下の写真は、石垣島にある5つのダムです。(性懲りもなく、石垣島に行ってきました)こちらのダムはほぼ灌漑用の為、ダムの定義にあてはまるものであっても、溜池?と思われるような形態をしています。離島においては、周りは海水で、雨水の効率的利用というのは、大きな問題であったのでしょう。石垣島には5つのダムがあります。一ヶ所その天端に立つことはできませんでしたが、これらのダムは1つを除いて、沖縄の本土復帰がなされた後に着工されたものです。そしてこれらのダムによって、石垣の農業は支えられているのです。岐阜の地にあっては、水は潤沢にあり、時には災いをなし闘うべきものとして認識されてきていますし、水はあってあたりまえと思っています。この島にある名蔵ダムには、「慈雨豊穣」と書かれた碑がたっており(上の写真)、「昭和46年の連続干天日数191にも及ぶ大干ばつにより石垣島の農業は壊滅的な打撃を受けた。そこで農業用水を確保する慈雨の水瓶として、この地にダムを築造した」と書かれていました。その碑を見た時に、私は、岐阜とは違う意味で水に苦しんできた方々の願いと、その方々にとっての水は、とても優しいものであったのだということをひしひしと感じました。それでも、近年の異常気象により、大雨が降ると市内の川が氾濫を引き起こしたり、道路が冠水したりということが、何度かあるようです。又河川の氾濫は、島の赤土を海に押し流し 海のサンゴ礁に大きな打撃を与えていることも事実です。
底原(そこばる)ダム
灌漑用のダム 農業用フィルダムとして、堤頂長は日本一の長さ(1331m)を誇っている。
ロックフィルダムというものの、様相はアースダムのようです。
真栄里ダム
石垣島のダムの中では唯一の多目的ダム(灌漑。・治水・上水道)・ア-スダム
ダムのもとに於茂登取水場が設けられています。又余剰となった水は導水路(929m)によって底原ダムに送られ、効率的に貯水されているとのことです。
名蔵ダム
灌漑用ダム
ロックフィル式らしい様相を呈しています。
日本の最西端にあるダム
このダムの近くに、石垣島の最高峰(沖縄県の最高峰でもある)於茂登岳から流れる水を祀った祠があります。そのわきを流れるせせらぎの水は、甘かったです。
石垣ダム
灌漑用ダム・ア-スダム
日本の最南端のダムで、本土復帰前、昭和37~38年にかけて、琉球政府によって作られています(後に国営かんがい排水事業宮良川地区の事業で昭和52~54年にかけて改修されています)…ダムの案内より
バンナ公園のそばにあり、ダムらしくないダムです。
湛水面積・総貯水量とも小さいもので、それと亜熱帯の気候があいまっているのか、このダムの水の色は他のダムとは明らかに違っています。多分植物プランクトンが発生しているのでしょう。灌漑用の水なので、そのまま流しては悪影響があるでしょうから、多分どこかで除去されているのだと思います。島の西南部の農地約1200haの灌漑に利用されています。
大浦ダム
灌漑用ダム・ロックフィルダム
島の北部 野底地区にあり、ここは関係者以外立ち入り禁止でした。
ダムには目的があり、その目的に沿って管轄・運用されています。この島では、今でも天候によって断水になることが数年に一度はあるようです。水不足だからといって、他のダムを利用することもできません。新しい空港ができて、観光客の数も増えれば、その分水の需要も増えることになります。
2013年度より、国営かんがい事業石垣地区の事業により、農業用は底原ダムからの供給となり、真栄里ダムは、上水道目的となるようで、上水道の安定的な供給ができるようになるということです(2013.3.30八重山毎日新聞より)
私達は水は無限のものと思っているふしがありますが、決してそうではないということを肝に銘じる必要があると、改めて感じました。それはここ岐阜の地に於いても同じことだと思います。
同じ場所を性懲りもなく、数回訪れていますが、なにかしらコアなテーマを持って巡るということは、普段考えなかったことや、見えていないものが見えてきたりするものです。