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燃焼排ガス浄化

 現在、自動車の排ガス処理や燃料電池などのオフガス処理には貴金属系の触媒が利用されていますが、資源量の減少や価格の高騰が懸念されるため、より安価で容易に入手可能な触媒の代用が求められています。例えば、酸化チタン(TiO2)は火力発電所における排ガス処理装置などに用いられており、貴金属に比べて安価で豊富です。光触媒として広く知られているTiO2ですが、熱によって活性化する機構が存在することが分かっています。そのため、光と熱両方で活性化させることによりTiO2の触媒性能を向上させることが期待できます。
 当研究室では、光、熱、あるいはその両方によってTiO2を活性化させ、そこへ模擬燃焼排ガスを通して酸化・分解させています。そして、触媒を通す前後での排ガス成分をガスクロマトグラフィーで明らかにし、酸化・分解率を指標に触媒性能を比較・評価しています。また、TiO2の触媒性能が対象ガスに含まれる水蒸気量によって変化することが分かっているため、模擬排ガス中に含まれる水蒸気量を変化させて、触媒性能がどのように変化するのか調査・研究しています。

光・熱励起した酸化チタンによる模擬燃焼排ガスの酸化分解実験

光・熱励起した酸化チタンによる模擬燃焼排ガスの酸化分解実験

【研究成果】

  1. 井原禎貴、西川治光、石田彦陽、小林芳成、高橋周平、混合相酸化チタン(P25)の熱誘起活性化とガス状有機化合物の酸化活性、Journal of the Society of Inorganic Materials, Japan, 27(408) (2020) 227-232.
  2. H. Nishikawa, T. Ihara, N. Kasuya, Y. Kobayashi, S. Takahashi, Thermally-induced activation of titanium dioxide and its application to the oxidation of gaseous toluene, Applied Surface Science 479 (2019) 1105-1109.

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岐阜大学 工学部 機械工学科
燃焼研究室

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