2025年10月1日(水)岐阜大学人工知能研究推進センターは岐阜大学工学部電気電子・情報工学科情報コースと共催で、シンポジウムを開催しました。
会場には岐阜大学の学生や企業関係者ら約40名、オンライン配信は約350名と多くの方が参加しました。
本シンポジウムでは、AI技術の発達が社会の意思決定の在り方に与える影響を考察し、効率性と公平性を両立した「より良い社会的合意形成のあり方」を探ることに焦点を当てました。
始めに、寺田和憲教授(岐阜大学工学部情報コース)が「心の理論を備えたAIによる実社会ジレンマの解消」と題して講演し、人間の意図や感情を理解できるAIの可能性と課題について紹介しました。
続いて、伊藤孝行教授(京都大学大学院情報学研究科)が「AIエージェントによる大規模合意形成支援システム:D-Agree」をテーマに、AIによる社会的議論支援の最新研究を解説しました。
また、安野貴博客員准教授(岐阜大学人工知能研究推進センター)は「AI時代のDX戦略―変革を実際に起こすために必要な考え方」と題し、AI導入における実践的取り組みを提案しました。
最後にはパネルディスカッションが行われ、参加者からの質問にそれぞれの教授が研究と社会実情の両面から活発に意見を交わしました。そのなかで、最適解を求める過程では人との議論が前提であることや意思決定の自己帰属性や倫理の重要性など、合意形成の理想について言及しました。
当日は、対面・オンライン合わせて多数の参加者が集まり、AI技術と社会と人との関係性について理解を深める貴重な機会となりました。