テーブル装置のように共振が発生する多慣性系システムにおいて高速・高精度の位置決めを実現させるために,残留振動やトルクを抑制する目標軌道の生成が重要です。しかしながら,目標軌道生成手法の一つである終端状態制御(FSC)による軌道生成手法では,生成する軌道における移動時間の増加に応じて計算時間が大幅に増加する恐れがあります。
そこで,終端状態制御によって生成される軌道と同等の軌道を生成可能な最適軌道生成フィルタを深層学習(DL)による軌道設計の研究を行っています。
岐阜大学工学部機械工学科知能機械コース メカトロニクス / 航空宇宙生産技術開発センター
テーブル装置のように共振が発生する多慣性系システムにおいて高速・高精度の位置決めを実現させるために,残留振動やトルクを抑制する目標軌道の生成が重要です。しかしながら,目標軌道生成手法の一つである終端状態制御(FSC)による軌道生成手法では,生成する軌道における移動時間の増加に応じて計算時間が大幅に増加する恐れがあります。
そこで,終端状態制御によって生成される軌道と同等の軌道を生成可能な最適軌道生成フィルタを深層学習(DL)による軌道設計の研究を行っています。
動画(YouTube)
近年,バリ取り工程においてロボットによる自動化のニーズが高まっています。しかしながら,比較的安価な小型ロボットでは剛性が低いために数um単位の高精度なバリ取りを実現することが難しく課題となっています。
そこで,研磨用回転ブラシの押し付け力をVCMステージによって高精度に力制御するバリ取りロボットを開発しました。回転ブラシの押し付け力(反力)を反力推定オブザーバによって推定することにより,力覚センサ使用時より広帯域での力制御が可能となります。これにより,研磨対象の輪郭に対する高い追従性能が実現可能です。
CMC触覚センサとは本学の川村先生が発明されたセンサであり,圧力により電気的特性が変化することを利用したセンサです。本センサをロボットに実装するため,CMC触覚センサのさらなる特性解析を行っています。
動画(YouTube)
ロボットにおいて作業者による塗布作業を教示して再現する際に,塗布対象とロボットの相対位置や刷毛における硬さの違いにより,作業者と同じ力加減を再現することができず,塗布材にむらが発生する恐れがあります。
そこで,繰り返し学習により作業者と同じ力加減となるように教示データを補正することによって,むらの発生を抑えることできます。
今後さらなる需要が見込まれるロボットが多くの現場に導入可能なように,ロボットの小型化が重要な課題の一つとなっております。そこで,一台のモータでリニアモータ及び回転モータの動作を実現可能な二自由度モータの開発を行っています。また,本二自由度モータは磁気ねじ構造により高い出力発生可能であると共に摩擦が小さく,ロボットの小型化のみならず省エネルギー化に貢献可能なモータです。
さらに,磁気ねじ構造に磁気ギアを組み合わせた磁気ギアードスクリュー構造を適用することにより,推力と共にトルクの出力向上が可能となり,ロボットの高機能化に更なら貢献が可能です。磁気ギアードスクリュー構造に基づいた二自由度モータの詳しい内容はこちらへ。
なお,本磁気ギアードスクリュー構造に基づいた二自由度モータの開発は競輪の補助事業を受けて実施しました。
動画(YouTube)
時間や労力の削減のために,生産工程において単純作業だけでなく複雑な作業の自動化に対するニーズも高まっています。しかしながら,人間は複雑な作業を行う際に〈時々刻々と変化する作業環境に応じて適切に判断し、作業する〉ことを意識せずに行っています。このような行動は、単純な繰り返し動作や教示通りの作業を行うことを得意とする機械やロボットにおいて困難を要します。
このように複雑な人作業の一つとしてボルト同士をワイヤによって繋げるワイヤリング作業があります。本研究では本学加藤研究室の協力の下,自動ワイヤリングシステムの研究開発を行っています。カメラ画像に基づいて人が遠隔操作ロボットを用いた作業を行い,その際のカメラ画像情報とロボットの操作情報を学習させる模倣学習と,メカトロニクスに基づいたロボット制御の高速化によってワイヤリング作業の自動化を目指しています。
航空機の部品同士を締結するためのリベット孔は,高い加工精度が求められます。現在は大型専用機や熟練技術者によって加工されていますが,コストや汎用性の問題で産業用ロボットを用いた自動化の需要が高まっています。しかし,産業用ロボットは位置精度の低さや剛性の低さによって高精度の孔あけが難しいです。
そこで,ロボットの先端にドリルの送り動作のみを担うエンドエフェクタを搭載し,ドリルの位置やワークへの押し当て力を制御して孔あけを行い,高精度穿孔加工を実現させます。
自動車の内装や人工皮革に使用される不織布は製品の品質や安全性の確保のため,製造時に異物が混入していないか検査する工程が設けられています。現在,この異物検査は作業者の目視によって行われており,長時間の作業による作業者の負担や作業者によって判断の基準が曖昧になることが課題となっています。
そこで画像処理システムによる検査の自動化を目指しています。特に,本研究では画像処理において必要となる最適パラメータの探索に着目し,遺伝的アルゴリズムによる自動パラメータ探索の研究開発を行っています。また,ライン工程を模擬した実験装置を使用して,実用化を考慮した自動検査手法の検証を進めています。さらに,画像処理技術だけでなく画像認識(深層学習)を用いた異物検出法の研究も行い,最適な検査手法の確立を目指しています。