医学分野部門長
工学部電気電子・情報工学科

教授原 武史

AIが支える医療現場の未来

医療現場に特化した画像解析技術

“医学分野部門部長という肩書きですが、私自身は工学部出身なので、医学の専門知識があるというわけではありません。
医療の現場の画像解析「医用画像」。
この医用画像、例えばCTとかMRとかの画像に“何が写っているのか?”という事を解析する事が私の研究分野です。
そのような画像を解析する事で“病気がどこにあるのか?” “この症状は陰性か陽性か?”などの事が、より鮮明に明確にわかるようになります。

この研究に“AIのディープラーニング”を取り入れた医療用画像を企業と連携を取りながら実際の製品化に繋げる事が、私の研究の目的となります。

医師経験値に左右されない医療技術を

レンゲン画像やCT画像は、それだけでは症例を判断できません。医師がそれら画像を見て判断をします。それを「読影」といいます。
しかし「読影」は、判断する医師の経験値に大きく左右された見解に頼らざるを得ませんでした。
人の臓器には様々な種類があり、形も様々です。
人によってや臓器の種類によっても、同じ名称の臓器でありながら形は千差万別です。常時形状が変わる臓器すらあります。
私の医用画像の研究は、AIのディープラーニングを取り入れ、この「読影」の部分を“経験値に頼らない、均一化された高レベルの実現”として目指しています。
医療の現場において、誰もがプロフェッショナルな医療技術で患者の診察に臨む事で、誤診などによる医療ミスを防ぎ、患者はもちろん、医師の負担も軽減する事に繋がるでしょう。

全ての診察の基本となる医用画像の研究は、医療界に大きく期待されている研究なのです。

AIを取り入れた医用画像のこれからの課題

過去に取り組んだ研究の中でも代表作「乳癌検診のスクリーニング」は、製品化に成功し、現在でも使用されています。
この製品化は20年前に実現し、現在の乳癌を見極める現場で使用されています。

現在取り組んでいる研究は、眼底の血管を正確に見る医用画像です。
眼底は、リアルでアクティブの動きが見える唯一の血管なので、この眼底の血管の動きが正確にわかれば、高血圧や糖尿病などの症状の早期発見に繋がります。

AIによる「読影」ですが、現在では一般的な臓器の判別は90%の確率で出来る領域まできました。

しかし、まだ腸などの時間帯によって形が変わるような臓器の判別が難しくまだまだ精度を高める必要があります。
私の研究やAIの躍進が未来の医療の発展を支え、多くの人の命を支える礎となる事を願っております。

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