研究室活動
日本機械学会2020年度年次大会
2020年9月13日(日)~9月16日(水)の日程で開催された日本機械学会2020年度年次大会「人・モノ・未来をつなぐ機会工学」に上坂GよりM1末松が参加しました.
第26回卒業研究コンテスト
『一個流し成膜のための基材包囲円筒ターゲットを用いたHiPIMS成膜技術の開発』
本研究では,1個流し・インライン成膜に対応した成膜技術革新の推進を背景に,1個流しまたは小ロット・インライン成膜へのHiPIMS技術の対応を目的として基材包囲型ターゲットを有する同軸型マグネトロンスパッタリング装置を試作,試作した装置を用いたHiPIMS法による作動検証について発表しました.
初の学会発表&web開催という慣れない状況であったためとても緊張しました.
コンテストでは最優秀賞をいただくことができ,研究へのモチベーションが上がりました.
年次大会に参加するにあたり,他の方の発表も聴講しました.
以下,聴講した内容を紹介させていただきます.
①『Sn薄膜による鋳鉄の表面改質』(名城大学 安井様)
鉄系合金上でのSn成膜の摩擦低減効果の検証およびSnの分布の摩耗特性への影響検証を目的として、鉄系合金上にSn膜を不均質になるように成膜し,膜の不均一性が摩擦低減に寄与する可能性について評価されていました.
結論として,黒鉛の存在の有無に関わらず,鉄系合金上に機械的にSn膜を不均質に成膜することで摩擦低減効果が得られることが示されていました.
②『窒素イオンビーム支援FCVA 法によるta-CNx 膜の膜質と耐摩耗性に及ぼす照射角度の影響』(名古屋大学 平田様)
IBA-FAD法による、照射角度がta-CNx 膜の膜質および耐摩耗性に及ぼす照射角度の影響解明を目的として,それぞれ照射角度がta-CNx 膜の膜厚、膜硬度および耐摩耗性に与える影響について評価されていました.
結論として,膜厚は照射角度の余弦に比例,硬度は照射角度の余弦の二乗に比例およびイオンの衝突方向の運動エネルギに比例,比摩耗量は硬度の逆数に依存することが示されていました.
同世代の卒業研究の発表を聞き,大変刺激になりました.
今回の発表・聴講を通して,自身の良い点・悪い点が分かったので次の発表では今回より良い発表ができるよう,研究を進めたいと思います.
記事
末松孝太