獣医内科学研究室では動物の疾患の病態生理を深く理解し、より良い診断および治療を実施するための研究を行っています。勤務分野を問わず、獣医師は科学者としての考え方を身につけることが重要です。研究を通じて科学的、論理的な思考を鍛え、かつ情報を収集・発信する能力を磨くことが本研究室の目標です。

また臨床系研究室には優れた臨床獣医師を養成する責務があります。本研究室では岐阜大学動物病院での内科診療を通じて、実践的な臨床教育を行っています。獣医師免許を持つ大学院生、研究生、研修獣医師は教員の指導の下で診療を担当するほか、学部学生は診療の補助を行い、実際の小動物臨床の現場を経験することができます。

配属研究室を選択する学部生の皆さんへ

獣医内科学研究室は臨床系研究室であり、動物病院での診療に参加することで小動物臨床の知識および技術を習得することができます。また同時に科学者として研究を進める能力を磨くべく、卒論では様々な実験をしなければなりません。これら2つのことを同時に行うことは、体力的にも、日々のスケジュール的にも非常に大変であると思います。しかしこれらを同時に進めることで、基礎から臨床までの獣医学の知識をつなぎ合わせ、深く理解することができるでしょう。

研究室の見学は学年を問わず、随時歓迎しています。事前に西飯まで連絡の上、研究室(動物病院2階)までお越しください。

最近の卒業論文
令和3年度
培養イヌ骨格筋細胞における血清飢餓による筋萎縮に対するロイシンの効果
阿部 範子
Novel therapeutic strategy for canine inflammatory bowel disease via the transplantation of canine M2 macrophages labeled with super-paramagnetic iron oxide nanoparticles
吉村 泰然
令和2年度
犬の腎臓病における尿中脂質の評価に関する研究
廣瀬 弘太郎
The effect of Macrophage migration inhibitory factor on the function of the intracellular protein degradation system in the cells expressing the canine mutant SOD1 protein
宮崎 陸
令和元年度
ラット病態モデルを用いた水腎症の進行度を表現する腎障害マーカーの検索
石戸谷 和季
培養イヌ骨格筋細胞におけるグルココルチコイド筋萎縮の病態解析
野村 恵里
The inhibitory effects of MIF on accumulation of mutant SOD1 aggregation in the in vitro model of canine degenerative myelopathy
野村 咲
平成30年度
イヌにおける肝臓型脂肪酸結合タンパク質の腎傷害マーカーとしての有用性に関する研究
永森 裕美子
イヌのグルココルチコイド誘導性骨格筋萎縮の病態の解析
松岡 利雄
平成29年度
ネコの腎臓における肝臓型脂肪酸結合タンパク質の発現と腎傷害マーカーとしての有用性に関する研究
岡田 梨江
ネコにおけるDipeptidyl Peptidase-4の発現およびインスリンシグナリングへの影響
松葉 萌香
平成28年度
ネコにおいてシタグリプチンがインスリン感受性に及ぼす影響
伊藤 絵美
マイクロミニピッグを用いた小児肥満モデル作成条件の検討
島本 遼平
平成27年度
イヌCYP17A1塩基配列の同定とタンパク質発現条件の検討
山田 香織
平成26年度
イヌにおけるD-プシコースの生理作用に関する研究 安全性と糖代謝および脂質代謝への影響の検討
野溝 徹

大学院進学を希望する方へ

獣医内科学研究室では大学院生を募集しています。本研究室の研究に興味のある方はご連絡ください。また岐阜大学・鳥取大学 大学院共同獣医学研究科のホームページもご覧ください。

博士課程では博士号取得を目標に研究を行います。研究者を目指す方はもちろん、臨床家にとっても博士課程での経験は有意義なものとなるでしょう。

最近の学位論文
平成28年度
マイクロミニピッグにおけるCD4遺伝子多型に関する研究
松原達也
平成27年度
ネコ抗インスリンIgGの生物学的結合特性に関する研究
鈴木貴文
平成25年度
ネコの抗インスリン自然自己抗体(IgG)に関する研究
高島 諭
平成23年度
猫のアミノ酸および脂肪酸におけるインスリン分泌刺激性に関する研究
保田恭志
平成20年度
肥満犬におけるレプチン抵抗性に関する研究
西飯直仁
平成19年度
黒毛和種牛における発育不良に関する研究
高須正規