規定されるため,その配線網の動作特性を精密に知るためには,3次元電磁解析を行う必要がありますが十分な設計指針が得られていません.本研究では,3次元結合回路網の時間領域特性を不均一線路で等価表現し設計指針を得ることを考えています.

共振器結合型フィルタの広帯域化に関する研究

  UWB(超広帯域通信)やIR(インパルス通信)など,より広い周波数特性を使用する通信方式が現在注目を集めています.本研究は,UWBやIR通信で使用される広帯域フィルタをマイクロ波帯で作製容易な共振器結合型構造で設計することを考えます.

リアクタンス変換を用いるウェーブディジタルフィルタに関する研究

  実信号を実部とする複素信号を作り複素信号処理すると,柔軟かつ高度な信号処理が可能です.また,リアクタンス回路の波動をディジタル回路でシミュレートするウェーブディジタルフィルタは,低素子感度なフィルタとなります.本研究では,複素素子を導入してより高性能なフィルタを設計を考えます.

断熱的論理回路に関する研究

  集積化回路設計において高速性能と低消費電力化は重要な課題であり,世界中で超低消費電力集積回路の設計が急がれています.この超低消費電力集積回路の1つに断熱的論理回路と呼ばれるものがあります.
  断熱的論理回路とは,電源から回路に注入された電荷を再び電源へと回収し,通常ではグランドに流れてしまう貫通電流による電荷エネルギーの再利用を行う回路技術のことです. この断熱的回路技術を用いた断熱的論理回路が下図に示す「2PADCL」と呼ばれるもので,従来の断熱的論理回路よりも低消費電力を1/2〜1/4低減できます.
  当研究室で開発した2PADCLをもとに,さらに低消費電力かつ高速スイッチング特性をもつ断熱的論理回路の研究を行っています.



図: 2相正弦波を用いた断熱的論理回路(2PADCL)


参考文献: Y.Takahashi, Y.Fukuta, T.Sekine, and M.Yokoyama, "2PADCL: Two phase drive adiabatic dynamic CMOS logic," Proc. of APCCAS 2006, pp.1486-1489, Dec. 2006.(PDF File: 208kB)


FIRフィルタの小面積集積回路化に関する研究

  FIRフィルタは,デジタル信号処理において基本的な演算要素の1つであり,高速化にはカスタムLSI設計によるハードウェア実現が必要となります.しかし,乗算器はゲート数が多いために乗算器そのものを実装すると,回路規模の面で実装困難となる場合があります. 一般に,乗算はビットシフトと加算により実現できるために,固定係数のFIRフィルタの場合は加算器のみで構成可能できます.この係数値と入力信号を畳み込むための加算器ブロックは定係数乗算(MCM)ブロックと呼ばれ,MCMブロック内の加算器をさらに減少させる方法がいくつか提案されています.
  当研究室では,共通部分項除去法により無乗算FIR フィルタの設計法を検討し回路実装することで,さまざまな方法における回路面積および遅延時間の差違を検証しています.



図: ビットシフトと加減算器で合成されたFIRフィルタの例


参考文献: Y.Takahashi, T.Sekine, and M.Yokoyama, "A 70 MHz multiplierless FIR Hilbert transformer in 0.35 µm standard CMOS library," IEICE Trans. Fundamentals., vol.E90-A, no.7, pp.1376-1383, July 2007. (PDF File: 731kB)

 
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