刊行物の紹介(一部)
「飯田市歴史研究所年報」年1回発行 現在13巻まで刊行
第1巻の巻頭に、同所長である吉田伸之氏の論文が掲載されており、自治体史を編纂する意味とポイントが書かれています。
その意味とは、
- 市域を生きる未来の市民のために、かつてこの市域を生きた人々が残したかけがえ のない歴史資料を少しでも多く収集・記録し、情報を集め、保存・公開の処置を講 ずる。
- 市域の過去を振り返り、人々のかつての暮らし・営みや、過去からの贈り物である様々な歴史遺産を科学的に研究し、過去の事実を可能な限り精緻に解明し、これを 平易に叙述する。
- 市域にとって、現在の到達点や課題・問題点を考え、その歴史的な意味合いを、専 門研究者、市民、市当局が共同で考究する。
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- 語りつぐ飯田・下伊那の歴史
- 下伊那の国学
- 古島敏雄の人と学問
- 歴史のなかの街並みと建造物
- 地域の歴史をひらく
- 下伊那谷の古墳と古代の舎人軍団
- アジア太平洋戦争にいたる道
- 城下町飯田
- 戦後復興から高度成長へ-飯田・下伊那の経験-
- 地域と歩む教育の歴史-飯田・下伊那の学びの場から-
- 古代の交通と地方社会-イナ・シナノとその周辺-
- 記憶と経験を語り継ぐこと
ポイント等以下は略させていただきますが、飯田市歴史研究所が取り組む道筋が示されています。 又飯田市域にとどまらず、市町村を横断する地域史を研究する連合体を構築する必要性が説かれています。
一例で言えば、第1巻の論文「地域史をひらく」森武麿氏の論文に、この地域の歴史的特色としての、満蒙移民開拓、これは飯田市のみならず、この下伊那地方の全域の問題と言える。これを語り継ぐことは、この地域の使命なであるが、これもただこの地域にのみスポットを当てていても、全体像が見えてこないもので、 戦前-戦中-戦後の時代の流れと、その時々の地方・国家・世界の視点をもってみていくべきものであると書かれています。
各年度の年報のタイトル
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