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今年は、例年になく寒い年であったようで、お花見も寒くて今一つ盛り上がりに欠けたのではないでしょうか?それでも連休の最終日には、岐阜も夏日となり 春から初夏へと移って行くようです。 その6日に、飛騨川をドライブしてきました。岐阜からのアクセスも暫らく行かない内に変わってしまって、関市の国道248号線バイパスから、41号バイパスで中川辺の向こうまで行くことができます。途中、美濃加茂市内がちょっと混雑しますが、なかなか便利になったものです)飛騨川の川沿いは新緑も美しく、天気もよかったのでいい気分で走れました。しかし、川に目を転ずると、上流にダムがあるために、水量が少なかったです。昔、と言っても、半世紀以上前ですが、飛騨川は水量が多く、川で泳ぐと河童に引き込まれるから泳いでは駄目だと言われたとか、春には川を見ていると鮎やサツキマスが群れをなして泳いで行ったという話をききました。飛騨川はダムの宝庫です。何ヶ所も堰止めては、発電し、水を流しています。ダム付近の魚道は、水も豊かに流れていましたが、階段式の魚道であり、上手く魚は上ってこられるのだろうか?と心配になりました。

上麻生ダム:重力式コンクリートダム
堤高は、13.2m
中部電力が管理する発電目的のダム
飛騨川流力では初期のもので、完成は大正15年
わきに設けられている階段式魚道です。





名倉ダム
直線重力式コンクリートダムで、中部電力の管轄の発電用ダム(昭和11年運用開始)
河川法にいうダムには、堤高が足りないのですが、十分にダムらしく、新緑にゲートの赤色が映えます。
右下にあるのが、これも階段式魚道でしょうか?
所謂ダムとしての堤高が低いため、発電は導水路で発電所まで水を引くことによよって、高低差約34mを利用して、22,200kwを発電しています。(中部電力データより)






この上麻生ダムと名倉ダムには、1968年に起きた日本におけるバス事故としては最悪のものとなった飛騨川バス転落事故に際して、事故現場より上流の上麻生ダムとさらに上流の名倉ダムを活用して、行方不明となっていたバスの捜索にあたったという「水位零作戦」というものがありました。その日の雨は岐阜地方でも激しいもので、今から40年以上になりますが、雨が降るのが恐ろしいと思った記憶があります。(後のS52.9.12の時よりも短時間に降る雨の量が激しかったように思います)二つのダムとも建設からかなりの年数がたっており、上の名倉ダムで湛水したものを一挙に下の上麻生ダム(発電専用ダム洪水調整能力・湛水能力ともに低い)で止めるということは、下手をすれば、ダム決壊の危険もあったわけですが、緊急を要したため、作戦は県警・消防・自衛隊総動員のもと実行されました。
今は、中山七里といって、山と渓流飛騨川をぬうように走る国道41号線ですが、過去にはこういった歴史もあったわけです。この国道41号線ですが、上麻生駅の手前で道が右岸から左岸へ渡り、その先をずっと行くと平という集落があります。入口に喫茶店があり、そこから細い道が集落を抜けるように別かれて又合流しますが、この道こそ、むかしむかしの国道41号線でありました(どのくらい昔だったかは、わかりません)

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