倒立振子の制御方法
倒立振子を直立させるには,現在の倒立振子の傾斜角度が分かればしめたものである.このとき現在の角度が目標値の0度とどれだけの差があるかが
(目標角度0度)−(現在の角度)
により計算できる.この目標値からのずれを
誤差と呼ぶ.もしその誤差がプラス1度ならば,振子は左に傾いていることになり,しがたって,台車を左へ動かせばよいことになる.マイナスの時は逆である.
また,誤差が例えばプラス2度の場合,プラス1度の時に比べて傾斜が急なぶん,速く台車を動かす必要があるであろう.
以上をまとめると,倒立振子の目標角度と現在の傾斜角度との誤差を計算し,その誤差に比例した力を台車の左方向に加えればよいことになる.
(注意)実際に制御を行うためには,倒立振子の運動方程式をたてて,目標位置の近くで線形化を行って,制御入力を計算する.この場合,倒れないと保証できるのは,傾斜角度が比較的小さい場合に限られる(線形化の影響).