制御実験のモデル
この曲芸のような動作は,制御理論を使えば機械でも実現できる.その基本的な方法をこれから述べよう.図のように,倒立振子が乗っている台車を考える.簡単のため,倒立振子は左右にのみに倒れ,また台車は左右にのみ動作できるものとする.
倒立振子の根本の部分には,エンコーダと呼ばれる装置が付いていて,倒立振子がどれだけの角度傾いたのかを計測することができる.右側に倒れたときプラス,左側のときはマイナス何度とし,ちょうど直立になったとき0度とする.この振子の傾斜角度が被制御量になりその目標値が直立状態の0度ということになる.