学生研究員の紹介


腫瘍病理学教室では、研究室配属や学生研究員の学生とともに、積極的に英文誌投稿を行っています。


■病理組織学に基づいた研究を行うことにより、将来多くの医学研究や実際の医療現場の病理診断で用いられるレベルの手法(免疫組織化学など)の基礎を学んでいます。
■英文誌投稿のレベルにある研究の一端を担ってもらうことで、学生にとって貴重な成功経験となります。
■この成功経験は、医師としての最初の業績(医学研究の足跡)となり、しかも世界に通用するものです。

【学生研究員による英文誌発表】


1. Hisamatsu K, Noguchi K, Tomita H, Muto A, Yamada N, Kobayashi K, Hirata A, Kanayama T, Niwa A, Ishida K, Nakashima T, Hatano Y, Suzui N, Miyazaki T, Hara A.
Distinctive crypt shape in a sessile serrated adenoma/polyp: Distribution of Ki67-, p16INK4a-, WNT5A-positive cells and intraepithelial lymphocytes. Oncol Rep. 2017;38(2):775-784.

論文1

【紹介】この論文は、右側大腸癌の前癌病変とも言われる鋸歯状腺腫/ポリープ(Sessile Seratted Adenoma/Polyp; SSA/P)という病変に注目しています。SSA/Pは病理組織学にしか診断不可能な病変で、不思議な形態をしています。さらには、その名称の如く、腺腫なのか?ポリープなのか?(悪性か?良性か?)わかっていません。その形態の形成の謎を免疫化学染色とその詳細な解析(陽性細胞をカウントしました。大変な数です!)を、二人の学生さんが1年かけてしてくれました(研究室配属→学生研究員)。病理組織学ならではの研究でととても興味深い内容です。



2. Niwa A*, Kuwano S*, Tomita H, Kimura K, Orihara Y, Kanayama T, Noguchi K, Hisamatsu K, Nakashima T, Hatano Y, Hirata A, Miyazaki T, Kaneko K, Tanaka T, Hara A.
The different pathogeneses of sporadic adenoma and adenocarcinoma in non-ampullary lesions of the proximal and distal duodenum. Oncotarget. 2017;8(25):41078-41090.   *Equal contribution

論文2

【紹介】この論文は、十二指腸腺腫や癌は近位部と遠位部とでは特徴が違うのではないか?という疑問から生まれたものです。特に、乳頭部より近位では胃酸やヘリコバクター・ピロリ菌の影響をより受け、遠位では胆汁の影響を受けると言われてきました。本研究では免疫組織化学を行い、詳細に解析しました。3名の学生さんが研究室配属で腫瘍病理に入り、その後も1年間授業の合間をぬって染色と解析をしてくれました。第一著者のKuwano君が中心になって行ってくれました。


 お問い合わせは
     准教授  富田 弘之 までお気軽にどうぞ。

           E-mail : h_tomita@gifu-u.ac.jp