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 今回午後から、小水力発電について説明をしていたただきました。
山から流れ出る豊富な水を、少しの発電量からスタートして行くというお話は、大きいことをするには、色々な問題…資金や自然環境との整合性が出て来ますが、そう言ったものと矛盾しない、小さいからこそできることがあり、その初めの一歩は大きいと思いました。
この小水力発電はこれからの発電の一つの方向をしっかりと示していたと思います。この写真はらせん水車発電システムというものです。落差は僅か60cmで設置ができるものです。雪解け水の豊かな水量によって、勢いよく稼働していました。
これは石徹白のような白山山系から来る水を享受できるからこそ取り組むことのできるものだと思います。
だからこそ気になったのが、数年前に閉鎖したスキー場がそのままなこと、又人工林の伐採の時期で、山が裸になっていたことでした。説明をしてくださった久保田さんとお話をさせていただく機会があったので、聞いてみたのですが、確かに水量は豊富であっても山の保水能力は全体的に落ちて来ているかもしれないとのことでした。
山の人工林については、所有権の問題もあるし、スキー場を天然林に戻すことも容易いことではないでしょう。
岐阜でも思うのですが、雨が降ってから川に水が来るのが速いし、その時は濁った水が流下していきます。
石徹白でも、昔は大雨が降っても濁った水はでなかったそうですが、今は濁り水が、出て行って収まる状態ということで、石徹白は九頭竜水系ですが、やはり山と川と海は繋がっているのだと実感しました。

久保田さんは、高度成長期が終わって、これから暮らし方が変わっていく中で、過疎化し限界集落ともいえる石徹白にも再生に道はあるのではないかと希望を持っているといわれました。
四十年ぶりに訪れた石徹白はスキー場と入口の別荘地を除けば、変わっていないという印象を受けました。
 白山信仰という貴重な歴史資源を持つ石徹白…、それは私達にとっては実はとても身近にあるものなのです。
例えば岐阜市の金華山と対峙するようにそびえる百々ヶ峰も昔は白山修験の場であったということですし、白山神社はこの東海地区には多々見られる神社です。
 美しい自然と、古くからの歴史や独特の民俗、石徹白を知る切り口は多いなと感じました。
 今回はまだようやく春になりかけた季節で日の当たる場所に芽を出していたフキノトウを少しだけ頂き、母にフキ味噌をつくりました。夏になれば青空に水のせせらぎが気持ちいいでしょう。秋には紅葉が綺麗でしょう。一度訪れれば、きっと何度でも訪れたい場所になると思います。



 

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